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UN GRAND PAS

土脈潤起

2月。春のような天気の後で、雪が降ったり、凍てついた風が強く吹いたり。複数の工事、事務的な仕事が机の上でがちゃがちゃしていて気が滅入る日が続いています。

ノルアドレナリンが多くてセロトニンが足りていないような、もう少しエンドルフィンがあっても良いような…。気分が不安定な時はこんなふうに脳内物質のことを考えたりします。客観的になれるので良いです。

チョコレートを食べるとリラックスするというのは、科学的に立証されているのですが、ちょっと複合的です。

カカオに含まれるテオブロミン(語源は"神様の食べ物"という意味のテオブロマ。カカオを指します)は、例えば、ストレスがかかると分泌されるノルアドレナリンによる脳内の緊張を和らげるセロトニンの生成を促します。

同じようにカカオにはトリプトファン(アミノ酸)も豊富に含まれているそうなのですが、これは、日中はセロトニン、夜間は睡眠を促すメラトニンの原料になるそうです(私はよく夜中にチョコを食べながら寝落ちします)。

さらにポリフェノールの一種であるフラボノイドは血圧を下げるので身体をリラックスさせ、甘味に反応するβエンドルフィンは高揚感をもたらし…云々。
ところでエンドルフィンはセロトニンを阻害する物質なのですけれど、ハイカカオの「甘味」はそれほどでもない、というか同時にやってくるこの「苦味」というのが特殊で、これは長い歴史の中で人類が生き延びる過程や、個人の経験の中で得てきた「毒かと思ったら薬だった…フフフ…」という記憶から快感を呼び起こすのだとも言われています。だから耐性に個人差があります。

こんなふうに、複数の快感とリラックス物質と、チョコレートを食べるとちょっと複雑なことが起きているのですが、ゆっくり味わう過程でたまに今身体の中で何が起こっているのかを探ってみるのも楽しいかと思います。

さて、今日いただくのは、埼玉の名店UN GRAND PASのチョコレートタブレット。フランボワーズとピスタチオのそれぞれミルクとダークが4枚入った食べ比べの楽しいセットです。
こちらは(たぶん)高島屋のバレンタイン限定ページで注文しました。特別感のある箱もかわいい。

何でこんな脳内戦勢について考えた(書こうと思った)のかというと、この食べ比べのコントラストがそうさせたのでした。甘味、といっても砂糖とミルクで違う、苦味はカカオと果実、渋味もあるけれどそれが全体を引き締める、そして割るときの感触、口の中での食感、口溶け、香り…クラフトチョコレートのシンプルな味わいとは違う、構築された美味しさです。

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FILM

「群馬にいるのも3月までとなりました。結婚する彼を招いてのパーティーを…」
「転職するので群馬にいるのも3月までとなりました。」
「夫の仕事の都合で引っ越すことになりました。」

数年前、仕事もハードで、人間関係もうまく行かなくなって、毎晩飲み歩いては心も身体も擦り減らしながら、そういう痛みでしか生きている感覚がなかった時期に仲の良かった友人たちから群馬を離れると立て続けに連絡がありました。
食を娯楽として一緒に楽しめた人たち。UN GRAND PASはその頃知って、よくいただいたり一緒に買いに行ったり。懐かしいな。

「最後にちゃんと話がしたかったな。お世話になりました。ありがとう。」

CHOCOLATLE

UN GRAND PAS
https://ungrandpas.com

INFORMATION

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◆クラフトチョコレート取扱場所◆
中之条ガーデンズ
tsumuji
SO.ラボ
MARUOKA
木下商店

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