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「消えた子役」で何が悪い

「消えた子役」というフレーズが苦手です。


親が自分の子供を芸能事務所に入れるとする。
その行為に子供本人の意思はない、または薄い。

その子が自ら事務所に入りたいといったとしても、未成年者の契約のような非常に不安定なもの。
それを職業とすることへの理解は曖昧だろう。


彼・彼女にとっては物心ついた頃から自分は役者で、それが当たり前になっている。

当たり前を疑わず、よくわからないままに役者を続けるうちに、「俳優以外に何をしたらいいかわからない人」になる。

そんな人になってしまうくらいなら、役者の世界から一度フェードアウトした方が良い。


親が敷いたレールに乗っかり続けて役者を続けるよりは、その道を離れたほうが本人のためなるんじゃないの?

それを「消えた」だの揶揄するやつらは何様なんだ?

と思うんですよ。


実際に子役全員が思春期に役者を辞めてしまうと、その年代の俳優が不足するでしょう。
それはそれでまずいですが、今日はとりあえずこの問題は置いておきます。


最近はあえて演技の道から外れて、勉学などに励む元子役の人も増えているようですね。
素晴らしいことです。


世の中には、親が敷いたレールにそのまま乗り続ける人もいます。

親が敷くつもりもなかったレールに自ら乗る人すらいるんです。

「親の働く姿に感銘を受けた」、「親が築き上げた場所を守りたい」
こういったポジティブな感情を抱いてその道に進んだ人なら応援したくなります。

残念ながらそうでない人もいます。

とりあえず楽をしたい人、親の実績を利用したい人……

そういったごく一部の浅はかな人の言動により、いわゆる「二代目」は世間からマイナスイメージを持たれることもあります。


二世タレントや世襲議員が反感を持たれがちなのも、きっとそれが一因でしょう。

(無論、二世タレントにも世襲議員にも、私達には計り知れない苦労があると思います。
二世だからという理由だけでその人を叩くことは許されません。)


もちろん、これは個人的な考えなのでね。

親の影響を受けてコレコレする、というのは全部が全部悪いことではない。


だがこれは果たして本当の自分の意思なのか?
自分が考え抜いた結果なのか?
無意識のうちに親に依存しているのではないか?

どこかで、しっかり見つめ直した方が良いと思うのです。



あ、言うまでもないですが、子役からずっと役者を続ける俳優さん達の人生を否定するものでもないですからね。

きっかけは親だとしても、本人の意思で続けていて、それが天職だとしたら文句なしでしょう。


彼らが役者を続けるにしても道を変えるにしても、あたたかい目で見守るべきではないでしょうか。