【ぐるっとパス2024で行ってみた 4】泉屋博古館東京/ライトアップ木島桜谷
夜、サントリーホールでのコンサートを聞きに行く前に訪問。会期終盤の祝日午後、時折小雨がちらつく生憎なお天気。混んでいなくてよかった。(ガラガラすいていたわけではない。)
順路1の第3展示室に、この展覧会のメイン
「四季連作屏風」
雪中梅花(せっちゅうばいか)6曲1双
柳桜図(やなぎさくらず)6曲1双
燕子花図(かきつばたず)6曲1双
菊花図(きっかず)6曲1双
”白菊は灰色の輪郭線を塗り残すように花弁を胡粉で彩色する彫塗り(
(ほりぬり)の技法。筆の走りが筋状に残るよう厚く施されている。”
「彫塗り」:線を活かしながら塗る技法。線を残してを塗ることで、線を際立たせる。
竹林白鶴(ちくりんはっかく)6曲1双
が展示されたいた。
写真撮影が許されたのは「燕子花図」のみ。
同じタイミングで「根津美術館」で尾形光琳作の「燕子花」(18世紀・江戸時代)が展示されていたが、木島によるこれは時代はぐっと下がる。そのせいか色の剥落もなく鮮やかさはほぼ当時のままだろう。ガラス越しとはいえ、実物の放つ圧と色の洪水に包まれるのは至福の時。
動物画もたくさん描いてらして、展示されていた中でも一番好きだったのが、「狗児図(くじず)」20世紀・大正時代。狗児?、わんこです、それも子犬。いゃ~、めっちゃ可愛らしかった。絵葉書があれば買いたかった!
説明文が良かった。「減筆極まれり」。
この絵の説明文、今風。
付けたて(つけたて):下描きや輪郭線を用いず、黒の濃淡によって対象を表現する技法。筆の全体にたっぷりと淡黒を含ませ穂先に濃黒をつけて一気に描く。
木島桜谷は夏目漱石に
「今思い出しても気持ち悪くなる鹿である。
兎に角屏風にするよりも写真屋の背景にした方が適当な絵である。」
と酷評された。
へぇ、そうなんだ、
だから、どうした、である。
木島氏の絵はわたしを爽やかに、静かに、深く、ぎゅっと心揺さぶる。
屏風絵も、掛け軸もそりゃ立派でどれもこれも素晴らしいんだけど、それ以上にぐっと胸に迫ってきたのが、「写生帖」。木島がデッサンするときの気持ちの躍動感がみなぎっていた。
絵を文字で表現するのって、難しいけど、この感動伝わるといいな。
*展覧会のお土産*
ぐるっとパス2024で行ったよ
1.郷さくら美術館 800円
2.ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション 600円
3.泉屋博古館東京 1,000円
4.五島美術館
5.東京都庭園美術館 1,400円
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