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人生初のコミカライズ検討~今年の振り返り~


「人生初のコミカライズ検討者が何に躓いて、何に苦しんで、何に落ち込んで、何を悔やんで、何に感動したか」という記事を公開していた海坂(Misaka)と申します。

現在、上記の記事は構成を見直し中です。

公開当時は日記形式でいいやと思っていたのですが、いざ公開してみると読みにくいものですね……。

エッセイ風に整えたいという野望はあっても、なかなか納得する文章が書けず……。

非公開でも削除でも、担当さんから注意が入ったわけでもないので、いつかどこかにいる誰かのために、私の体験談を再公開できたらなと思っています。


人生で初めての受賞

年の終わりですので、今年の振り返りをしてみたいなと思います。

私は今年、『魔法のiらんど大賞2022コミック原作大賞異世界・現代ファンタジー部門特別賞』を受賞。

『魔法のiらんど大賞2022コミック原作大賞』では、大賞・部門賞・特別賞の3つの賞が用意されていて、私は特別賞の受賞。

編集者からの挨拶が1回くらいあって、それきりの関係になるのが特別賞だと思い込んでいました。

賞はあげますけど、あくまでコミカライズ検討。

何かあったときだけ、連絡をくれるのが特別賞なのかなーと。

ところが、想像とはまったく違う展開が私を待っていました!

詳細は「人生初のコミカライズ検討者が何に躓いて、何に苦しんで、何に落ち込んで、何を悔やんで、何に感動したか」で語ります。

今日は年の終わりなので、私が担当さんとやりとりをした9か月間(受賞発表が3月だったので、3月~12月の9か月間)の中で最も衝撃を受けたお話をしたいと思います。


最も印象に残っている言葉

とある原稿を提出したときに、事件は起きました。

編「温度感、空気感、熱、心情が伝わってこない」

編集者さんを通して、本当にたくさんのことを学びました。教えてもらいました。ご指導いただきました。

その中でも、担当さんに言われて1番印象に残っているのが、この言葉です。

1日ほど、何も書けなくなりました。

たった1日?
1日も?

私にとっては、長い1日でした。

体調さえ良ければ、毎日何かしらの文章を書いていた私。

何も書けなくなるって、私にとっては大事件でした。

どうしたらいいか分からなかったです。分からなくなりました。

私、今までの人生で何を書いてきたの?

人に伝わらないものを、ずっと書き続けてきたの?

編集者が求める(レベルの)ものが書けない。

どうしよう。

ここが、1年で最も落ち込んだ時間です。

この1日が、とてもとても悔しかった。


初めての気づき

公募・コンテスト歴8年。

何も受賞できなかった理由は、これだったんだなってことにようやく気がつきました。

私は、第三者に物語を伝えるための力が圧倒的に足りない。

碌に原稿も書けない人間に、仕事が来るわけないと。

一緒に仕事したい方なんているわけがないな、と。

でも、ここで気づくことができて良かったなと。

自分は書けない人間なんだって自覚できたのは、幸せなことだったんじゃないかなって。

担当さんが言ってくれなかったら、第三者に物語を伝えるための力が圧倒的に足りていないことに今も気づいていないと思います。

読者に伝わっているものだと思い込んで、実際は読者を無視した物語を作り続けていたと思います。

自分の得意不得意を初めて知る

編集者さんと出会って9か月。

自分にできること、できないこと。
自分の得意なこと、得意でないこと。
自分が苦手と感じること、どんな作業が苦手なのか。

プロを目指すなら、得意とか不得意とか言ってる場合じゃないんだよ! とお叱りを受けるかもしれません。

なんでもできてこそのプロだぞ、と。

でも、自分の得意と不得意を把握できるようになったのは、私にとって大きな収穫でした。

できると思っていたことが、できない。
やれると思っていたことが、やれていない。

これに気づいたときの悔しさと言ったら……。

物語を作る工程すべてが得意な方なら何も問題ないですけど、自分の場合はそうではないのだと!

