NHKにようこそ!と若者特有の漠然とした不安ー22歳記念

N・H・Kにようこそ!を完走したので、感想を殴り書きしていきます。※ネタバレ注意

まず、そんなに鬱々とした内容ではなくて拍子抜けしちゃいましたね。モラトリアム丸出しみたいな、ザ・若者って感じのお話です。
というのも、何かにつまずく度に自殺オフ会や生きてる意味を問うシーンがたくさんあるんですが、特に主人公の佐藤達弘は本当に死にたいとは思っていません
それで、この感覚って、昔からある「自分は30歳までに死ぬんだ」「ロッカーたちは27歳で死ぬ(27クラブ)」といった言説や近年ではツイッター上で大喜利にされてる、「何となく30歳位には死ぬと思ってた。」という台詞にとても似ていると思います。

本気で死にたい訳じゃないけど、将来の見通しが立たず日常が苦痛になってくる…これってやっぱり20代前半の若者特有の感覚なんだろうなと思っていて、だから悪いとかいう話ではなく、そういう時期なんだなぁと、N・H・Kにようこそ!を通して実感が湧きました。

あとはたぶん意図的だと思うんですが日常的な飲酒喫煙シーンが多いですね。全体を通して「まだ若い」というメッセージがそこかしこに散りばめられています。

次にキャラについて。もうね、20話から山崎がいい奴すぎます。実は完走する前にツイッターで「NHKにようこそ!は中原岬じゃなくて山崎が救い出してる」というネタバレが流れてきてしまったのですが、完走後になって私もほんとうにそう思いますね。前半はなんかすぐキレるし女と上手く関われなくてハラハラするしで怖いキャラだと思ってましたが、頼りになるのはもちろん、彼は精神的に強いところが魅力的かな。実家の重責があったにもかかわらず覚悟を持って行動するなんて、この作品の中では一番大人ですし、引きこもりの佐藤達弘までも支えていました。たぶんキレやすいのはあらゆることに熱意があるんでしょう。

あとは(中原)岬ちゃん。あの家庭環境で本物のメンヘラ化しないのはあまりにも現実的じゃなくて、ビビり散らかしてしまいました。もっと助けを求めていいんだよ、と画面に向かって言いたくなってしまうキャラです。お洒落ができないという設定であのラグランTシャツらしいですが、何を着ていても可愛いです。

最終回ですが、私は少女漫画脳なので岬ちゃんをもっと真正面から受け止めてあげるエンドが良かったです。そして、佐藤達弘の周囲がみんな成功しているのも不自然ですが、何が起こるか分からない20代前半を大切にしろというメッセージにも受け取れました。みなさんも20代前半のうちに観ることをおすすめします。

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