噓から出た実 #毎日ネタ出し53日目

【タイトル】

嘘から出た実

【あらすじ】

一つの嘘がその後の運命を大きく変えることがある。

玉木樹は、まもなく35歳になる。いまだに彼女も出来ず一人で過ごす日々を送っていた。彼は非正規雇用で働いており、収入も決して多くはない。住んでいるのも、都内で月5万円ほどのワンルーム。婚活パーティーやマッチングアプリ等を試しても、まともに相手をされることはなかった。

そんな彼はほんの出来心で年収を偽ることにした。

年収は1,000万円。都内のタワーマンションに住んでおり上場企業の役員。

彼のプロフィール欄にはそうした”嘘”が書き並べられた。玉木自身もほんの遊びのつもりだった。こんな嘘を書いたところでどうせすぐにバレる。バレればすぐに人は離れていくだろう。でも、ほんのひと時だけでも誰かからチヤホヤされたかった。たったそれだけの気持ちだった。

しかし、そんな予想とは大きくことなった展開が待ち受けていた。

そんな彼に経歴に興味を持った複数の女性からたくさんのメッセージが届く。彼はたちまち陽気になり、たくさんの女性とメッセージを交わす日々が続く。次第に「自分はモテる」という意識が芽生えてきてしまった。

偽りの人気にも関わらず、そのことをすっかりと忘れてしまった玉木は、とうとうその中の女性と会うことにした。

しかし、嘘がバレて振られてしまうことを恐れた玉木は大きな決断をする。それは最悪の「借金」という手段だった。

金を借り、高級なホテルでディナーをともにし、嘘の自分を演出したのだ。女性と別れた後、ふと我に返る。

「ああ、もう駄目だ。こんなことをしていてはいつかメッキが剥がれる。それどころか、借金で破産してしまう。もうこんなことはやめよう」

しかし、そこでやめられないのが人間の悲しい性。その女性から再び「会いたい」と連絡が来る。断り切れなかった玉木は再び借金を重ねていく。

そうして最終的にはサラ金にまで手を出してしまうことになる。

一つの嘘がその人の人生を大きく変えてしまう。しかし、玉木はそれで終わりではなかった。その女性に本気で惚れ、嘘を真実にするために動きだす。

借金の返済はもちろん、プロフィールに書いたことを全て実現させるために。

果たして彼女にバレることなく玉木は成功することが出来るのであろうか。

今無謀な挑戦が始まる。

色々な実験を行い、その結果を公開していきます!もし何かしらの価値を感じていただけましたら、サポートしていただけますと幸いです!