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【警戒心ちゃん】という子供心

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警戒心ちゃん

だれかやなにかに心を許すのが苦手な
「警戒心」の子供心さんは、

いつもまわりに気をつけている
慎重な心の持ち主です。

一見、ニコニコなかよくしているようでも
それは大人心の『社交さん』が対応していて、

子供心の警戒心ちゃんは、
だれのことも信じていません。

なぜなら、警戒心ちゃんの中では
みんなのことがてきに見えているからです。

そのため、
いつも警戒していないといけません。

警戒心ちゃんのまわりに
どんなにお友達がたくさんいても、
心の中ではずっとひとりぼっちです。

「私はみんなとちがうの」
と特別な自分を見せようとしたり、
「誰も私のことわかってくれない」
とあきらめのような気持ちでいるので、

いつもみんなの輪の外にいます。

「べつにそれでもいいでしょ?
私はひとりでいるのがラクなの!」

警戒心ちゃん、
それはほんとうの気持ちかな?

「う‥‥ほんとうの気持ちだもん」

本当に?
「‥‥わかんない」

本当は、みんなの輪の中に入るのが
すごくこわかったり、する?

「‥‥うん」

「なんでそんなにこわいの?」
と、お友達はふしぎに思うかもしれません。
「べつにいじめないよ?」
「いっしょに遊ぼうよ!」

でも警戒心ちゃんは、
その言葉をどうしても受け取れません。

「人に心をひらくのなんて、
こわくてしんじゃう!ぜったい無理!」

そうだね、
だからどんなにひとりになったとしても、
警戒をやめたくなかったんだね。

こわい気持ちの根っこには、
だれかに心をひらいたことで傷ついた
悲しい記憶がねむっていたりします。

警戒心ちゃんも忘れてしまっているくらい、
ずっとずっと奥深くの根っこです。

「そうかもしれない
でも、ひらくのはやっぱりまだこわいよ」

そうだね、人は思い通りにならないから、
もし心をひらいたら
また傷つくかもしれないもんね。

大事なのは、
どんな時もずっとそばにいてくれて、
傷つけてこない人もいるんだ
と安心できる存在がいること。

「そんな人、本当にいるの?」

実はね、ひとりだけいるんだよ。

それが子供心といっしょに心の中に住んでいる
大人心なんです。

「えっ?あの他人にいい顔してた社交さん?」
いやいや、あれは
自分を忘れてしまった大人心の姿なんだ。

『本当の大人心』は、
やさしくて頼りになって助けてくれる
子供心の味方なんだよ。
「うわぁ、おはなしのヒーローみたい!」

「本当の大人心といっしょだったら、
私、こわくないかも」

大人と子供、ふたりが深い信頼関係になると、
警戒心ちゃんは安全な居場所ができ
警戒をとくことができます。

「あぁ、なんだか安心したら、
外のみんなにもあいたくなっちゃった。
あれ?私、本当はいやじゃないのかな?」

もしあなたがだれも信じられなくなったり
なぜか人を苦手に感じてしまうときは、

あなたの心の中にいる
大人と子供を見つめてみると、
ほんとうの気持ちが見えてきます。

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