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包み込まれて ※ある中華をお題に書いてみました。


#餃子がすき #with農林水産省「餃子会議」


正直、食べる事は好きだが、特別「これ」が好きといった文章を書く事があると思ってはいなかった。先日、この「餃子がすき」というお題を見た時は間違いなくそうだった。

なぜこのお題にしたのか?

理由はニッポンフードシフトの動画を見たからだが、最後まで見終わった途端、書きたい思いが溢れ出してきた。

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具材の野菜が作られた国が違うように、味だって人によってさまざまで、老若男女、国籍、時代によって全く違う味である可能性は充分ある。しかも、タレの事まで考えられていたのにはふふっ…と笑みがこぼれた。
確かに何をつけようが自由。
辛かろうが、甘かろうが、酸っぱかろうが
それぞれの好みである。

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さて、私の作る餃子の話だけど。
中身のメインの野菜は王道のキャベツ。
そして、なんとプロセスチーズをざっくりとカットして山盛り入れるのが好きだ。

皮で包むときはヒラヒラの部分(おわかりになる?)は大きめにしてカラッと揚げる。
そう、焼くのではなく揚げる。

きっかけは、小さい頃、一緒に住んでいた祖母の料理本に載っていたレシピ。
何十年も経過したであろう色褪せた表紙と、祖母の手書きの材料の配分が家族の人数分書かれてあったもの。
その中で、私にも失敗しなさそうなものがチーズの「餃子」だった。
けれども、チーズ餃子を食べた記憶はない。
予想ではあるけれど、祖母には少し斬新なメニューだったのかもしれない。 
そうなると尚更、作ってみるきっかけになる。
タレ?そう、タレは付けない。
チーズの塩分がいい塩梅だし、付けるとしたら塩をパラパラとひとつまみ。
これがおすすめの味。

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おすすめといえば、食べ方もいろいろある。
タコパ(たこ焼きパーティー)があるなら餃子パーティーがあってもおかしくない。

大きさも人それぞれ、中身の具がパンパンではみ出てるものもあれば、遠慮がちなものもできる。
チーズだけではなく、これを入れてみようか?あれを入れてみようか?と賑やかだ。
祖母は持っていたレシピの餃子がこんな風に大活躍していてさぞ驚くだろう。

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そうやって私が思うのは、餃子の皮はいろいろなものを包み込める。
具材だけではなく。
人それぞれの食文化があり、具もタレも違うように、餃子を食べた時のシーンや相手、話題や笑顔、思い出もぎゅうっと包みこみ、しっかりとこぼれないようにぴったりと閉じる。
こんな風にひとつの料理を語るのは
まるで文章を料理するように面白い。
今、わたしも餃子の皮にクルッと包まれてしまった気分だ。



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