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東証で審査経験を持つ“守り”の私が、“攻め”の姿勢で気候テックの「アスエネ」を選んだわけ

公認会計士を選んだのは“なんとなく”

自分は、早稲田実業という中学から大学までの一貫校に入っていたのですが、学生時代は部活動に夢中で、サッカーや陸上ばかりをしていました。特にこれといって勉強にはげんでいた記憶はないです。ただ、そんな私をみかねて「大学で商学部に入ったら会計士、法学部だったら弁護士にくらいならんといかん!」と、祖父からずっと言われていたのは覚えています。当時は将来の夢もあまりなかったものの、「手に職を持っておく選択肢もありか……」とぼんやり考えていました。

ちょうどそのタイミングで、大学と同じ駅に会計士の専門学校が新しく開設されると知りました。今では恩師にあたる、その学校の先生からの誘いもあり、資格をとることを決意。ダブルスクールで、朝から晩まで勉強をして、
大学3年生のころに会計士の資格を取りました。

就職活動で自己分析をしてみても、自分は誰かをサポートする、参謀的な役割がむいていると感じていました。数あるサポート的な業務のなかでも、会計の仕事はどの業種、業界でも求められるスキルなので、自分の武器として持っておきたかったという思いもありました。

企業を監査する立場で目を肥やす

新卒では、EY新日本有限責任監査法人に入社、トータルで10年ほどいました。前半は上場会社の監査、後半はIPO準備会社のコンサルティングなどを専門にする部署にいました。手を上げればなんでもチャレンジできる環境だったので、IPO関連の研修講師、ブログ、書籍執筆などもやらせてもらいましたね。そのなかでも大きな経験を得られたのは、東京証券取引所の上場審査部(IPOする会社を審査する部署)での出向経験です。

東証では、2017年から2019年の2年間在籍していました。経験値として特に大きかったのはIPO当落選における価値判断基準を学んだことです。会社の予算管理の審査をしていたのですが、審査の精度と、どの程度乖離すると問題になるかを、実務を通して身につけました。例えば、健康食品を売っている会社の場合、WEBサイトやチラシで誇大広告をしていないか、問題となった場合の改善策の調査などですね。とにかく、企業に嫌われる覚悟で、厳しくチェックしていました(笑)。

ちなみに、「年々、東証の審査は厳しくなっているのでは?」という指摘もあるのですが、これは外部環境におけるガバナンスの水準が向上したことにつきます。一昔前であれば見過ごされ軽視されていた、労務・ハラスメント問題。またSNSが普及した現在では、役職員のトラブルも顕在化、波及しやすくなっているので、ボードメンバーにはより高い倫理観が求められています。

こうした時代背景のもとで、最近は特になにが論点となり、IPOではどこまで求められるかの水準感を肌で学べたことはとても大きかったです。審査する上で、東証に集約されているデータベース量も圧巻ですし、在籍されている方々の論点をみつける能力の高さも勉強になりましたね。

私は、出向者として選んでいただいた恩もあったので、EYと東証の橋渡し役として東証審査部長による研修をEY内で開催しました。意見交換の機会を促進したり、EY内でのE-ラーニングを開設したり、法人内部・外部向けの研修講師を担当することで、ナレッジの共有や理解を深める活動につとめていました。

自分もプレイヤーになりたかった

楽しい経験をさせていただいていたEYから転職しようと思ったのは、30歳のときでした。出向から帰任し、次のキャリアを考えた結果、スタートアップに飛び込もうと決めました。コンサル・証券会社など、キャリアの延長線に近い道を歩むことも捨てがたかったですが、コンサルをする上でも、まず自分がプレイヤーになることで感じられる大変さを30代前半で体験しておきたかったからです。

Why、Whatの要素としてIPO上の論点を提示はしていても、Howの具体案まで提供できていなかった監査法人・東証時代の自分は、「このままでいいのか」と常に心のモヤモヤがあったので、それを解消したかったという思いもあります。

