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起伏を求めてスコットランドへ:イギリス最高峰ベンネビス/Ben Nevis(1345M)登山からのプチ縦走

6月も山を求めてスコットランドに行ったが、となれば英国最高峰のベンネビスも登っておこうと思って7月半ば、日も長い頃に登りに向かった。前回のスコットランド山行はこちら。

こちらはベンネビス山頂以降のプチ縦走区間

1,起点となるはフォートウィリアム

ベンネビス登山の登山基地はフォートウィリアムというスコットランド北西部にある街である。大きな街ではないが、このエリアでは比較的大きく最低限の都市機能はコンパクトにまとまっている。ベンネビスをはじめとした登山客で特に夏の間はにぎわうらしく、帰りのグラスゴーへのバスで途中まで一緒になった地元の女性は、来るなら9月か10月がベストよ!と力説していた。

いずれにしてもサマータイムが終わるまでに行ったほうが登山などの日中の行動時間確保の点からはよいだろう。ロンドンからはEuston駅からのカレドニアンスリーパーという夜行寝台列車で行くのが一番楽だと思うが、やや値段が高い(座席なら高くないが寝台は高い。でも寝台列車の体験と1泊ホテルが浮くことを考えたらありかも)のと、予約が取りにくい(早くからチェックすべし)こともあり、今回はハイランド地方へ行く際に個人的によく使っているBAでInvernessまで飛んで、夜に安いドミトリーで1泊して朝から移動するというパターンでいくことにした。いつもの宿に泊まり、朝8時過ぎにInvernessのコーチ(長距離バス)乗り場に向かう。

バス乗り場前にはカフェや売店もあり、そこの卵サンドが日本の卵サンドみたいな素朴さでおいしかった。8時過ぎにバスは出発、あいにくの曇りだがしばらくネッシーで有名なネス湖に沿って地峡を進んでいく。2時間半弱でフォートウィリアムに着くので、予約していた宿に近いところで下車する。こちらも同じく安いドミトリーを予約していたので、荷物だけ先に置いて、山に向かうことに。

フォートウイリアムの目抜通り
曇天のネス湖

2,いざ登頂

途中の土産物屋さん兼カフェでスープとパンを食べて少し行動食を追加。11時頃に再び軽くジョギングで再開。ビジターセンターまで2,3kmほどだが、ゆるゆると走っていくことにした。

Fort Williamの街から登山口まで

舗装路の歩道をゆるゆる走り、20分ほどでビジターセンターに着いた。7月の土曜日ということもあってなかなかにぎわっている。

ビジターセンター

ビジターセンターの中には入らなかったが、地図などもあるので改めてイメージをする。橋を渡って、農道のようなところを少し進み山に向けて登っていく。

さすがによく整備されているのと歩いている人も多く、渋滞しているような感じではないが、常に人は途切れない感じ。絶対に迷うことはないし、危険な個所も山頂まではない。


ネットで調べてでてくるのはビジターセンターからの往復ピストンで7-8h(登り4h、下り3h+α)と書かれてはいるが、富士山しかりいろいろなレベルの人が登る山なので、なかなか参考になる情報は難しい気がする。途中からは植生もほぼなく、ひたすら石の道を登っていく。英国最高峰というだけあってチャレンジの対象となっているのであろう、チャリティイベントのTシャツなどを着た団体や仮装して音楽を流しながら進む着ぐるみの団体など、本当にいろんな人が登っている。

着ぐるみ
よく整備されている。排水もしっかりしていたのでドロドロになることは少なそう

人が多いのでトレランみたく登っていくことはできないが、抜けるところは早歩きで抜きながら進んでVisiter Centerから2時間ちょっとの13:30ごろに山頂に着いた。雨ではないもののあいにくの雲の中の天気ではあるが、山頂は人でにぎわっている。富士山のような山小屋などは途中・山頂にもなく、水場もないので、登る場合は水分などはしっかりもっていく必要がある。山頂は1345M。

英国最高峰ベンネビスの山頂(たまたま晴れたタイミング)

3,高度感のある稜線へプチ縦走、Carn Mor Dearg 1220Mほか


山頂からはピストンでそのまま帰っていくパターンが一般的なようだが、登山情報などを調べていると、そのまま谷をまいていくつか別のピークがある稜線から下山もできるようで、天気ももちそうだったので、そちらに行くことにした。ピークの方から来た道を背に少し進んでいき下におりていくのだが、ピークより先はほとんど人がいない。たまに登ってくるであろう人とすれ違う程度。最初下に降りていくポイントがわからず少し行き過ぎて迷ったが、修正。

かなり急


本来のトレイルも岩なのと霧や雲もあって分かりにくいが、登ってくる人がいるのでわかった。ただここがかなり急でしかもややガレているので、慎重に行く必要がある。かなり急なので登りは大変そうでみんなはぁはぁいいながら休み休み登っていく。高度感もなかなかあり、進む方向の山も急峻な感じ、周りの風景も相まってとても1200Mやそこらの山とは思えないが、これもスコットランドと比べれば森林限界の随分高い日本の山に慣れたからそう感じるのだろう。


慎重に下山して、そこからはピークに向かって稜線を進んでいく、すべての方向に景色がよく写真を撮りつつ休みながらいったこともあり2時間半ほどかかったが、とりあえずCarn Mor Dearg(1220m)山頂に16時過ぎに着く。

高度感がある
谷には一軒登山クラブの小屋がある

山名表示などはないが、石が積み上げられている。

そこからもう一つCarn Dearg Meadhonach(1180m)のピークを踏み、どんどん進んで下山路に入るが、振り返るとベンネビスがカッコよく見えてよい。

下山路
振り返りベンネビスの荒々しい岩肌

山頂まではよく整備されていたし、稜線部分も岩場だったので大丈夫だったのだが、下りの途中からはスコットランドらしいドロドロBoggyな感じで靴が汚れたり、どこを歩こうか苦労する。

とってもスコットランド
最後はドロドロ結局

おりきって、他のルートとの合流をしてからは林道みたいな感じで舗装されている中を降りていくのでドロドロはなかった。舗装路などを下って走りながら、18時半ごろにフォートウィリアムの街中のスーパーに戻ってきた。

下山して振り返ってみるベンネビスかっこいい
帰りの林道


ということで、時系列ざっくりまとめ。

8時 インバネス出発(バス)
11時 フォートウィリアム出発
11時20分ビジターセンター
13時30分 ベンネビス山頂
16時10分 Carn Mor Dearg山頂
18時30分 フォートウィリアム帰還
なんだかんだ22km、+1800m



食べ物や水分を調達する場所は途中にないので、荷物はしっかりもっていくほうが良い。あとスコットランドの山はどこもそうだが、急に寒くなったりするので夏でも雨具などの用意はすべきである。今回は25LのSalmonの大きめザックに行動食、雨具、ランプなどを色々詰めていった。ビジターセンターまでのジョギングは半そでシャツだったが、登りの途中からは風が強くなったこともあって薄手の雨具を着込んで結局それを着込んだまま進んだ。英国最高峰ということで登山客も山頂までは多いのだが、この稜線側はあまり人がおらず、静かで雄大なスコットランドらしい山を楽しめたが、やや距離が長いのでトレランやULスタイルでない場合は、朝早くから出発したり日の長い夏場を狙っていくほうがいいかもしれない。トレランでも山頂までは土日は人が多いので、あまり走れない想定で計画を組むほうがよさそう。

その他欧州山歩き記事も書いています。

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