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営業時代の話part⑨

おはようございます!

今日は「営業時代の話」の続きを投稿します!

▼第1話はコチラ

それでは本日もよろしくお願いします!

※登場人物、企業、団体は全てフィクションです。

●営業の世界

会議はいまだに険悪な雰囲気となっていた。私たちの発表のクオリティが低かったせいで、社長と藤橋さんが揉めているからだ。しかし、言い合いの矛先はこちらも向かってきた。

「そもそも、二人はちゃんと本読んできたの?」

社長は私たちに向かってそう質問をした。

「え、えーと。しっかりとは読めていません……」

「わ、私も目は全部通したのですが、しっかりとは読んでいないです」

私も本村さんもそう答えた。

「ならダメじゃん。土日もあったんだろ? いくら新入社員って言っても、君たちは中途採用で、一応即戦力だと思って採用してるんだから。新卒気分でいちゃダメだよ」

「……はい。すいません」

私と本村さんは二人して頭を下げた。

「……まったく。まあいいや。最初に失敗していた方が、後々伸びてくれるかもしれないからね。俺はさ、基本結果しか見ないから。営業ってそういう世界だと思ってる。どれだけテレアポしようが、どれだけ外回りして訪問しようが、1件も契約とれないんじゃ意味がないよね。当然結果を残すためのプロセスは考えなくちゃいけないけど、評価されるのは結果だけだよ。少なくともうちの会社はそうしてる。佐藤くんだって、頑張りを評価してほしくて転職をしてきたんだろ? だったらもっと頑張らないと。正直、今日がプレゼンだったら二人とも減給ものだよ。そんな準備でお客様の前には立てないよ。とにかく結果だ。結果を残せるように、行動を変えること。いい?」

社長は先ほどまでの怒っているような口調から一変、再び穏やかな話しぶりへと戻っていた。しかし、だからこそ私自身の胸には深く刺さる。

「結果が全て」

まさにその通りだと思った。営業で成果を上げると意気込んでいたのは私自身なのに、現実から目を背け怠けてしまっていたことを悔いた。

「なら、今週の課題図書は俺から出すよ。ちょっとこの後考えてくるから、後でまた会議室に来て。よろしくね」

社長はそう言うと、タバコを吸いに喫煙所へと消えていった。

To be continued…

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