らら

50代会社員。断捨離、読書の記録。日常の大切な場面の断片。

らら

50代会社員。断捨離、読書の記録。日常の大切な場面の断片。

マガジン

  • 読書

    次は何を読む?

  • 美術展

    開く度にあの時を思い出す

  • コンサート

最近の記事

【ぐるっとパス2024で行ってみた 2】ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション/南桂子銅版画展ー春

日本橋、茅場町にほど近いのに土曜に訪れたせいか、この小さな美術館がある一体は森閑としていた。 郷さくら美術館に続いて、ぐるっとパスで訪れたのは大都会の小さな美術館。 18歳まで田舎で生まれ育ったのもあるとか思うが、人が多いのは嫌いだし、空気も水も美味しくないのは残念だが、首都圏を離れならないのは、大小限らず美術館が多く、行きたいと思ったら躊躇なく行けるのがいい。コンサートもしかり。なんなら通勤定期券内で行ける。 地下を含めた2階のスペースに、静かな静かな雰囲気の銅版画が約5

    • 【読書】「ほどよく忘れて生きていく」藤井英子

      転職しようか悩んでいる。現在の勤務先はホワイトな会社だ。セクハラもパワハラもマタハラ(もはや私は対象外だが)も、受けようものなら通報窓口が3パターンも用意されている。仕事上で法律違反を強要されようものなら、自身の進退に不利益を被ることなく通報できる。社内の窓口に通報するのではなく、外の弁護士直通という窓口も用意されている。コンプライアンスに多額のお金をかけている。 勤務も職種によるが在宅勤務がしたいようにできる。ものすごーーーく久しぶりに会う人も多く、久しぶりに見かけたら「太

      • 【ぐるっとパス2024で行ってみた 1】郷さくら美術館/第11回 桜花賞展2/2

        訪れた日のギャラ―トークは、 磯部絢子(じゅんこ)氏と 今回第11回の大賞を取られた・竹内唯可(ゆいか)氏。 制作の方法や岩絵の具の使い方、絵の取材対象となった桜への思い、など、制作者本人から自身への作品への愛が感じられる和やかなトークだった。 お二人とも参加者からの質問にとても丁寧に答えられていてそれも好印象。 生き物の存在が画に動きというか奥行きを与える気がする。視線がより動くからだろうか。 水墨画のような静謐な雰囲気がいい。 静かな雰囲気の絵は大好物だが、今回、

        • 【ぐるっとパス2024で行ってみた 1】郷さくら美術館/第11回 桜花賞展1/2

          国宝だろうが、ホヤホヤの新人だろうが、分かりやい美術品が好きだ。現代日本画の専門美術館「郷さくら美術館」には以前から行きたいと思っていて、ぐるっとパスを使って初来館。 最寄駅から徒歩5分だけが好条件と言える立地環境だが、美術館内に入ってしまえばそこは静かな空間。 展示されているすべての作品が写真撮影可能なのも嬉しい。 動物を配することで、静物画が途端に風景画になる気がする。 歴代の大賞受賞作品が展示されていた。 どの絵も本当に綺麗なので調子に乗ってバンバンアップしていた

        【ぐるっとパス2024で行ってみた 2】ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション/南桂子銅版画展ー春

        • 【読書】「ほどよく忘れて生きていく」藤井英子

        • 【ぐるっとパス2024で行ってみた 1】郷さくら美術館/第11回 桜花賞展2/2

        • 【ぐるっとパス2024で行ってみた 1】郷さくら美術館/第11回 桜花賞展1/2

        マガジン

        • 読書
          10本
        • 美術展
          10本
        • コンサート
          6本

        記事

          【美術展】国宝・燕子花図屏風2/2@根津美術館

          照明を絞った展示室で、黄金の屏風六曲一双(ろっきょくいっそう)に浮かび上がる、国宝・燕子花図。 群青と緑青(ろくしょう)のみであらわされた燕子花の群生。 庭に咲く「生きている」燕子花の方がよほど、可憐でつつましい。その花をここまでの迫力で描いた意図はなんだったのだろう。 同形の反復、 パターンの繰り返し、 花や根元の並びが作り出すジグザクが、 リズミカルな印象を与える。 絵師としてだけでなく、「デザイナー」として天賦の才を持った人、尾形光琳。 毎年見に行きたくなる素晴らし

