【スパイスの科学】カレーからスイーツまでさまざまな料理に利用されるクローブとは
みなさんはクローブというスパイスをご存知ですか?
私はカレーをスパイスから作るときに初めて知りましたが、あんまり有名なスパイスではないですよね。
まずはクローブの簡単に簡単にしましょう。
クローブとは
スパイス諸島と呼ばれるインドネシアのモルッカ諸島の原産のスパイスで、肉料理やカレーなどの煮込み料理に使われています。
植物としてはこんな感じで、つぼみの色が変わる前に収穫して十分に乾燥させて使います。
料理では挽く前のホールの状態やパウダーになったものが売られていますね。
実はこのクローブというスパイスはずいぶん昔から私たち人類の生活に使われていたようです。中国の漢王朝では皇帝に会う前に口臭に使用され、その後ローマ帝国ではお香や香水として利用されていました。
後にクローブはヨーロッパで料理用スパイスとして広がり、時を経て私たちの生活にも取り入れられます。
クローブらしさはオイゲノール
クローブにはオイゲノールと呼ばれる化学物質が多く含まれます。スパイスの中でもオイゲノールの含有量が最も多く、強い香りが際立ちます。
私も知りませんでしたが、甘くておいしい桃もオイゲノールを多く含むらしく、桃とクローブの相性も良いらしいですね。桃と少量のクローブ、シナモンやショウガを合わせて砂糖煮にするとおいしいみたいです。
このオイゲノールは水には溶けにくく、油脂やアルコールに良く溶ける性質があることから、料理の際には油と一緒に使うか、料理の初めに入れてじっくりと抽出するのが良いです。
スパイスに含まれる重要な科学物質と、その性質に依存する抽出方法というのは料理をより楽しくしてくれますよね。料理と科学は密接に関わるということをちょっとでも感じてもらえればうれしいです。
また、他のスパイスにも共通するようにホールの状態ではその香りが長いこと持ちますがパウダー状にすると風味を失いやすくなるので注意が必要です。そういえば自宅のクローブは1年ぐらい前に購入しましたが、パウダーでした…
そして、このクローブにあう食材や料理は桃だけではありません。
冒頭にも紹介したように、肉料理には匂い消しとして使うことができ、他にもトマト料理やホットドリングなんかにも使われます。
例えば、クローブやシナモンを赤ワインに混ぜてゆっくり熱して作るホットワインなども有名ですね。
クローブの応用
さてクローブの主な特徴と使用法がわかったところで、簡単にその他の応用例も見ていきましょう。
昔は口臭ケアに使われたり、吐き気や消化不良、炎症の治療などにも使われたりと多くの利用がされてきました。
またクローブは防腐効果もあるため、ピクルスなんかにも添加されていたそうです。ただし、一般的な料理への利用にしてもクローブは香りが強いスパイスであるため、入れすぎないようにすることが重要です。
最後に
今回はあまり聞きなれないけど、実はいろんなところで使われているクローブについて紹介しました。
私自身もっとスパイスを科学的に学んで上手に使っていけたらなと思います。
やはり香りを出すためにも適切な抽出方法を試していくのが重要なんでしょうかね。
これから使うときは料理に入れるタイミングを考えていきたいものですね。
参考文献
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