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【読書感想文】プロフェッショナル経営参謀
私たちは経営というと自分と関係ない世界の人たちのように感じますが、実は日本だけでも275万人もいると言われ※、50人に1人は経営者ということがわわります。
もちろん企業のサイズにもよるとは思いますが、大きな会社では複数の経営者とそれを支える人たちがいます。それが経営参謀です。
私は大きな企業の経営者とも経営参謀とも無縁の存在ですが、経営の現場ではどんな仕事をしているのかと興味があり、プロフェッショナル経営参謀という本を読んでみました。
ただ読み進めていくとこれはただの経営参謀の話ではなく、上司に話を通すためのビジネステクニックとも理解することができたんですね。
会社のトップは経営者ですが、職場のトップは管理職や上司(ボス)です。自分の活動に対する決裁権を持っていれば、経営者でなくともそれに類する存在ととらえても良いでしょう。
今回はそんな誰もが悩む上司との付き合い方としても、使える本を紹介していこうと思います。
ロジックだけではダメ
社会人になるとすぐに大人たちはロジック、ロジック…と口をそろえて論理的であることを強調します。研究の世界では論理的な流れは当たり前なので、そんなに強調されても…と思うのですが、それぐらいビジネスパーソンと呼ばれる人たちはロジックが大好きです。
そうはいってもロジックだけでは人は動きませんよね。
どんなに賢い人であっても、他人の意見をロジックですぐに跳ね返し、自分の論理性を振りかざして意見を通す人は周りから嫌わてしまいます。勉強はできるかもしれませんが、本当の意味で賢い人とは呼べないかもしれません。
経営参謀に重要な能力はロジカルシンキングだけではなく、経営層に気づきを与えることができることだと本書では述べられています。潜在的な関心や懸念や議論の先にあるトレードオフの関係といった答えの出せない問題に立ち向かうことができて初めて経営参謀として生きていけるといいます。
これは経営参謀といったすごい仕事でなくても同じだと感じました。上司に提案するときも、上司が気づいていない課題や論点を表に挙げることが重要ですよね。
実務をやってるのは下っ端の私たちです。実務視点からしか見えてこない潜在的な課題に対して、解決の糸口を提示できてこそ、プロの下っ端と呼べるのかもしれません。
自分が社長だったらと考える
本書では、「圧倒的な当事者意識を持つことが、意思決定の質を高める」と書かれています。
経営参謀は経営者でないため、経営者のために情報を集めたり、方向性を指し示したりと経営を助ける仕事をするわけですが、ときに理解できないような経営者の判断に右往左往してしまうようです。
こんな時は、自分がその会社の経営者だったらどうだろうと考えてみると、意外と経営者の謎の行動を理解できるかもしれません。自分が提示した情報や方向性だけではどうしても決められないことがあるかもしれないということです。
これは経営者と経営参謀の関係でなくても同様だと感じます。
上司から与えられた仕事に対して、「上司の仕事を手伝ってやってるんだ!」という考え方もできますが、「これは自分の仕事だ!」と思えるか否かで仕事の質が変わります。
やらされ仕事をするときはどうしても前者の考え方をしてしまいがちですが、いかに後者の自分事としてとらえるかができるかで、できる人とできない人を分けるのかもしれません。
私はまだまだ他人事のように思ってしまうことも多いので、改めないといけないな~とつくづく感じました。
「自分は何を知りたくて聞いているのか」が伝わる質問をする
目的もなく会議を開いている人はいませんか?
人との関わりが多い業種だと朝から晩までほぼ会議みたいな日を経験したことがある人も少なくはないでしょう。
しかし、そんな場面で「この会議なんのためにやってるの?」という会議も結構あると思います。実際、私も経験があります。
会議をするということは、情報を共有したい、議論がしたい、決定を下したい、などの目的があるはずです。
会議を開催するときは目的の得たいものをあらかじめ用意して、それが得られるように働きかける必要があります。普段意識していない耳が痛い話ですが、まさにその通りだと思います。
きちんと会議の目的を用意していれば、この会議なんのためにやってるの?いう疑問は湧きませんよね。そうはいっても、どうやったら目的の得たいもの得られるのでしょうか。
ここで大事になってくるのが自分の意図が伝わる聞き方をしているかです。
たまに会議でもこの人は何が知りたくてこの発言をしてるの?と思う人いますよね。自分の知識不足という可能性も否めませんが、発言している側にも問題があるのかもしれません。
ましてや自分が質問した時に、何が聞きたいの?と聞き返される場合は、要注意です。このとき、相手にはあなたの意図が伝わっていないということになります。
自分が何を知りたいのか(目的の得たいもの)をはっきりとさせて、それが相手から引き出せるように質問をすることで、会議を有意義なものにすることができます。そのためにはあらかじめ目的の得たいものを用意して、会議をデザインしていかなければなりません。
さて、それではどのように会議をデザインしていけば良いのでしょうか?そもそも会議をデザインするってどういうことでしょうか?次回はプロの経営参謀がいかに会議を進めているのか具体的なお話を紹介していきます。
最後に
今回はプロフェッショナル経営参謀から、経営参謀でなくても使える仕事の意識について紹介しました。認識1つで物事の見え方は変わってきます。
自分は経営参謀じゃないから関係ないよな~と思うのではなく、自分にとってのコミュニケーション相手は上司だから、そこに経営参謀マインドをぶつけたらどうなるのかと考えてみるとまた一つ新しい可能性が開けるかもしれませんよね。
次回はもう少しテクニカルなパートである会議のデザインについて紹介したいと思います。経営者でなくても使える技がいくつかありますので一緒に見ていきましょう。
※2019年度の経営者数
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