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【37回】読書日記(190124)

○佐藤優「読書の技法」(東洋経済新報社、2012年8月)

記録によると、読み終えたのは5回目らしい。それだけ、自分にとって大切な本になっている。
あらためて、熟読の技法を見直す。

佐藤氏の言う熟読では、3回読むことになる。
1回目の線を引きながら読むことは、本格的に読書を初めてから20年以上たつが、ずっと行っていることである。
しかし、2回目の「本に囲みを作る」作業が、苦手だ。やり忘れている。もしくは、目で追って、囲むのを忘れている。囲まずに、そのままノートに写して終わりというのが多い。

本来は、囲みながら読み、囲みの部分をノートに写すのが2回目の読み。
写してから、「結論部分を3回読み、もう一度通読する」というのが3回目の読みになる。

それにしても、「本の結論部」を探すのが、苦手なのかもしれない。
本全体の結論を探すのか、各章の結論を探すのかで迷う。

例えば、対談本であれば、AさんとBさんがお互いに意見を述べる。しかし、この対談の行き着く先は、「ぱっ」と文章で書かれているかとしたらそうではないこともある。こういう場合は、「対談で言いたかったこと」を「要約」する必要が出てくるのだろうか。要約することで、何が言いたかったのか結論が見えてくる。

もちろん、自分が学びたいと思うからこその結論探しである。興味がない、ただなんとなく手を取っているならそこまでする必要はないのだ。


○青山新吾・岩瀬直樹「インクルーシブ教育を通常学級で実践するってどういうこと?」(学事出版、2018年12月)

3日間かけて読み終えた。第1読である。

学級を「安心・安全な場に」
私も他者も大切にされる環境、幸せに暮らせる環境はすべてのベースです。
しかし、それはあくまでも土台に過ぎないと私は考えています。(p143)

その先がある。

子どもが豊かに成長できる環境は、それぞれの成長や好きなことで刺激し合える環境ではないでしょうか。(p143)

土台作りと、成長できる環境づくりは、同時進行だ。
教師主導で、子どもがお客さんの世界ではない。
教師も子どもも一緒に世界を作り出していく環境。学級。

徹底的な「個の追究」(p151)

が最もベースにある。

読み終えて興奮している。ワクワクしている。
もっともっと知りたい、考えたい。
だが、実践を行うには、「どうしても、子どもたちのために必要なのだ」という意思が必要だ。


○上野一彦監修、『LD,ADHD&ASD』編集部・笹森洋樹編「平成29年度版 学習指導要領改定のポイント 通常の学級の特別支援教育」(明治図書、2017年4月)

青山新吾・岩瀬直樹「インクルーシブ教育を通常学級で実践するってどういうこと?」を読み終えて、「インクルーシブ教育とは?」「インクルーシブシステムとは?」「合理的配慮とは?」が急激に気になった。今更ではあるが、今後の教育を示す学習指導要領に関する書籍を開いてみた。

注目した部分。


1「生きる力」を育むために、学校教育を通じて育成しなければならない資質・能力。「三つの柱」

・生きて働く「知識・技能」の習得。
・未知の状況にも対応できる「思考力・判断力・表現力等」の育成。
・学びを人生や社会に生かそうとする「学びに向かう力・人間性」の涵養。
(p13)

2 アクティブ・ラーニングと情報保障

対話とディスカッション、プレゼンテーションなど、聴覚障害や言語障害、緘黙など、音声言語の即時的な理解と反応を求められた際に、困難さを感じる児童生徒がどのように参加するかという工夫と手立てを考える必要がある。(p26)

3 学級系の充実に向けた支持的風土

・自由で楽しめる風土づくり
・安心で安全な風土づくり
・認め合う風土づくり
・高め合う風土づくり
(p41~42)

4 障害者権利条約をめぐる課題

5 インクルーシブ教育システムのポイント

①障害のある子供が十分な教育を受けられる
②障害のある子供と障害のない子供が共に学ぶ
③合理的配慮が提供される
④国等は教育環境の整備を促進する
(p60)

6 合理的配慮

障害者が他の者と平等にすべての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないものをいう。(p64)

合理的配慮の観点は全部で11項目。

7 基礎的環境整備

国や自治体が教育環境の整備をそれぞれ行うこと。

観点は8項目。(p64)

p87~89に、自閉症の子どもに実施した合理的配慮の実践例がある。11項目の観点のうち、10項目に対して、配慮を行っている。それにしても、非常い幅広い配慮事例となっている。