          【美術展】国宝・燕子花図屏風2/2@根津美術館

          【美術展】国宝・燕子花図屏風1/2@根津美術館

          公開している期間が短いので、混まないうちに早めに、ということでスライドレクチャーがある日を狙って来館。残念ながらお庭の燕子花はまだほとんど開花していなかった。 10時の開館とともに入館したが、平日にも関わらず人出は多め。多めといっても押し合いへし合いなほどではなく、燕子花の前にあるソファに座って落ち着いて鑑賞もできるくらい。 <印象深かった絵> 「四季草花図屏風(しきそうかずびょうぶ)」伊年(いねん)印 根津美術館蔵 左隻の「茄子」がなんとも愛らしい。 「桜芥子図襖(さ

          【美術展】国宝・燕子花図屏風1/2@根津美術館

          【美術展】1950~60年代の日本画@平塚市美術館

          フライヤーの可愛らしい画と小倉遊亀が見たくて行ってきた展覧会。学芸員によるギャラ―トークも楽しんだ。 残念ながら、絵は撮影禁止だったので、フライヤーの裏面を。 <印象深かった絵> 美人画で有名な上村松園の息子・上村松篁(しょうこう)の「鳩の庭」(1962年、国立劇場蔵)は全体のやさしい雰囲気と色の鮮やかさ、美しさが際立っていた。決して写実的ではないのに、鳩が生き生きとしている。 「春近し」山本丘人(きゅうじん)1952年 平塚市美術館蔵 色調は秋っぽいが、春を待つ風景

          【美術展】1950~60年代の日本画@平塚市美術館

          【美術展】英国キュー王立植物園 おいしいボタニカル・アート@茨城県近代美術館

          行くかどうか迷ったが、常設展示の「小川芋銭」の日本画も見てみたかったので、ドライブを楽しみつつ初の「茨城県近代美術館」。 ボタニカル・アート(植物画)は、科学と芸術が融合して生まれた絵画。 第2章 イギリスで愛された果実ー『ポモナ・ロンディネンシス』から 第3章-1 茶 ミントン、懐かしい。2015年、親会社の買収により、ミントンブランドは廃止された。 茨城県近代美術館には「小川芋銭(もせん)」も所蔵されており、それも楽しみで行ってきた。 日本の近代美術と茨城の作家

          【美術展】英国キュー王立植物園 おいしいボタニカル・アート@茨城県近代美術館

          【コンサート】オーケストラで楽しむ 映画音楽ⅩⅤ@ミューザ川崎シンフォニーホール

          坂本龍一の曲の中では「Happy End」が一番で、二番目に「Rain」が好きだ。しかしながら、これらがコンサートの演目に上がることがほとんどない。坂本龍一と言えば、「戦場のメリークリスマス」か「ラストエンペラー」。もちろんこの2曲も大好きなのだが、私がより聞きたいのは「Happy End」と「Rain」。今回このコンサートに行ったのはあわよくば、アンコールでこれら2曲の内1曲でも、と思ったから。あぁ、残念今回もなかった。 R.ロジャース/『サウンド・オブ・ミュージック』メ

          【コンサート】オーケストラで楽しむ 映画音楽ⅩⅤ@ミューザ川崎シンフォニーホール

          【美術展】皇室のみやび 第3期(前期):近世の御所を飾った品々 4/4@皇居三の丸尚蔵館

          「国宝」を楽しむのは難しい。特に「書」は何が書いてあるかほっとんど分からないし、その書が辿った遥かなる年月は紙の変色が物語っている。見て「美しさ」にハッとするのではなく、「よくぞここまで現存してくれた」の存在に思いを馳せる。 引用させて頂くのが2度目となるが、「かわかわさん」のこの記事を三の丸尚蔵館を訪れる当日に読んで、展示されている『国宝』を「判読できる!」かもしれない期待に胸がふくらんだ。 「更科日記」そのものの作者は菅原道真の5世孫にあたる菅原孝標(すがわらのたかす

          【美術展】皇室のみやび 第3期(前期):近世の御所を飾った品々 4/4@皇居三の丸尚蔵館

          【読書】「マリエ」千早茜

          この作家さんの本は5冊目。 以前読んだ「西洋菓子店プティ・フール」の自分の読書日記を読んだら 『職人物好きなんだが、めんどくさい女子は嫌い。この程度のめんどくささは許す(<なぜに上から)。』 と書いていて、今回の「マリエ」の主人公も私的にはあまり好きになれない女子だったが、読みやすく、あ、分かるわ~、と感じいるところもあった。 夫が「恋愛がしたい」と言い出し、離婚した40歳目前の主人公の離婚後のお話。「離婚って失敗なの?」「恋愛と結婚って別物?」、おとなの女性の結婚と幸福

