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【読書感想文】プロフェッショナル経営参謀 会議のデザイン編

前回に引き続きプロフェッショナル経営参謀から、経営参謀でなくても使えるビジネステクニックを紹介していきたいと思います。

今回は特に会議をデザインするという一見聞きなれないテーマについて見ていきます。デザインというと絵を描いたり、設計したりといったことを思い浮かべるかもしれませんが、会議自体も構造がありデザインすることが可能です。

いきなり言われると会議の構造?デザイン?と思いますよね。
今回はここを深堀していきます。それでは一緒に見ていきましょう。

意思決定のプロセスを組み立てる

経営者と聞くと私たちからしたら遥か上を行く超優秀な人たちと思いがちです。たしかに優秀なんでしょうが、本書によると「経営層も何をどのレベルで議論すれば良いかわからず、課題と論点を明らかにしたいと思っている」そうです。

簡単に答えを出せなくなったVUCAと呼ばれる時代においては、いくら優秀であっても限界はあるようですね。

そんな中、経営参謀はそもそも何を解決すべきなのか?という問いをあらかじめ予想して、その問いに答えるための材料や機会を準備します。
ここで重要になってくることは、ただ経営層に情報提供をすれば良いわけではなく、正しく議論を導くためのプロセスを組み立てていく必要があるということです。

経営者は決断を下すことが大きなお仕事の1つです。経営参謀はそんな経営層の人たちが明確な意図を持った意思決定プロセスを経て、決断を下せるようお手伝いしなければならないのです。

この意思決定プロセスを組み立てるというのが、会議をデザインすることにつながります。

ディシジョンツリーを作ろう

ディシジョンツリーとは決定木とも呼ばれ意思決定を進めるための重要な情報の構造と言えるでしょう。最近ではAIの分析手法の一つとしても名前が有名になっているかと思います

これがいったい何の役に立つのでしょうか。

このディシジョンツリー(決定木)はまさに経営層が物事の意思決定をする際に必要とする道筋となります。

ディシジョンツリーの始まりには必ず前提があります。どんな相手であってもどこまでの前提を認めるかによって話は変わってきますよね。

前提が決まったら、そこから問いがつながり、仮説が生まれます。経営者に論点をぶつけて、方針1で行こうか、はたまた方針2で行こうか、と意思決定を仰ぎます。場合によっては前提まで話が戻ってしまうことあるかもしれませんが、その際には用意しておいた別の論点をぶつけます。

このように経営者にディシジョンツリーを進んでもらって最終的なアクションの意思決定までたどり着きます。

このように議論の流れ、あり得る意思決定のシナリオを描きながら、どういう手順で論点をぶつけて、意思決定を積み重ねてアクションにつなげていくかが経営参謀のお仕事になるわけです。

そしてこのときに経営参謀は適切な論点やシナリオを設定し、会議の中で意思決定を進めていく構造(ディシジョンツリー)を作っていくことになります。

  • 論点の設定:何を意思決定するのか

  • シナリオ設定:そのためには何を明らかにしなければならないのか

  • タスク設定:それに向けて作業することは何か?

議論が行き詰まったら、何を明らかにしなければ意思決定に向けて議論が前に進まないのかを考え、つぶすべき論点を提示していきます。

まさに会議自体をデザイン(設計)することで、意思決定プロセスを構造化して最終的なアクションという成果物(目的)を達成するわけですね。

言葉で書くだけだとなんだそんなことか思う人もいるかもしれません。しかし、これはかなり経験とスキルがないといけないのは確かです。また会議の中で経営者の機微を正確にとらえて、デザインしていかなければならないのです。

そこらの一般社員が真似できるようなことではないように感じました。しかし、相手が経営者出なかったら、意思決定プロセスが2つぐらいの論点で決着するレベルであればどうでしょうか。

要は自分の仕事に置き換えて、自分では難しい判断を上司に仰ぎたいと思う場合は、経営参謀が抱えるほどの複雑さがないように思えます。経営参謀は事業レベルの決定に向けて動きますが、私たち一般人はせいぜいちょっとお高い決裁を取りたいぐらいではないでしょうか。

その場合、この本で学んだように、上司にとってどんな論点をつぶせばOKと言えるのか、という点に注力して判断材料を用意することで事足ります。ただ、このレベルのことでも意外と難しくて手こずることはありますよね。

そんな時は、前回の記事で紹介した「自分が当事者になった気持ちで考える」が使えると思います。自分が上司だったら何を気にするだろうか?どんな判断材料があったら大丈夫と言えるだろうかと考えて、用意するといいかもしれませんね。私自身まだまだなところなので今後も日々勉強といった感じでしょうか。

詳細な論点の用意の仕方やプロセスの組み方は本にたくさん書かれているので是非そちらを参考にしてくださいね。

最後に

今回は経営参謀だけでなく誰もが使えるビジネステクニックを紹介したプロフェッショナル経営参謀という本に関して書いてみました。

普段あまり意識しないこともあったかもしれませんが、一つ一つの行動(ここでは主にコミュニケーション)を意識的に行うことで仕事の質が一気に上がるような気がします。

もちろん、どれも自然体でできるようになるにはそれ相応の訓練が必要と思われますが、日々の積み重ねの中で獲得していきたいものですね。

ビジネステクニックばかり追い求めても実力が見合ってないとどうしようもないですが、それでも知っていて得することはあるはずです。私はまだまだ若手枠から抜けれない社会人ですが、日々工場の荒波にもまれながら仕事をしています。

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