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フォント好きにはたまらない「本と絵画の800年」展、鑑賞レポ

練馬区立美術館で開かれている「本と絵画の800年」展に行きました。

「タイガーくん」のCMでおなじみの吉野石膏が所蔵する「貴重書」と「絵画」のコレクション、約200点が見られる展覧会です。

◆貴重書が美しい!

一階の展示室で見られるのは、中世・ルネサンスの「貴重書」。

本の形になっているもののほか、切り取られた1ページものの展示も多くありました。

《時祷書 零葉:聖セバスティアヌス》

本から取り外された1ページのことを、零葉(れいよう)というそうです。

この作品で使われているウルトラマリンは、本当にきれいでした。原料はラピスラズリ。高価なだけあって発色がすばらしく、15世紀の作品とは思えないほど鮮やかでした。

◆文字も美しい!

また、写本の文字を書く人のことは「写字生」ということも知りました。彼らが制作した手書き文字の美しいこと! 

大きさや形、色、バランス、すべてが整っていて、まさにアートです。

展示室には、写字生さん専用の机「写字台」も再現されていました。

また、3階の展示室には、印刷・出版事業誕生後の本も展示されています。これら書籍も、レイアウトや装飾、フォントなど完璧な美しさで、ほぼアート。

特に、画家カミーユ・ピサロの息子、リュシアン・ピサロが設立したエラニー・プレスの本は、フォントも版面も洗練されていて、ずっと眺めていたくなりました。

◆英語表記は…

《時祷書 ビフォリウム》

本展の作品解説に英語訳はなかったので、「英語しばりの美術鑑賞」は実施できませんでした。

ただ、ひとつ、作品名で新しいコトバを覚えました。

bifolium

ビフォリウムとはフォリオ(葉)2枚分になる大きさのシート、と書いてありました。

このbifoliumを数枚重ねて折ると「折丁」、それを束ねると「冊子」になる仕組み。以前、本作りに携わったこともあるので、出版用語も懐かしく感じました。

◆結論

貴重書やエラニー・プレスなどの書籍は、とても見ごたえがあり、良かったです。

本だけでなく、ピカソやゴッホ、シャガール、藤田嗣治、上村松園、東山魁夷など絵画も展示されていました。

細かな本の文字などをずっと見ていると目が疲れるので、ところどころステキな絵画で気分転換できたのも良かったです。

#英語がすき
#オンライン展覧会


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