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循環と協調へ「欲望の資本主義」

NHK BS1の年始特番「欲望の資本主義」、これから大事になる循環と協調を実現するために、今わたしたちはどんな行動を取るべきだろうか

1.社会が目指すもの

産業革命以降、アメリカのニクソンショックにより、金本位制が幕を閉じるとともに、製造から金融へと資本は動いていった

従来、金が価値の基準だったものが、インフレターゲット2%というボンヤリとした目安に変化したことで、慢性的な供給不足(エンジニア不足などが起因)に陥ることになった。

そもそも、昨今の貧富の格差の原因とされているのは、イギリスのサッチャー元首相の経済成長を目的とする社会システムの構築と言われている。

経済学者のシュンペーターや森嶋は、こういった状況を資本主義の自然に行き着く先として見ていた。

こういった状況とは、GAFAMのような市場を牽引するイノベーターが競争社会の障害となり、社会のバランスを崩してしまうというものだ。

社会のバランスは「企業」、「政府」、「市民社会」のトライアングルで成り立っており、政府の役割は民間に投資することではなく、いかに公益を実現するかを重視すべきとケインズも語っている。

(公益とは、人が公平にモノを手に入れられるか、失業者を生まない施策など投資の社会化によって得られるもの)

2.減速時代の生き方

現代の利己主義の台頭が初めて観察されたのは17世紀のアムステルダムの波止場という。社会学者のデカルトは「皆が自分の利益だけを追求し、住宅価格が高騰している状況で、ここなら自分は気付かれず生活できる」と安堵した。

それは経済は膨張していくもので、皆必死で価格が高騰していくものを奪い合って、身の回りの大事なことを見失ってしまっているということだろうか

政府が主張する新しい資本主義というものは、わたしたちを幸せにしてくれるのだろうか。膨張から循環の経済へ、競争から協調へ、社会の仕組みの変化を待つだけではなく、自分の行動から見直していこうと思う。

森嶋は今後の日本で必要なのは、歴史を見つめ直しアジアで協調することと、移民を積極的に受け入れていくことだという。


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