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ウェビナーレポート「ルミネが取り組むCX向上施策 &出店者エンゲージメント施策とは?」【前半】

今回は、株式会社ルミネが実践するリアルなCX向上に向けての取り組みをお話しいただきました!
ブランド単体ではなく、多くの、しかも他業種の出店で成り立っているルミネ。
どのようにNPS(Net Promoter Score)を活用しているのか?そして、出店者様との関係に変化は?
x-gauge(エクスゲージ)導入から現在まで、気になるVOC活用方法をお話しいただきましたので、レポートにまとめさせていただきます!

登壇者紹介

株式会社ルミネ 本社 営業本部 営業部ショップサポートグループ
不死原 拓己 氏

2012年4月 株式会社ルミネに入社。
ルミネ北千住店に約5年、ルミネエスト新宿店に約4年勤務し、フロア担当業務、営業管理、販売促進、業態改革など館の営業施策に幅広く携わる。
2020年10月、現職の本社営業本部営業部に異動後、ショップ向けの研修やNPSの全社導入を担当。現在もNPSをはじめとしたCX向上の取り組みを推進。
 
株式会社ルミネ 本社 営業本部 営業部 ショップサポートグループ/事業推進部
石木田 彩 氏

2003年アパレル企業に入社。販売の仕事に従事し、ルミネの店舗でショップマスター(店長)として勤務。2009年ルミネが主催する接客ロールプレイングコンテスト「ルミネスト」で優勝。ルミネストゴールドに認定される。
2018年4月 株式会社ルミネに入社。
主にルミネスト認定会・アカデミーを担当。2021年から事業推進部兼務。 

株式会社エンゲージ
中村 直人

2021年にルミネがVOCをテスト導入する際に、その導入や運用設計を担当し、安定運用以降の支援も担当。
他にも、ビームスやJUNをはじめとする大手セレクトショップなど複数のアパレルブランドのトランザクションサーベイの運用支援を担当し、現在は、VOC計測ツール「x-gauge」の運用面での責任者を務める。

株式会社エンゲージについて

株式会社エンゲージは、主にNPSやVOCを活用して顧客エンゲージメントと従業員エンゲージメントの向上を支援しています。小売業中心に、
取引先は170ブランド、約7,700店舗を超えるほどになっており、最近では百貨店や商業施設とのご契約も増えてきております。
https://en-gauge.jp/

お客様のフィードバックをリアルタイムで分析・表示するx-gauge(エクスゲージ)

x-gauge(エクスゲージ)は、お客様のフィードバックをリアルタイムで分析・表示する、VOC計測ツールで、エンゲージが独自に開発したサービスです。
お客様からのフィードバック一覧にはNPSスコアが含まれ、ポジティブなフィードバックには「いいね」を付けたり、称賛コメントも入力でき、VOCを効率よく、そしてより良く活用することができるツールで、今回、お話しいただくルミネ様でも、ご利用いただいております。
https://en-gauge.jp/x-gauge

ルミネの企業理念「the Life Value Presenter お客さまの思いの先をよみ、期待の先をみたす。」

ルミネが実践しているのは、お会計ごとに評価をいただく「トランザクション調査」で、今回は、その取り組みについてルミネの不死原さまにお話しいただきました!
 
ルミネでは、一番大事にしている”企業理念”があります。
「the Life Value Presenter お客さまの思いの先をよみ、期待の先をみたす。」
この理念を、自分たちだけでなく、出店しているショップと共に考え、共感していただきながら、出店者と本部が一体となり理念実現に向けて日々活動しています。
特に2020年以降、コロナの影響やデジタルの発展もあり、顧客志向の戦略にも注力しており、その中で、顧客起点によるCX向上のために、下記の4つを掲げています。

①顧客理解の徹底

マーケットが変化し、顧客の来店動機や買い物の仕方も変わってきました。ルミネは駅に隣接したビルで営業しておりますが、トラフィックの多い環境であっても、より多くのファンを作っていくことが重要で、そのためには顧客理解の徹底が重要だと考えています。

②リアル店舗の価値向上

コロナも落ち着いてきて 店舗に来て楽しく買い物をしてくださるお客さまのお顔をまた見ることができています。そんなリアル店舗の価値を大事にし、お客さまに楽しいショッピング体験を提供していきます。

③OMO施策推進

リアルを起点としつつも、お客さまとのデジタルの接点を強化し、来店前と来店後のつながりを深めオンラインとオフラインを結びつける戦略を推進しています。

④ショップスタッフが働きやすい環境づくり

ショップスタッフは戦略の実行に不可欠で大事な存在です。そのため、ショップスタッフに働きやすい環境を提供することが必要だと考えています。

ルミネでは「ルミネカード(クレジットカード)」や「ONE LUMINE(ネイティブアプリ)」を活用して、ロイヤルティの高い顧客を獲得しています。顧客データの収集を通じて理解を深め、顧客に合ったサービスを提供しています。また、定量的なデータのみでなく、マーケット調査や、ショップの店頭でのコミュニケーションを何より大切にし、情報を収集し、理解を深めています。

