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なぜコーチング?【前編 - 出会い】

私自身のライフワークの一つでもあり、株式会社EpoChのコア・ビジネス領域の一つとして既にお客様にご提供中の「コーチング」
今回のnoteでは、そこに至るまでの背景をお伝えいたします。

1.  コーチングとの出会い

私がコーチングに出会ったのは2007年。事業会社のHRとして初めて勤務したドイツ系製薬会社で、当時私は採用チームに所属していました。
社内の人事制度の抜本的改革に伴い、その翌年より、全社の管理職登用において「コーチング社内認定の取得」が新たな必須要件として加わり、また既存の管理職も指定期間内に認定取得することが必要になりました。そして、認定取得に必要なスキルや知識の習得のために、対象者全員には、外部専任コーチのもとで約6か月間の研修に参加する機会が与えられました。
 
私は、HRの同僚2名と一緒にその研修の第一期生として、他部署の多くの社員の方々と研修を受け始めました。研修機会を通して「傾聴」「効果的な問いかけ」「タイムリーなフィードバック」「そのMomentを大事にすること」等、色々なスキルや知識の習得をしていきましたが、その中でも私は「答えは相手の中にあること」という視点に自然と惹かれていきました。
 
もともと私は、自分が話すことよりも相手の話を聴くことの方が自然で、聴くことを通して様々な問いかけをすることにも繋がり、そこから双方向の対話に発展することが多い傾向があります。当時の外部コーチから「コーチングの適正が高い可能性がある」ということも言っていただき、コーチングに対する好奇心が自ずと高まっていったことを今でもよく覚えています。
そんな動機の高まりも相乗効果になってなのか、研修でクリアしていくべき複数の機会や課題を順調にクリアしていき、幸運にも、翌年2008年に全社の中でコーチング社内認定者の第一号になることができました。
 
また、そのタイミングで、社内で新設されたHRBP(人事ビジネスパートナー)部署への異動の機会を得て、HRBP Managerとして自身が担当するマーケティング本部と事業企画本部の方々との1on1での相談やキャリア対話等で、習得したコーチングの考え方や手法は大いに生かされました。
 
 

2.  外資系企業HR責任者の日常にエグゼクティブコーチングが

2010年に、人生初のヘッドハンティングで米系高級消費財のHRBPとして更なるキャリアを築くきっかけをいただき、2年目後半からはCorporate(日本本社機能と香港のAPAC本社機能)のHRBP責任者として、多国籍の部門責任者の方々の人事戦略パートナーとして日々伴走することができました。
当時、海外との業務は現地への出張もしくはTV会議でのコミュニケーションが主体でしたが、ニューヨークの本国本社と香港のAPAC本社の各部門責任者に対しても、日本のHRBP責任者として一人で対峙する機会を得て、プレゼンテーション力と交渉力と併せて、多様性ある様々な方々に対する英語によるコーチングのスキルも自ずと向上していったと実感できました。
 
そして30代半ばを過ぎたタイミングで、英系FMCG(日用消費財)企業日本法人のHR Directorに就く機会をいただきました。そこは世界的に巨大な企業ではありましたが、日本法人は当時120名前後の目が十分に行き届く社員数だったこともあり、入社後に私が初めに取ったアクションのうちの一つが、全社員との1on1でした。入社翌週に全社員の皆さんに、向こう1か月掛けて全員との1on1を実施することを伝えたうえで実施しました。
組織風土、従業員エンゲージメント、労務的課題、キャリアの話等、個々の状態やテーマに応じて、オープンかつ柔軟に傾聴しながら問いかけをしていき、お互いを知っていく貴重な機会になりました。そこで収集したり得たりした生の情報は私にとって大きなインサイトとなり、その後HR Directorとして着手できた複数のテーマも創造されました。
まさに「対話の力」が活かされたからこそだと思います。
 
また、当時の直属の上司である日本法人社長はドイツ人、同僚であるマーケティング責任者はアメリカ人、ファイナンス責任者はアルゼンチン人、サプライチェーン責任者は韓国人といったように、日々ビジネスを共にする人たちが本国や他国から赴任してくるエグゼクティブ層のExpats中心でした。
その様なビジネスの場面では、共通言語は英語のみで、Agileに判断と決断をしてアクションに繋げるためには、事実やロジックに基づいて客観的な視点や見解で議論することが大事でありました。
一方で、1on1でそれぞれと話す際は、それだけに陥るのではなく、ロジックの裏にある背景や感情を読み解くこと、違いを理解すること、受容することが特にHR Directorであった私には重要でした。併せて、経営者や各部門責任者は孤独な一面があり、誰かに話を聴いてもらえる機会が少ないことも理解したうえで1on1の中で対峙することを心掛け、それが双方向の「理解」を超えて「透明性」「納得」「共感」といった付加価値を生み出し、結果として「目に見えない意味のない競争」から「目に見える意義ある共創」に繋がっていくきっかけにもなっていきました。自ずとそれぞれから「Endoさん、こんなことを考えてるんだけどちょっと聞いて」といった感じで、こっそり色々な考えや気持ちを打ち明けてくれるようになってきました。
 
 
ここまでお読みいただいた方々、本当にありがとうございます。
今回の【前編】コーチングのきっかけ背景Storyに続き、次回の【後編】では「コーチング認定へのチャレンジ ~現在に至るStory」、そして「コーチングで大事にしていること」をお話いたします。是非次回もご覧ください。

<EpoCh website>


外資系17年(HRトップ 7年)とプライム市場上場企業 Global CHRO(最高人事責任者)経験の私が「誰もが独自性を強みとして持ち、新しい無限の可能性を秘めている」を自身のコーチング哲学に、2023年3月 起業をしました。サポートくださる方々と一緒に日本を元気にしたいです!