焔魔堂ノート

『ユーフォリックな、僕たち』というタイトルは、そんなに幸福感のない時代への、ちょっとし…

焔魔堂ノート

『ユーフォリックな、僕たち』というタイトルは、そんなに幸福感のない時代への、ちょっとした皮肉でもあります。戦争もあるし経済だって問題だらけ。でもなんか浮ついてる。これを文化や流行を舞台に書いていきます。バカな雑文書きな戯言です。サブタイトルは「資本主義狂想曲」。

記事一覧

世界をめぐるレンピッカ、資本主義

「欲望する機械」という言葉は、たしかに秀逸なネーミングだった。けれども、それが盛んに語られたのはもう50年も前のことだ。当時の新鮮さはすでに失われている。イメー…

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サロメのような資本主義

タマラ・ド・レンピッカの悩ましいまでの美貌。 自由奔放な行動様式。 魔性さえ秘めた蠱惑的な性の魅力。 それらはどこか貨幣の性質を思わせる。その強度、疾走するような…

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note デビュー / はじめまして

はじめまして。焔魔堂と申します。 note デビューのお知らせをするまえに、記事を1つ載せてしまいました。フライングでした。 あらためて、書きはじめのご挨拶をさせてい…

焔魔堂ノート
3週間前
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小悪魔レンピッカと「狂乱の時代」

アール・デコの熱狂のなかで 熱に浮かされたような時代が、歴史のなかにふと姿をあらわす。まさに熱病だ。赤い波がつぎつぎと押し寄せてきて、荒い息をしているのにもかか…

焔魔堂ノート
3週間前
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世界をめぐるレンピッカ、資本主義

世界をめぐるレンピッカ、資本主義

「欲望する機械」という言葉は、たしかに秀逸なネーミングだった。けれども、それが盛んに語られたのはもう50年も前のことだ。当時の新鮮さはすでに失われている。イメージに傾きすぎているという批判もあった。
それでもなお、欲望のもつ奇怪で、謎めき、冷徹で、どこかコケティッシュな特性の表現としては、独自の存在感をはなっているだろう。ましてや、欲望の車輪は、いまもカラカラと音を立ててまわっている。どんどん加速

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サロメのような資本主義

サロメのような資本主義

タマラ・ド・レンピッカの悩ましいまでの美貌。
自由奔放な行動様式。
魔性さえ秘めた蠱惑的な性の魅力。
それらはどこか貨幣の性質を思わせる。その強度、疾走するようなスピード感、なにものにも束縛されない自由さ、あるいはとろけるような官能から悪趣味になりかねない奢侈までもが、貨幣そのものではないか。

狂乱の時代と呼ばれた1920年代のパリにあって、レンピッカの奔放な生き方とその独特の絵は、不思議な輝き

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note デビュー / はじめまして

note デビュー / はじめまして

はじめまして。焔魔堂と申します。
note デビューのお知らせをするまえに、記事を1つ載せてしまいました。フライングでした。
あらためて、書きはじめのご挨拶をさせていただきます。

いきなりですが、日本に暮らしていると、自動販売機があるのはあたりまえで、ほんとにいたるところにあります。農村部だって、ある。人けのない海岸にだって、ある。こどものころから、気がつけば自動販売機があったわけです。やっぱり

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小悪魔レンピッカと「狂乱の時代」

小悪魔レンピッカと「狂乱の時代」

アール・デコの熱狂のなかで

熱に浮かされたような時代が、歴史のなかにふと姿をあらわす。まさに熱病だ。赤い波がつぎつぎと押し寄せてきて、荒い息をしているのにもかかわらず、自分が病気なのかどうかさえ、もうわからなくなっている。

たとえばヨーロッパの美術界や建築界がアール・デコにわいた1920年代もそうだろう。その中心地となったパリにタマラ・ド・レンピッカという画家がいた。

その絵に登場する女性た

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