「30過ぎると楽になる」について

10代の頃から繰り返し見聞きしてきた「30過ぎると楽になる」という言葉。果たして30過ぎた私はどう感じているかを書いてみようと思う。

一言で言うなら、「確かに楽になってきてる」。

自分の身の丈・持ち分がはっきりして(&見えて)きて、取り扱うべき範囲に集中しやすくなったかな。

予想外は起きるし不安定な時勢もあり「先を見通すことができる」とは言えないけど、少なくとも自分自身や進むべき方向について、以前よりよっぽどよくわかる。

人やものとの心地良い距離感。人生において絶対にしたいこと、したくないこと。水を得た魚になれること、どうしたって不得意なこと。自分に出来そうなこと、力を注ぐ価値を感じないこと。

成熟し切ってはいないけど、分別を付ける力は大分付いたからこそ、自分にとって真に必要なことを見極め、必要でないことはナチュラルに淘汰できるようになってきた。体力には衰えを感じつつもまだ十分にある。

ここ数年周りの人達に「ホント落ち着いたね」とよく言われる。20代半ばまでそんなに落ち着いてなかったんだね？とちょっと笑えるけど、無理もないよな〜とも考える。

年齢も年齢だし、小学生の頃から家庭こそが一番の戦場で、常に死と隣り合わせで放浪していたようなものだったから。実家を出てからも、人生をマイナスから建て直すのに多大な時間と労力、行動を要した。

そして11年前私が見つけた心の拠り所が、イエスキリスト。

現在はその居場所を拠点に、日々植物と猫の側でデザイン等のもの作りをし、休憩にお昼寝か日向ぼっこ。現地語のドイツ語はマイペースに学びつつ、文学と映像の世界を楽しみ、日曜日は礼拝、余暇には旅行や自然散策。時折映像作品やCF撮影に参加することで新しい風を受けている。

そして様々思考したことをこうして書く。

殆どはまんま幼少時代から好きでしていたこと。大人になっても根っこにある趣味趣向は変わってないし、寧ろずっと"あの頃の自分に戻れるような時間"をひたすらに求め行動し生きてきたことに気付く。確かに祈りに応えてくれた神様に感謝する。

30過ぎたって人生継続的な忍耐が必要な場面は必ずあるし、その中で問題や試練も起きてきて、時にはウワー‼︎なんてレベルのものもある。わたしゃしょっちゅう泣いてるし、瞬間的には今すぐお迎えお願いします...と思うことも結構な頻度であるよ。

でも昔よりは経験と知恵がある・さじ加減を知っている・試練を乗り越えながら生きる意義や価値を見出せている・必要な時には助けを求められるようになった・自分の決断を生きていく覚悟が決まった等ということも、生きるのが楽になった理由の内にあると思う。

30代は人間の生態や世の中の仕組み的にも、自分の個性や願いに見合った新しい居場所や生き方を確立する人が多くなりやすいのは、真実だろう。それをプレッシャーに感じる必要もないことはいつも念頭に置いておきたいものだけど。

「何はともあれ30年以上生きてきた」という事実に、自信が持ててくる時期でもある。特有の悩みもありつつ、ある種の開き直りもある。世間でも本当の意味で一人の大人として認められるのは、結局現代では30過ぎてからなんじゃ？と私は肌で感じてる。

それから昔よりずっと、「渦中は大変でも意外な展開があるからこそ面白いし、経験が増すにつれて語り合える人々・内容も増えて、楽しい。」等と思える、心の余裕、しなやかさがある。

だから30過ぎると、例え全て思い通りの人生を歩めている訳ではなくとも、それまでより楽に感じる。というのはある程度本当なのだろうな。

ただ一括りにする気はないとも記しておきたい。人によって人生の波、見方、感じ方は全く違う。何年生きようと、その人にしかわからないことが山ほどある。祈る人なら、祈りの答えをもらえるタイミングだって、神様はその人にとってベストな時にするだろう。

10代は何も考えなくて良かった〜と聞くこともあるし、30代が一番辛いよという人も居れば、50代60代に花開く人も当然に居るはずだ。30歳で楽になったと感じても、人生先は長い。この先も想像を越えるような様々な時期を通ると思う。

だからという訳ではないけど、うまくいってる時には昂らず謙り、うまくいかない時にも失望せず希望を持って、安定した自分の在り方を大切に大切に築き保っていたい。

個人的に30代は、使命を果たしながらコツコツ・淡々・我を忘れる程の没頭が理想。敬愛している周りの人生の先輩たちは、良い時悪い時どんな時にも祈りと感謝と謙遜、慈愛に溢れてるから、そういった生き方もお手本にさせて頂きながら。

30代を過ごすことに思い入れがあったし今もあるので、この先も楽しみ。経験・成長を重ねた先にどんな景色が待ってるんだろう。

"脇目を振らず、走れよ仔馬"！