数あるスタートアップからアスエネを選んだわけ

まずひとつ目は、IPOできる可能性の高いスタートアップを選びました。東証時代にショートレビューや上場審査を経験するなかで、リスク感度が勝手に際立ってきていて、ビジネス内容や社長・会社の雰囲気を見ると、IPOとして成功しそうか、そうでないかをなんとなく感じとれるようになりました。(経営経験がない自分が言うのも申し訳ないのですが……)具体的にいえば、ビジネスモデルとして底が堅いBtoB SaaSの領域。toBのビジネスは、toCにくらべて顧客管理・原価コストも相当抑えられ、法規制の要素からも新規性が高すぎなければ比較的自由な経営が可能なんですよね。それに加えてスケーラビリティも高く、大資本と比較してスピードの面で勝てれば、IPOが狙えるぜ!と考えていたんです。

ちなみに、周りからはIPO前のN-1期ごろからの会社の方がいいのでは?という声もありましたが、やはりアーリーフェーズのスタートアップに入り、組織立ち上げ・資金調達など未経験の領域に飛び込んでみたいという思いは捨てられませんでした。

2つ目に、課題解決型のプレイヤーのひとりになりたかったことです。人類は歴史上でも、常に天敵・飢餓・疫病・自然災害といった困難に直面し、進化をつづけてきました。いま、世界が直面している課題の大きなひとつが環境問題。熱波・大雨・洪水・干ばつといった異常気象は、世界では連日報道されていて、日本でも夏季には洪水・大雨のニュースが多い状況です。まさに今、5-10年の取り組みが急務である一方で、どうしても日本は遅れをとってしまっています。ただし2020年の菅前総理のカーボンニュートラル宣言のあと、風穴はあけられました。この大きな流れから、アスエネもCO2削減のソリューションを提供できるド直球なプレイヤーとして、国内では唯一の存在であると感じ、私もジョインしたいと思いました。

そして最後に、何より信頼できるメンバーがそろっていると直感したことです。ビジネスとして成長すること、社会課題を解決することも重要ですが、自分が働く上で「誰と仕事をしたいか」という視点は、とても大事なことでした。昨年末に正式に参画する前の2021年7月、ありがたいことに私も経営合宿に参加させてもらう機会がありました。Ownershipを持ち、経営戦略やMVVの協議を通じてアスエネを引っ張る代表の熱い想い。それに負けず劣らず、強い気持ちを持つメンバーの想いを感じとることができました。そんな熱い組織の中で、自分はサポート役に回り、しっかり守りを固めていきたい、と感じたことを今でも覚えています。

CFAOとして守りつつ、攻められる自分でいたい

現在、私はCFAOとしてファイナンスと、経理・人事労務・総務などのコーポレートを統括するポジションを任されています。「CFAO」は、あまり聞きなじみがないと思いますが、Chief Financial & Administrative Officerの略です。長すぎて噛んでしまいますね(笑)。


コーポレートの立ち上げは、EYでも、東証時代でも経験しなかったことですので、ひとつひとつ手探りで進めています。また、リソースの配分は、ビジネスサイド、開発サイドと比較するとどうしても序列が落ちますが、効率性を意識する必要があります。例えば、今私は資本政策や労務管理などの不可逆性が高く、問題が発生すると大きな影響を受けるところから徐々に対応しています。国内の名だたるスタートアップのCFOも、立ち上げ初期のタスクは未経験の中で、泥臭い仕事をたくさんこなしていますし、私も今のフェーズは修行と心に決めて業務に携わっています。

一方で、最近はピッチイベントなどで登壇させていただく機会もあり、ビジネスをさらに成長させるための攻めの姿勢も持ち合わせるようにしています(笑)。コーポレートは縁の下の力持ちポジションにはなりますが、土台をしっかり作らければIPOを迎えることもできません。

現在、コーポレートは財務経理・人事労務・総務の各ポジションを募集しておりますので、ぜひ立ち上げ期のこの面白いフェーズを作っていきたいという人をお待ちしています!

アスエネのコーポレート業務が気になる方は、ぜひMeetyでカジュアルにお話ししましょう!


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