チームでより良いユーザー体験を考えるために、「ユーザーモデル」を作った話
この記事はこの記事はコネヒト Advent Calendar 2019 14日目の記事です。
はじめまして。デザイナーのエリーゼです。
事業会社のUIデザイナーを経て10月末からフリーランスになり、UIデザインをメインにお仕事をさせていただいています。
コネヒト株式会社では、その当初からお仕事をさせていただいています。
コネヒトでは何をしているの?
現在、コネヒトでは、ママリに続くママや家族のための新規事業に取り組んでおり、そのUIデザインを担当しています。
並行して、デザイナーのなべちゃんと一緒に「ユーザー体験の可視化」「デザインシステム構築」を進めています。
デザイナーがチームでデザインする上で大切なことを一人ひとりが蓄えていき、そして、プロダクト開発チームにデザインを伝えていくことで、組織のデザイン力アップに繋がればいいな…という思いで関わらせていただいています!
「ユーザー体験の可視化」をするために何をしたのか
わたしたちは「ユーザーモデルの作成」と「カスタマージャーニーの作成」を行うことにしました。その中で、今回はユーザーモデルの作成についてお話したいと思います!
ユーザーモデルとは?
ペルソナは、すでにどのものづくりの現場でも使われており、その重要さは多々語られていると思います。
ただ、一般的なペルソナ像のフォーマットが、自分たちが今作っているものにフィットしているの?かと言われればそうでもなく、自分たちが「何を知りたいのか」「何を共通認識としたいのか」を大切にするためにもオリジナルのフォーマットを作り「ユーザーモデル」と呼ぶことにしました。
その際、デザイナーだけでなくプロダクトに関わるすべての人への浸透も目指し、せっかく作ったのに小難しくてまったくワークしないのを避けることを意識しました。
ユーザーモデルの必要性
コネヒトで働いてすぐに感動したことは、チームメンバー誰もがユーザーである「ママ」のことを本当に考えてサービスと向き合ってるということした。
ただ、その「ママ」が「どのような人物」なのか具体化されておらず、なんとなくそれぞれの持っているママ像に頼っているものでした。
そのために「デザインや仕様、企画を考える際に、好みや事業的・技術的な判断しかできない」などの課題が生まれていました。
「ママ」を具体化することで、プロダクトに関わるすべての人にユーザーに対する共通認識が生まれ、より確度の高いユーザー体験を生み出せるようになると考えました。
2週に1度くらいのペースでデザインチームが集まり、進捗の確認とどう進めていくべきか話し合い、持ち戻りそれぞれで作業します。
ママリの強みを活かす
「ママリ」は、2018年に出産したママの3人に1人が使っています。そこには強いデータがありました。
ママユーザーを対象にした1万を超える回答数のアンケート結果や、ユーザーインタビューの回答です。それらのデータを数日間読み込みました。
そして、そこから需要な要素を抽出し、具体↔抽象を重ねます。
そこからさらに、事業と直接結びつきそうな課題だけを抽出し、それをユーザーのゴールと結びつけるカタチで作成しました。それに、ある程度の人物像・リテラシーなどがわかる項目をつけたとてもミニマムなものです。
ユーザーモデルの具体化
今回の新規事業では、「ママ」だけでなく「パパ」も対象に入れたため、2つのモデルを作成しました。
フォーマットとして作ったスプレッドシートにひたすら要素を書き出していきます。この状態では、割と多くの項目がありその中身も煩雑です。(※生々しい内容のため何も見えなくてごめんなさい)
チームメンバーへの説明とレビュー
ある程度できた状態で開発メンバーに共有しました。共有時に大切にしたことは、何のためにこのモデルを作っていてそれぞれの項目は、何を考えるために設定したか伝えるということです。
最初は「ユーザーモデルを作ることによって何かこれからの開発が変わっていくの?」「このモデルはどう使っていけばいいの?」などの質問が出ていました。ユーザーモデルの必要性への理解を深める、レビューを価値あるものにするためにも1時間ほどの時間をもらって説明会をしました。
その結果、「この家族ならこれがないのはおかしいよね!」など、ママを考える大先輩たちの意見をもらい、最大限にパワーアップしたモデル像ができあがりました!
完成したユーザーモデル
そして、できあがったユーザーモデルがこちらです!
スプレッドシートの中からさらに濃度の高い要素を整理したものです。
基本データには、家族の行動を考えるために必要な「家族構成」「住まい」「収入」「車の有無」などを入れました。「主な休日の過ごし方」は、家族の生活をより具体的に感じるために重要な要素だと判断し、丁寧に書き記しています。
そして、ママリデータから抽出された課題をどう解決してあげればモデルの持つゴールに近づけるの?を考えていけるように、ゴールを長期的・短期的に分けて示しています。
これができあがった頃には、ママモデルとして設定した「西野さん」はチーム内ですでに大きな存在になっており、「西野さんならどう思うかな?」と真面目な場面で登場したり、「家で西野さんの名前を口走って奥さんに怪しまれなようにしよう」とジョークとして話されるまでになりました。
みんなで「家の冷蔵庫に貼ろう!」とまで話しています!
まとめ
このユーザーモデルが「何かプロダクトの成功に繋がった」…と言えるまでの道のりはまだ遠いです。でも「誰のために作るのか」が可視化され、日々のプロダクト作りの現場に当たり前として登場するようになったことは、チームの大きな一歩になったと思います!
これから「最初にやるべき改善は?」「今一番効果の高い施策は?」と意志決定の場面で、今回作ったユーザーモデルがユーザー中心に考える良き材料になればと思っています。
そして、現在絶賛作成中のカスタマージャーニーにもきっちり繋げて行きたいです!
より良いユーザー体験のために!
コネヒトでは、一緒に働いてくれるデザイナーを募集しております
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?