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伊井直行『岩崎彌太郎─「会社」の創造』『会社員とは何者か? ─会社員小説をめぐって』(毎日読書メモ(332)

伊井直行『岩崎彌太郎─「会社」の創造』(講談社現代新書)を読んだのが2010年。この年の大河ドラマが福山雅治主演の『龍馬伝』で、岩崎彌太郎が回想的に龍馬のことを語る、という形式だったので、彌太郎役の香川照之も出ずっぱり(だったと思う、殆ど見てないが)。史実的には土佐にいた若い頃には彌太郎と龍馬は知り合いではなかったようだが、まぁ大河ドラマなので。
(ちなみに、昨年の大河ドラマ『青天を衝け』では、彌太郎役は中村芝翫だった)
せっかくなので(?)、伊井直行による会社員小説の定義を余すところなく伝える『会社員とは何者か? ─会社員小説をめぐって』(講談社)の感想もあわせてあげておく。

『岩崎彌太郎─「会社」の創造』:大好きな伊井さんが書いた、小説でない本、ってことで、慌てて読みました。大河は殆ど見てませんが、写真の彌太郎さんと香川さんは似ていますね。坂本死後の幕末~明治初期の混沌を、戦いとは違う形でサバイブして、定義的には会社じゃない、と言われても、武士社会と違う基準で働く人たちの集まりを率いて、一定の成果を上げた人の話。どんな風に働いていたんだろう。どうやったら会社が出来ていくんだろう、伊井さんはずっと会社とは何か、って考えて小説を書いてきたが、それの大きな支流となっている本。(2010年10月の読書メモ)

『会社員とは何者か? ─会社員小説をめぐって』:作者がデビュー以来一貫して追求して来た「会社員小説」について、他の作家の作品を通じて論評する本。会社員というある意味ひどく日常的なテーマを扱いつつ、小説はこんなにも自由に展開出来るのか、と大変面白く読む。小説の新作も読みたいぞ!(2012年6月の読書メモ)

既にnoteにあげてある、伊井直行の作品 濁った激流にかかる橋 青猫家族輾転録 尻尾と心臓 の中では、『尻尾と心臓』が会社員小説の王道。

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