          【読書】「マリエ」千早茜

          【美術展】皇室のみやび 第3期(前期):近世の御所を飾った品々 3/4@皇居三の丸尚蔵館

          美術館に行って、遥か昔のやんごとなき方々が使った工芸品を見る度に思うことは、 「今はひっそりガラスの内側にいるけど、本当は誰かに『触れられ』、『使われたく』ない?」 と。 婚礼の調度品のひとつ。 この小箪笥は「初公開」だそう。 鉄刀木?、ルビがふっていなかったら絶対読めなかった言葉。鉄刀木とは、『硬く重たい木材で、「鉄の刀のようだ」ということから、そのように呼ばれている。あまり、聞き慣れない木材だが、数量もあまり取れない木材で、希少価値が高く、高級家具などに使われる』。

          【美術展】皇室のみやび 第3期(前期):近世の御所を飾った品々 3/4@皇居三の丸尚蔵館

          【美術展】皇室のみやび 第3期(前期):近世の御所を飾った品々 2/4@皇居三の丸尚蔵館

          「源氏物語図屏風」1双(そう)の右隻(うせき)の題材の一つが「蜻蛉(かげろう)」だが、描かれているお姫様(女一宮(おんないちのみや))は源氏物語上、あまり登場しない。 そもそも「蜻蛉」が結構暗い内容であり、女一宮もそれほど印象に残る人物でもない。なぜにこの帖を取り上げて画にしたのか絵師に聞いてみたいわ。注文主からの依頼なのかなぁ。 この「女一宮」を垣間見ているのが光源氏の息子・薫(27歳)。 殿上人のようするに「覗き」の画にはいつもその背中に「可笑しみ」を感じてしまう。こ

          【美術展】皇室のみやび 第3期(前期):近世の御所を飾った品々 2/4@皇居三の丸尚蔵館

          【美術展】皇室のみやび 第3期(前期):近世の御所を飾った品々 1/4@皇居三の丸尚蔵館

          君の名は「紫上(むらさきのうえ)」。 花柄の赤い襲(かさね)と思われる装束(しょうぞく)姿の真ん中の小さい女の子が、源氏物語に馴染みのない方にも名前くらいは知られているであろう「紫上」。 光源氏が、恋焦がれる継母・藤壺に似た「紫上」を垣間見る。 光源氏が紫上を垣間見た時、紫上は「山吹の襲」を着ていたのだが、この画では赤。なぜに赤? 光源氏、この気に入ってしまった幼女「紫上」を自邸に引き取ってしまう。現代なら、幼女誘拐!ともいえる所業。 「光源氏」の下に描かれている4人

          【美術展】皇室のみやび 第3期(前期):近世の御所を飾った品々 1/4@皇居三の丸尚蔵館

          【美術展】美術館の春まつり@東京近代国立美術館

          桜の開花前に、桜を見に。 企画展は見ずに、「所蔵作品展 MOMATコレクション(2024.1.23–4.7)」と「美術館の春まつり(2024.3.15-4.7)」を17:00以降に入場したので300円で堪能。美術館へは午前中に行くことが多いのだが、19:00からの「春まつりナイトトーク」も楽しみの一つだった。 長瀞(埼玉県秩父郡)の光景を舞い散る桜とともに描いた作品。六曲一双(ろっきょくいっそう)の大画面がお出迎え。 こちらもお題は春を思わせる、 山吹(やまぶき)色、蓬

          【美術展】美術館の春まつり@東京近代国立美術館

          キャスティングの妙

          テレビそのものをあまり見ないのだが、おっさんずラブは楽しく見ていて、最近終わった「おっさんずラブ リターンズ」も何も考えずぼーっと軽く楽しんだ。 このドラマで初めて「三浦翔平」を見た時、全方位的に美男子な人だなぁ、と思った。ドラマの中でも「菊様」と様づけで呼ばれ、そりゃぁこれだけ美しかったら「様」も付けたくなるわ、と納得だった。 同居人の「井浦新」とこんなシーンを演じていて、 主人公たちとは別の「恋路」を描いていた。 今年は私にとって「源氏物語」year。「光る君へ」は

          キャスティングの妙