ショート^2:冷やし中華
アスファルトに反射する真夏の日差しと、自動車の騒音をも掻き消す蝉達の合唱がこれでもかと真夏を演出する。さっき駅前のディスプレイ公告には12時現在の気温が38度とあったが、体感はとっくに40度を超えている。
「あった、、、。」
汗だくで足を止めたのは、なんてことはない街の中華料理屋の店先だ。紫外線で色が抜け落ちた食品サンプルのチャーハンとラーメンが入ったガラスケースには、生ビール600円の張り紙がべたべたと張られている。一杯引っかけていきたいが、このあと客先で重要な商談なの