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攻撃への4つの対処法

このコラムでは、攻撃への対処法をストレス・コーピング(ストレス対処法)の知識から説明しています。前回、攻撃とは何かについて定義しました。何が攻撃かを判別できるだけでなく、攻撃されたときにどのような対処法を取れるのかが分かれば、よりリスクは下がるでしょう。

(読了時間:約3分)

攻撃への対処法

攻撃への対処法は4つあります。その内2つは、闘争か逃走反応(fight-or-flight response)で説明される、戦うか逃げるかです。

逃走する(逃げる):Flight(フライト)
 自分の身近に脅威となる存在がいるとき、戦うか逃げるかの選択肢がどちらも選べるなら、戦うよりも逃げる方を選びます。なぜなら、人は基本的に弱い生き物だからです。猛獣に襲われたときは、戦うよりも逃げた方が身体が傷つくことを防げます。

闘争する(戦う):Fight(ファイト)
 もしも逃げることができない場合、人は戦うという選択肢を選びます。戦うことは、相手を傷つけ退けられるチャンスだけでなく、自分が傷つき倒されてしまうリスクも孕(はら)んでいます。

もしも戦う必要があるなら、その目的(勝利条件)や引き際を明確にした方がいいです。なぜなら相手を打ち倒すよりも退(しりぞ)けるだけの方が戦いにかけるコストやリスクが少なくて済むからです。

それだけでなく、自分により有利な状況を作る必要があります。仲間となる人数を増やしたり、覆しがたい強みを持ったり、自分の土俵に引きずり込んだりするとよいでしょう。


これら加えて、この闘争か逃走か反応には、もう1つのパターンがあります。

凍結する:Freeze(フリーズ)
 逃げることも戦うこともできなくなった場合、人は身をすくませ、体を硬直させ、凍りつきます。あるいは虚脱、つまり体に力が入らず動けない状態になります。避けようのない脅威に対して、生体は機能を停止してエネルギーの消耗を抑えて、自らを守ろうとします。これは脅威に対する自己効力感を失った、逃避不能ショックを受けている状態です。逃避不能ショックはトラウマとも呼ばれています。


これら3つに加えて、Fのつかない、逃げないけれども戦わない方法があります。

社会的関与:Social Engagement
 社会的関与は、自分の仲間や近くにいる人に助けを求めたり、攻撃者と話し合ったりすることです。自分で対処できないならば誰かに任せればいい。攻撃する理由を攻撃する以外の方法で解消すれば、脅威は避けられるのです。

これら4つの対処法は、「社会的関与(助けを求める)→逃げる→戦う→凍りつく」の順で進んでいきます。つまり助けを求められなければ逃げる、逃げられなければ戦う……となります。

まとめ

攻撃への対処法は、4つあります。①から④の順で進んでいきます。

①社会的関与(助けを求める、話し合う)
②逃走する(逃げる)
③闘争する(戦う)
④凍結あるいは虚脱する

おわりに

ストレス・コーピングの知識については、とてもオススメの書籍があります。

この本は、ストレスだけではなく様々なトラウマの解決法について書かれています。約4000円で680頁ある、分厚くてお高い書籍ですが、内容はピカイチです。これを読めば、大抵のトラウマに関する内容を網羅でき、それらに書いていない内容も知ることができます。今回述べた「社会的関与」は、この本で初めて知りました。

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