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逃げ癖 #毎日ネタ出し48日目

【タイトル】

逃げ癖

【あらすじ】

また諦めてしまうのか?

また自分の気持ちに背を向けてしまうのか?

私は自分自身にそう問いかける。


“逃げ癖”

私はこれまでの人生逃げてばっかり。何かと理由をつけては、進むことを諦めてしまう。やりたいことがあっても口には出さない。なぜなら失敗するのが怖いから。挑戦して失敗したら、2度と立ち上がれなくなるのが怖い。だから、体のいい言い訳を考え逃げる選択をしてきた。

そんな私の目の前に現れたのが宮前良二。一目惚れだった。高身長でイケメン。更には優しさも兼ね備えている。完璧な存在だった。

私が通っているジムに、インストラクターとして先月からやってきた宮前さん。

当然人気は爆発し、彼のレッスンにはおば様たちが列をなした。

私は彼のことを遠くから見るしか出来ない。どうせ私なんかを相手にしてくれる訳ない。どうせ素敵な彼女らさんがいるんだろう。

この1ヶ月、話をするどころか彼のレッスンにも参加出来ずにいた。

「ど、どうせ私には彼と近づくなんて無理な話。傷つくだけだから。もう彼のことを考えるのは止めよう」

自分自身にそう言い聞かす。でも、なぜか彼の笑顔に惹かれてしまう。忘れようにも忘れられない。

そこで、ジムにいるトレーナーさんに聞いてみることにした。

「み、宮前さんって凄い人気ですよねー。や、やっぱり彼女さんとかいるんですかねぇ」

「宮前さん結婚してますよ」

「は?」

予想外だった。彼女がいるくらいのことは想定していたが、まさか結婚までしているとは。

さすがにこんなことを知れば諦めがつく。でもこれで良かった。彼のことで悩む日々ともおさらばだ。

そう思っていたのに。いつもの逃げ癖で、諦められると思っていたのに。

なぜか今回は気持ちが収まらない。むしろ、前よりも彼のことが気になっている自分がいる。

彼は結婚してる。だからどうしようもないはずなのに。

しかし、私の体は不思議と動き出す。絶対に動いては行けないと分かっているのに、彼へと近づいていく。

以前はあんなに消極的だったのに、なぜか今は積極的になっているのだ。

私は自分自身に怖くなる。こんな自分がいたなんて。

でも、もう後ろには進めない。あるのは前進のみだ。

そうして私は破滅の道へと歩み始めたのだった。

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