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自分の経験、医療保険の必要性

保険証券を探すのだ

独身アラフィフ貧乏サラリーマンなんて人種は、概ね、お金や保険なんてもものには普段は無頓着なことが多いですが、かくいう自分もそんな一人でした。そんな自分が、不意に癌が見つかって、期せずして医療保険と関わる事になった時のお話です。なお、癌になったお話は、こちらにも記事にしておりますので、宜しければご参照ください。

癌が発覚して、手術が決まったあとに、やはり気になったのはお金の事でした。子供の頃から病院にお世話になっていましたが、幸いな事に、この年齢まで大病や大怪我といったものにはあまり縁がありませんでした。ですので、大昔に医療保険やがん保険に契約したような記憶はあるものの、どんな保険に、どれだけ加入しているのか等、きちんと把握していませんでした。

普段から整理しておけばよかった保険証券と契約

普段、年末調整くらいしか保険の事を気にしないので、まずは部屋中をひっくり返して保険証券や、定期的に送られてきていた(らしい)契約内容のお知らせのような書類を探し始めました。ほどなく証券等はみつかりましたが、中身を読んでもちんぷんかんぷんです。とりあえず加入していた保険は概ねこんな感じでした。

  • N生命社の生命保険(三大疾病特約付き)

  • A社のがん保険(がんに特化した手術入院給付)

  • A社の医療保険(一般的な手術入院給付)

  • A生命社の医療保険(一時金型)

  • M社の医療保険(一般的な手術入院給付)

契約多すぎ、、、?先に保険に無頓着と書きましたが、無頓着だからこそ、すすめられるままに契約して、こんなことになっていました。特に上の3契約は、働き始めた20代前半に、契約していたもので、保険料も契約時年齢が若かったので安く、存在自体半ば忘れて、支払いだけ続けていました。下の2契約は、癌が発覚する二年ほど前に、知り合いに勧められて、勧められるまま、あまり考えずに契約したものです。結婚してお子さんもいるような方であれば、当然、人生の節目ごとに保険を見直す機会があるのでしょうが、独身アラフィフ貧乏サラリーマンの悲しさ、こんな事態になっていました

保険契約を確認するのだ

まずは、保険各社のコールセンターに問い合わせをしました。手間はかかったものの、予定していた手術や入院に関しては、支払われる保険金でとりあえずまかなえそうでした。ご存じの方も多いと思いますが、日本では健康保険に加入していれば、高額療養費制度という仕組みで、仮に手術に実費相当で100万円の費用がかかっても月当たり支払いは(収入による違いはありますが)一般的に10万円未満程度に抑えられます。そういった仕組みの上に、個人で契約した医療保険で、手術や入院に対する保険金支払いがあるので、変な話ですが手術と入院費用の収支はプラスになる計算でした。ほっ。

よかった、ちょっと安心した

加えて驚いたのが、三大疾病特約や一時金型保険による、かなりまとまった保険金の支払いの対象にもなった事でした。これらは癌(ただし、自分の契約では悪性の場合のみ)に罹患した事で支払いが発生するタイプの契約だったのですが、契約によって100万円を超える金額の支払いのものもありました。この時点では手術前なので、支払いの対象になるのかは不明(手術で切り取った腫瘍を検査して、悪性と確定診断されないと支払われない)でしたが、癌の宣告をうけて、手術が必要というネガティブな精神状態に、悪性だったら保険金がおりるという、おかしなモチベーションが、手術に対する気持ちを少しだけでも前向き(?)にさせてくれたのも事実です。

もちろん、これらの一時金は、単に保険金が貰えるというだけでなく、手術後の生活への不安が少し軽減したのも助かりました。実際、この時点では、手術後に自分の生活がどう変わるのか(仕事を続けられるのか、どんな治療が継続的に必要なのか)まったくわからなかった為、多少まとまったお金が入るかもというのは、将来に対する不安を若干でも和らげる材料になったと思います。

医療保険、不要論と必要論

ネットを眺めていると、いわゆる(医療)保険不要論のような意見があるようです。高額療養費制度を前提にして、日本人であれば医療保険による過度な医療費の備えは不要、保険料を貯蓄や投資にまわしたほうが良いという意見です。これはある意味、正論だと思います。実際、自分の場合も手術とそれに必要だった入院の費用は、医療保険の保険金がなくても、少ない貯蓄からでも賄うことはできたと思います。

ただし、それと同時に思うのは、大きな病気にかかり、精神的にもきつい状態で、自分の貯金残高と必要な医療費をにらめっこして計算するのは正直避けたいなぁという気持ちです。

残高とにらめっこ、なんてしたくないなぁ

医療保険に加入せず、保険料相当を貯金した場合、保険金支払いの対象になるような病気にならなければ、まるまる貯金が残るわけで、ある意味、大正解なのはわかるのですが、もし、大病を患った時に、医療費だけでなく、働けなくなったり、働けるけど収入が減少するような場合、自分の貯金だけに頼って、日々、必要な医療費や収入減少分を貯金から充当し続けるというのは、日々の精神的な負担も軽くなさそうだと思うのです。

保険には博打という側面もあります。医療保険を契約して、もし大病するようなことがあれば、ありがたい、助かったと思うでしょうし、病気に縁がないなら、払い損だったと思うでしょう。そのどちらも間違いではないと思うのです。

ただ、病気を経験して、保険にお世話になった自分は、大病したときに、頼れる何かがある事で、治療に向き合うことに少しでも集中できるという心理的なメリットも保険契約を考えるにあたって考慮しても良いのではないかと思うのです。また、貯金はいつでも始められますが、医療保険は健康なうちにしか始められません。いざ、大病を患ってしまえば、医療保険への加入は難しくなってしまいます。悩んでいる方がいれば、そういう事も忘れずに考えて欲しいと思うのです。


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