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今週の地域活性化、自治体関連ニュースまとめ(2021/10/4~10)

毎週600~800本に近く配信される地域活性化、自治体関連のニュースに目を通し、個人的に「これは!」と思ったニュースを要約&解説しています。日々多忙な地域、自治体に関わる皆様の情報収集の一助になれば幸いです。

今週は自治体DX関連の記事をピックアップしました。

■コニカミノルタが自治体DXサービス専門子会社を設立

コニカミノルタが自治体DXサービスを提供する新会社、コニカミノルタパブリテック株式会社を設立し、自治体へのDX支援を強化・加速することを発表しました。業務量やプロセスを分析し、業務の標準化を図る新サービス「自治体DX支援プラットフォーム」を提供します。

自治体には業務内容はほとんど同じはずなのに、自治体間で独自のフローで実施されている業務、いわゆるガラパゴス化が進んでしまっている業務が大量に存在します。

コニカミノルタが保有する業務改善ノウハウを活用し、80万件に及ぶ膨大のデータを業務分類、作業分類し約4,800パターンに類型化しこれを可視化。

※画像はコニカミノルタ ニュースリリース から

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DXコックピットから自身の自治体の業務手順書だけでなく他自治体の業務手順書、法令情報やマニュアルなどを参照することができます。いわば標準化された効率的な業務方法を検索できるデータベースです。

また自治体内部で利用できるチャットツールである「LoGoチャット」を開発する親会社チェンジとの提携により、チャットから業務効率化の事例などを調べられるサービスなども導入予定のようです。

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上記のような業務分析&標準化をすすめ、公務員でないとできない仕事(コア業務)/そうでない仕事(ノンコア業務)に分類しノンコア業務などは業務委託などをすることで、本当に職員が取り組むべき創造的業務を確保できるようになります。

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さらにシステム開発会社やSIer等がシステム・ソリューションを開発する際に自治体の業務データを参照する情報基盤としても活用できるため、多くの自治体で導入されれば、様々なパートナーもよりスムーズに業務効率化やDXが進めることができるため注目です。

自治体DX支援プラットフォームは、1パッケージ30アカウント年額90万円(税抜き)のサブスクリプションライセンスを基本として提供されています。

■3ヶ月のオンライン学習で、自治体職員のDX推進やIT技術への理解度が向上

ベネッセが同社のオンライン学習サービス「Udemy」で提供する 自治体向け行政DX人材育成プログラム に参加した34自治体(1,378名)に向けたアンケートを実施。学習前後での学習効果、行動変化等を比較・分析しました。

■実証研究結果サマリ
▶ Udemyで学んだIT技術を活用して、施策の検討ができるようになったと67%が回答
▶学習前後を比較した場合、「DX推進のための学び方が分からない」が28pt改善(減少)、
また「業務改善に活用可能なIT技術が分からない」が17pt改善(減少)
▶「DXやIT技術について学び続けたい」と86%が回答
■AI・RPA、Excel等の活用による業務改善事例
・紙媒体に記録していた帳簿を、Excelで管理できるようにし、入力・集計の時間が短縮できた。(市民窓口部門)
・児童生徒や保護者からのアンケート回答等、膨大な書類の処理にRPAが活用できる(教育政策部門)
・ワクチン業務でのRPAの利活用(ICT推進部門)
■データ利活用事例
・新型コロナウイルス感染症対策におけるデータの活用(総務部門)
・災害リスクのデジタルデータを、人流データや道路幅員、その他のデータと関連付けることで、災害時の避難誘導など市民一人ひとりの命の確保に直結するような取組を検討できる(都市計画部門)
・観光客の動向データやニーズの傾向を収集し、デジタル技術を活用することで、より魅力度の高い観光のモデルコースづくりや、市内周遊クーポンなどの商品開発ができる(観光部門)

DXに関しては、外部パートナーに丸投げでは絶対に本質的な問題解決にはなりません。各現場で実際に業務に取り組んでいる職員が課題意識を持ち、自分事として捉える必要があります。

地方公務員の研修費と民間企業1人あたりの年間研修費用は10倍以上の差があるためこうしたオンライン学習プラットフォームをうまく活用することができれば、DXに向けた最初の一歩を踏み出せるでしょう。

■民間初のワクチンパスポートが登場

一般社団法人メディカルチェック推進機構とコロナウイルスの疫学調査・研究を行う日本のスタートアップ Icheck社 が民間初のワクチン接種証明アプリ「ワクパス」を開発。ワクチン接種記録の管理はもちろん、協賛企業(現在は数十社、H.I.S、かっぱ寿司、アパホテル等)によるユーザー特典等も提供予定です。例えば、アパホテルでは同アプリで接種証明を提示することで、宿泊時の延長料金が無料になります。

本アプリはユーザー及び企業も無料で利用可能です。

接種済証あるいは接種記録書の情報を入力し、原本を撮影。顔写真付きの本人確認書類を撮影し、プロフィール情報を入力することで利用可能。個人情報は十分なセキュリティ体制のもとに管理されます。

各日の感染者数が減少傾向にある中、早急な経済回復が課題となってきました。ワクチンを摂取していれば100%感染を防止できるわけではありませんし、引き続き徹底した感染対策は必須ですが、民間主導で経済回復を図る動きが活発化してきています。

同アプリは現在Google PlayとApp Storeの承認待ちですが、近日両アプリストアよりダウンロード可能になります。

■DNP、XR技術を活用した地域共創型観光サービスを拡大、渋谷のゲーム街歩きイベントに参画

大日本印刷(DNP)は、スクウェア・エニックス社が行う、ゲームやアニメの世界を実際の街で楽しむ周遊型イベント事業「FIELD WALK RPG」に参画。XR技術(X Reality, Extented Reality)を活用し、リアルの街や商業施設とアニメ・マンガ・ゲーム等のコンテンツを連動させて、地域の商業施設や観光スポットを周遊する動機づけとなる新たなエンターテイメント体験を提供する「地域共創型観光サービス」の開発に携わっています。

XR技術とは現実世界と仮想世界を融合することで、現実にはないものを知覚できる技術の総称であり、仮想世界を現実のように体感できるVRや現実世界に仮想世界を重ねて表示できるAR、より密接に現実世界と仮想世界をリンクさせるMR技術等が含まれます。

XR技術とアニメやゲームのストーリーを絡めることで観光資源の魅力を発信、集客に繋げられるようになる他、観光資源に重ね合わせた演出やゲーム要素を取り入れたシナリオにより、そこでしか体験を提供。既存の観光資源に対し新たな意味付けができるようになります。

一方、スクエア・エニックスはゲームコンテンツと実際の街を連動させて、街の中でゲームやアニメの世界が体感できる周遊型イベント事業「FIELD WALK RPG」を展開しており、過去には淡路島で「ドラゴンクエスト」の世界をテーマとしたフィールドRPGアトラクションを開催しています。

第一弾の企画として、スクエア・エニックスのゲームコンテンツ「新すばらしきこのせかい」を題材とした渋谷エリアの周遊型イベントを実施中です(2021年9月17日(金)~11月23日(水))


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