見出し画像

福祉から生まれる可能性 |パートナーシップを大切にしている理由とは?

プノントイの事業では現在、2社の福祉事業所さんと一緒に商品開発・制作を行っています。
今日はなぜ私が森林・里山の新たな価値を作り届ける事業で、福祉領域のパートナーシップを大切にしているか、関わりの経緯などについて、お伝えしていきたいと思います。

福祉分野への関心の原点

そもそも"福祉"という言葉は、一般的に、幸せ、生活の充足、安定などを意味します。
なぜ福祉領域に関心を持ったか、学生時代に遡ってみると、
高校生くらいまでは漠然とした生きにくさを感じていたことが、原点にある気がします。その背景には、単一的な価値基準への囚われや、競争社会への不適応がありました。
※今思い返すと、競争社会への過適応が本当に幸せなのか、自分なりに違和感とか拒絶感があったのかなぁとも思います。

"〇〇しないといけない"、"努力しないといけない"という強迫観念が常にあり、プレッシャーを自分に課し続ける反動で、無気力で学校に行くのがやや困難な時期もありました。

1年弱くらいかけてそこから立ち直って、幸運にも"自分軸"で生きる道を見つけて大学に進学することが出来たのですが、
どうすれば単一的な価値観(学歴,偏差値など)でなく多様な価値観ーその人自身の在り方が認められる価値観が広まり、一人ひとりが生きやすくなるのか。そういった問いの先に、福祉への関心がありました。

仕事としての福祉分野への関わり

前職では、シンクタンクの研究員として、国や自治体や計画策定や調査をしており、主に環境・防災分野のプロジェクトに入っていました。
実は入社1年目くらいの時から、(会社でやるか起業してやるかは置いておいて)森林・里山に関する事業を何か立ち上げたい構想がありました。そこには環境の視点だけでなく、まちづくり、福祉など、さまざまな視点から、事業を通じて多様な人の活躍の場を生み出すビジョンが密かに(?)ありました。

ただ、福祉分野の知見も実務経験も何もなかったので、福祉・教育分野のグループ異動の希望を出して、政令市の障がい福祉計画策定や、国の障がい福祉の政策研究のお仕事をしていました。

その中で、障がいをもつ当事者の方々や、当事者を支える事業所、家族会など支援団体さんからのヒアリング調査を重ね、自治体の計画に反映していくプロジェクトがあったのですが、国の政策動向や法律、自治体の政策の方向性、障がいのある方々・家族・支援する組織の課題や想いなどを、ある程度体系的に知ることとなりました。

ですが、起業する前の計画段階で、森林・里山分野と、福祉分野をどのように掛け合わせていくか、具体的なアイデアは持っていませんでした。

きっかけはデザイナーさんのアドバイス

起業して半年が経った頃、捨てられてしまうカンナ屑を使った新商品の試作をしていたのですが、本格的な生産のためには外部のパートナーが必要でした。

プロダクトデザイナーさんに相談したところ、デザイナーさんが専門学校時代に、木工作業を福祉事業所に委託していたお話を聞いて、「これだ!」と思ったのです。
デザイナーさんからのアドバイスを受けて(たしか年明け1/5くらいの出来事)、拠点としていた大阪府内でフラワーアレンジメントができる福祉事業者をWebで速攻調べると、偶然当時住んでいた場所の近くに該当する事業所があり、どきどきしながらアポの連絡を入れました。
それが、今ヒノキローズBOXシリーズでパートナーとなっている、「就労継続支援B型事業所たんぽぽ」さんだったのです。

カンナ屑のローズやプリザーブドフラワーをアレンジした、ヒノキローズBOX-

そして、今月(11月)より新商品を販売開始した、里山石けん Satoyama Savonも、実は、障がい者が働きやすい職場環境の確保と継続的な就労を可能にする為に設立された特例子会社であるリンクラインさんとの共同開発により、誕生しました。
開発ディレクションを務めるメンバーの本業の繋がりで、リンクラインさんへのご訪問が実現し、実際に作業の様子を見させていただいたりお話ししたりする中で、共同開発のご縁をいただきました。

里山石けん Satoyama Savon

森林・里山✖️福祉で生まれる新たな価値


プノントイにとって、福祉事業所さんは何らかの支援をする存在でなくむしろ逆で、事業を支えてくれる、森林・里山の価値を共に生み出す大切なビジネスパートナーです。

今回の新商品も、まさにこれを具現化したものであると思います。

石けんは繊細な手作業の技から生まれる

可愛い!綺麗!いい香り!という驚きや、
プレゼントで貰って嬉しい!という感動の先に、
実は、福祉事業所の利用者さんの活躍がある。

森林・里山資源の新たな活用や、障がいのある方々の活躍によって、癒しのプロダクトが生まれ、お客さんのもとへ。お客さんに手に取っていただいたり、感想・声をいただいたりするこで、開発・制作に還元され、また新たなプロダクト・サービスを生み出す源泉に。

森林・里山と福祉を掛け合わせて生まれる暖かい循環を、これからもプノントイでは増やしていきたいと思います。


***最後に***
今月(11月)より新商品を販売開始した、里山石けん Satoyama Savonをよろしければぜひご覧ください!



この記事が参加している募集

SDGsへの向き合い方

よろしければサポートお願いします!いただいたサポートは里山のフィールドワーク⛰️に使わせていただきます!