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恐怖に立ち向かうライオン

今日は自己啓発のお話。

+ + + +

ある暑い日、

一匹のライオンが、

サバンナで、喉を潤す場所を探していた。 

暑さに倒れないためには、

水を飲まなければならない。

水たまりがあるか探したが、

ずいぶん長い間雨が降らなかったので、

すべてが乾いた荒れ地だった。


茂みの葉に露がついていないか、

よく見てみたが、これもダメだった。

絶望的な状態。


舌が口の中に張り付き、

立ち上がる力も弱くなっていった。


疲れ切ったライオンは、

どこに行けばいいのかわからないまま、

埃っぽいサバンナを歩いていった。


だが、めまいがして倒れそうになったとき、

茂みの奥に、

今まで見たこともない湖を発見した。


その表面は透き通っていて、

灼熱の太陽に照らされた巨大な鏡のようだった。


「どれだけの水があるのかわからないけど、

やっと飲めるぞ~!」

と、歩みをはやめ、

岸辺に近づき、頭をかがめて、見たら、


「うわ~!!」

そこには

強そうなライオンが

水底からのぞいていた。


冷静さを取り戻して、

呼吸が正常に出来るようになるまでに、

時間がかかった。

考えた。

「この湖は

あのライオンのものなのかもしれない。

面倒なことになるのはごめんだ。

さっさと立ち去った方がいいかもな・・・」

と、思った。

しかし、

どこにも行かなかった。

喉の渇きがひどくなってきたからだ。

じっと座って、ライオンが浮上するのを待った。


数分後、

他の生物の気配がないと察して、

再び岸辺に近づくことにした。

そして、と~っても慎重に、

ゆ~っくりと水の中を覗き込むと、


「うわっ!!」

再び目の前に現れたのはあのライオン。

びっくりして飛び上がり、

たてがみが逆立った。

そこで、

自分に言った。

「あのライオンがまだいる。

私を脅かしている。

どうしたらいいのだろうか。

少しでも水が飲みたい・・・」

と思いながら、

あきらめて、アカシアの木陰に行き、

時が経つのを待つことにした。


だんだん、暑さと喉の渇きに我慢が限界に達し、

再び湖に近づこうと思い立った。


今度はちょっと良いアイデアが浮かんだので

実行することにした。


首を伸ばして深呼吸をし、

岸辺に着くと、

口を開けて、

象も震えるくらいに、

ウオ~!とうなった。

すると、

驚いたことに、

水の中のライオンもうなり声を上げ、

鋭い牙をむき出しにしたので、

びっくりして、

後ろにひっくり返ってしまった。


でも、

ゆっくりと立ち上がり、

この状況を早く終わらせようと強く思った。


湖に住むライオンが何者なのか、

どんな意図を持っているのかは分からないが、

彼に残された選択肢はただ一つ。


「もう喉の渇きに我慢できないから、

勇気を出して、あいつを倒す」

というものだった。


リスクを取るか、

脱水症状になって死ぬか、

どちらかだ。


鼻息を荒くして、

後先考えずに頭をジャボンと水に浸すと、

不思議なことに

ライオンの姿が見えなかった。

喉が渇ききっていたので、

冷たい水を思いっきり

顔に感じながら、心ゆくまで飲み干した。


その時、やっと、

そこには他のライオンはいなくて、

自分の姿が映っていたことに気がついた。


そんな危機感が過ぎ去り、

彼は自分自身を笑った。

そして

自分の馬鹿げた恐怖を克服することができたんだ

と、大変誇りに思った。 


笑顔で、家族のもとに戻った彼は、

とっても、とっても幸せな気持ちになった。


おわり

+ + + +


この話は、

恐怖心の多くは想像上のもの

であると教えてくれている。


私たちが生きている間に、

全く根拠のない恐怖を

感じることがある


コントロール出来ない想像力によって、

現実を見れなくなる。


自分の心の中の想像に

身を置いてはいけない。


勇気を持って、

恐怖と向き合おうとすることで、

初めてその恐怖は消えていく。



想像上の恐怖で、

人生を制限してしまうと

もったいない


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