「欲望する機械」という言葉は、たしかに秀逸なネーミングだった。けれども、それが盛んに語られたのはもう50年も前のことだ。当時の新鮮さはすでに失われている。イメー…
タマラ・ド・レンピッカの悩ましいまでの美貌。 自由奔放な行動様式。 魔性さえ秘めた蠱惑的な性の魅力。 それらはどこか貨幣の性質を思わせる。その強度、疾走するような…
はじめまして。焔魔堂と申します。 note デビューのお知らせをするまえに、記事を1つ載せてしまいました。フライングでした。 あらためて、書きはじめのご挨拶をさせてい…
アール・デコの熱狂のなかで 熱に浮かされたような時代が、歴史のなかにふと姿をあらわす。まさに熱病だ。赤い波がつぎつぎと押し寄せてきて、荒い息をしているのにもかか…
焔魔堂ノート
2024年6月24日 03:01
「欲望する機械」という言葉は、たしかに秀逸なネーミングだった。けれども、それが盛んに語られたのはもう50年も前のことだ。当時の新鮮さはすでに失われている。イメージに傾きすぎているという批判もあった。それでもなお、欲望のもつ奇怪で、謎めき、冷徹で、どこかコケティッシュな特性の表現としては、独自の存在感をはなっているだろう。ましてや、欲望の車輪は、いまもカラカラと音を立ててまわっている。どんどん加速
2024年6月16日 23:42
タマラ・ド・レンピッカの悩ましいまでの美貌。自由奔放な行動様式。魔性さえ秘めた蠱惑的な性の魅力。それらはどこか貨幣の性質を思わせる。その強度、疾走するようなスピード感、なにものにも束縛されない自由さ、あるいはとろけるような官能から悪趣味になりかねない奢侈までもが、貨幣そのものではないか。狂乱の時代と呼ばれた1920年代のパリにあって、レンピッカの奔放な生き方とその独特の絵は、不思議な輝き
2024年6月9日 05:39
はじめまして。焔魔堂と申します。note デビューのお知らせをするまえに、記事を1つ載せてしまいました。フライングでした。あらためて、書きはじめのご挨拶をさせていただきます。いきなりですが、日本に暮らしていると、自動販売機があるのはあたりまえで、ほんとにいたるところにあります。農村部だって、ある。人けのない海岸にだって、ある。こどものころから、気がつけば自動販売機があったわけです。やっぱり
2024年6月4日 16:37
アール・デコの熱狂のなかで熱に浮かされたような時代が、歴史のなかにふと姿をあらわす。まさに熱病だ。赤い波がつぎつぎと押し寄せてきて、荒い息をしているのにもかかわらず、自分が病気なのかどうかさえ、もうわからなくなっている。たとえばヨーロッパの美術界や建築界がアール・デコにわいた1920年代もそうだろう。その中心地となったパリにタマラ・ド・レンピッカという画家がいた。その絵に登場する女性た