担当さんとの出会いがなかったら、自分の得意も不得意も知らないまま書き続けていたと思います。

本当はできていないのに、できていると思い込んだ人生。
本当は未完成なのに、完成したと思い込み続ける人生。

そんな人生を歩んでいる途中で、担当さんと出会うことができたのは幸運でもあり幸福でもあったのかなって思います。


悔しさは巡りに巡って、感謝の気持ちに

悔しい。
悔しい。
凄く悔しい。
できない自分が、書けない自分が、物凄く悔しい。

じゃあ、どうするの?
私は、何がしたいの?

悔しさが巡りに巡った結果、辿り着いた気持ちはひとつでした。

書けない自分かもしれないけど、やっぱり私は、『この担当さんと一緒に、最後まで作品を完成させたい』

コミカライズ検討なので、『この担当さんと一緒に』という願いも、『最後まで作品を完成させたい』という願いも叶うかなんて分かりません。

それでも、叶うか分からない願いのために奮起します。

悔しいなら、書かなきゃ。

作品の温度感、空気感、熱、心情を伝えられるのは私しかいないんだから。

「温度感、空気感、熱、心情が伝わってこない」と言われたことは悔しかったですが、私の創作人生においては大きな転機となりました。

目が覚めた。
覚醒した。
視界が開けた。

どう表現したらいいのか分からないくらいの転機。

海坂依里の、これからの創作が変わるなって予感

これから待っている未来が、とても楽しみになってきました。

編集者さんに、直接こんなことを言わせてしまった申し訳なさはあります。

まさかコンテストで拾った人間が、物語を書けない奴だったなんて思ってもいなかったでしょう。

編集者さんにとっては、ハズレの出会いだったかもしれません。

でも、私にとって編集者さんとの出会いは変わるきっかけでした。変えていくきっかけでした。

ご相談のお時間を設けてもらうたびに感謝の気持ちを伝えてはいるのですが、何度伝えても感謝の気持ちを伝えきれないのが悔しいですね。

それだけ大きく、それだけ多くの感謝の気持ちを持って、9か月間を過ごしてきました。

温度感、空気感、熱、心情を伝えることができなかった私が、そのあとどうしたか。

それは「人生初のコミカライズ検討者が何に躓いて、何に苦しんで、何に落ち込んで、何を悔やんで、何に感動したか」の記事で、またお話できたらなと思います。


編集者は作品と作家の1番の味方

ちなみに、私は見放されることなく、最後まで同じ編集者さんにお世話になりました。

「温度感、空気感、熱、心情が伝わってこない」と言われた私ですが、編集者さんとの関係は続きました

今回お話したかったのは編集者と連絡が途絶えたという話ではないので、「人生初のコミカライズ検討者が何に躓いて、何に苦しんで、何に落ち込んで、何を悔やんで、何に感動したか」で、希望あるお話をできたらいいなと。

編集者と一緒に作品を作ってきた9か月間。

人生初のコミカライズ検討者が感じたのは、編集者は作品と作家の1番の味方であるということです。

もちろん、昨今いろんな編集者がいることは伺っています。

SNSで、いろんな話が巡ってきます。

でも、私が人生で初めてお世話になった編集者さんから感じたことは、編集者は作品と作家の1番の味方ということです。

創作で何か困ったときがあったとき、惜しみなく力を貸してくれるのが編集者だと感じました。

作品を、より良くするためにはどうしたらいいか。

担当さんには本当に多くの時間作品のためにお力添えいただきました。

常に編集者さんが作品に寄り添ってくれることがあまりにも心強すぎて、つい甘えてしまいそうにもなってしまうくらいです。

でも、そこで甘えたら、私はいつまで経っても成長できないですからね!

頼るべきところは全力で頼って、私は私で表現者として大きく成長できるように自身を磨いていきたいなと思います。
 


今年1年を振り返って

今年はKADOKAWAの編集者さんと出会い、今まで生きて来た人生の中で最も充実した1年を過ごすことができました。

できないこととか、応えられないことの方が圧倒的に多くて悔しい1年でもありました。

それでも、私の『好き』を大切にしてくれた担当さんに。

私の『好き』を育ててくれた担当さんに、心より感謝申し上げます。


来年以降の創作活動には楽しみしか待っていない!

そう思えるのは、今年1年を通して数多くの出会いと再会が日々を彩ってくれたおかげだと思っています。

来年も皆様と、それぞれの場所で創作活動を続けることができたら嬉しく思います。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。


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