理念を踏まえたルミネの実際の取り組み例

・ルミネカードWEB決済サービス

8月より、ルミネのアプリ「ONE LUMINE」から利用できる「ルミネカードWEB決済サービス」を導入しました。お客さまは、対象店舗に直接来店をせずに、自宅でWEB決済を行うことができ、ルミネカードの割引を受けることができます。例えば、仕事で時間がなく来店ができなかったり、店頭で購入するのを迷ったりした場合、自宅からでも商品を購入することができます。このサービスは、オンラインとオフラインの接点を強化し、お客さまにもとてもご満足いただいており、推進を進めています。
 

・ショップスタッフと顧客感動を目指す「ルミネスト認定会」

顧客感動を作り、体験価値を高めるためには、やはりショップスタッフの役割が非常に重要となります。2005年から、接客のロールプレイングの審査を通して優秀なスタッフを「ルミネスト」として認定する取り組みを続けています。毎年開催されるルミネスト認定会では、数多くのショップスタッフがルミネストを目指して参加し、切磋琢磨しています。
 

・ショップスタッフ向けの研修

出店しているショップ向けに、教育・研修の場を提供しており、館内のショップマスター向けにも研修を行っています。ブランドやショップの垣根を越えて情報を共有し、営業のサポートをしています。 

このような取り組みを通じて、ルミネは顧客起点でCXを高める戦略を推進しています。
「人の力で感動をつくっていく」ということについても大切に考え、ショップスタッフと共に取り組みを進めています。 

x-gauge(エクスゲージ)の活用

ルミネでは「お買い物アンケート」という名称で、x-gauge(エクスゲージ)を活用し、お客さまよりフィードバックをいただいています。NPSの導入などの取り組みを通じて、お客さまとの深い関係を築いていけるよう活動しています。

・アンケートの導入背景

お客さまに対してルミネカードやイベントの実施など、ルミネが直接価値を提供していることもありますが、一番大切なのは、ショップと一緒にお客さまに提供している体験価値だと考えています。そのため、お買い物アンケートを導入し、NPSを通じてCX・顧客満足度を向上させる取り組みを行っています。
アンケートは、ルミネ全体に対しての評価ではなく、各ルミネ内のショップ単位での購買体験を評価いただいております。対象はルミネカード(一部他社クレジットカード)とアプリを連携してご利用いただいたお客さまです。ルミネとショップは、パートナーシップを組み、一緒につくってきたお客さまのフィードバックに耳を傾け、現場の改善やVOCの向上に取り組んでいます。

・キーパーソンとなるフロアマスターの存在

ルミネはキーパーソンとして、各館、各フロアにフロアマスターを配置しています。フロアマスターはショップやフロアの担当者であり、店長や他のスタッフと連携し、出店ショップのサポートを行う立ち位置です。NPSアンケートの結果を中心に、お客さまの声をショップと一緒に確認・共感し、よりよい価値提供のために共に努力する存在です。
 

・x-gauge(エクスゲージ)による調査手法

ルミネでは、お客さまが各ショップでの購入体験に関するVOCを収集しています。対象はルミネカードまたは他社クレジットカードをルミネのアプリ「ONE LUMINE」に連携しているお客さまです。お客さまがアプリに連携したクレジットカードを利用してショップで商品を購入すると、翌日にアンケート回答ボタンがアプリ上に現れ、1ヶ月間回答可能な状態になります。
アンケート参加に対するお礼として、アプリ上のマイルをプレゼントしています。

・リアルタイムなフィードバックとコミュニケーション

アンケート回答はリアルタイムでショップの責任者やフロアマスターに送信されるので、回答内容に対するフィードバックがすぐに行われ、お客さまの声を使用しスタッフに対して認知称賛をし、コミュニケーションをとる役割も果たしています。
各ショップは自分の店に関するアンケート結果を閲覧でき、ルミネ社員は全てのショップへの回答を閲覧できるようになっています。

・NPSフィードバックコメントのキーワード分析

NPSに関して、フィードバックコメントのキーワードと推奨度の関連を分析しています。
NPSの中立者のお客さまのコメントを分析していくと「安い」「価格」「商品」「便利」といった機能的な価値に関連したキーワードが多く、推奨者となっているお客さまは、「接客」「店員」「説明」「アドバイス」「親切な対応」「提案」など、ショップスタッフを介したサービスに関連するコメントを多く入れていくださっています。
やはり、ショップスタッフの良いアクションや丁寧な対応が、高い推奨度につながっているのだと実感しています。
 そして、直近1年間の実績として、NPSの平均スコアは16.4(すべての業種・ショップの平均)であり、導入当初と比較すると着実に向上しています。回答数は非常に多く年間で83万件を超えるお声をいただいており、お客さまの声を活用してサービスの改善を進めることができています。
 

x-gauge はこちら

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