Winter Is Coming. 毎年「どうなんだっけ?」となる雪虫の生活史。
雪虫、ご存知ですか。
10月頃、北海道では「雪虫見たよ」「ああ来たか」「見なかったことにしたい」などの会話が聞こえてきます。
これは雪虫が飛んだらあと二週間ほどで初雪が降るだろうと伝わっているから。「ああ、(長い)冬が来る(雪がたいへん)」という、(世界でもまれにみる降雪量の都会である)札幌市民のなげきが伴いつつも、冬を告げる使者がきちんと訪れることにホッとする思いもあるのではないでしょうか。
ほっかいどうイキモノート(JR北海道車内誌)の連載中、ぜひ知りたいと思っていたのがこの雪虫。北大は何度か訪れていたものの、農学部は初めて。博物館にも似た外観に「おおお」となり、中に入ってダンジョンレベルで迷いかけたのを覚えています。
雪虫。ほんとうの和名はトドノネオオワタムシ。白いフワフワを身に纏った飛ぶアブラムシ。でも飛ぶのは10月だけじゃない。羽が生えるのは移動する世代だけ。形態いろいろ。一年の間にめっちゃ世代が入れ替わる。ほぼメス。オスは一世代だけ。アリに運ばれる。二色。えーーーと、思いつくままに特徴を並べるとこのようにカオス。
この複雑な生活史を秋元先生がシロウトにもわかりやすく説明していただいたものをワタシなりにまとめたのがこの記事。
雪虫って何?と思ったらご覧ください。きっと来年も確認したくなるので貼っておきます。
先生のお話のとおり、今年もフッと暖かくなった風のない日に一気に飛んでいるのを見ました。この夏、2年間の仙台暮らしぶりに札幌に帰ってきたもので、「うわ〜雪虫だ〜がんばってたどり着け〜」とうれしくなって激励しました。帰り道、さらに数を増やした雪虫を「ちょっとーー」と言いながら払ってしまいましたが。
厄介者に思うかもしれない雪虫だけど、生活史をひもとくと彼らも重要な生態系の一部なんだよなあ、と毎年思うのです。とかいいつつ、「雪虫スフレ」が発売されたときは「げえ!」と言ってしまったけれど、いや、おいしいお菓子なんですよ。きっとネーミングされた方は雪虫のかわいらしさに気付かれたのかと。
10月の北海道に来られることがあったら、小さくてフワッと白い虫に注目してみてください。訪れた日が風の無い穏やかな陽気なら、彼らの移動を見ることができるかも。もし口に入ったら…それはタンパク質です。
ところで!Winter Is Coming…ゲームオブスローンズ、ゆるゆるとちょっとずつ見ていたら、どこでも配信されなくなっちゃった!
いつまでもあると思うなドラマの配信と多様な生きもの。