毎日読書メモ(60)『52ヘルツのクジラたち』(町田そのこ)
ようやく、今年の本屋大賞受賞作、町田そのこ『52ヘルツのクジラたち』(中央公論新社)を読んだ。今読み終わったばかりなので、取り急ぎ、とりとめのない感想だけ。
重く、苦しい、人間関係の物語。
そして機能不全の家族の物語。家族は人間の生まれて最初に取り巻かれる人間関係の基本だが、ある意味機能不全でない家族なんてないのかもしれない。すべての構成員が、他の構成員に対して満足していて、幸せに暮らしている、なんてそんな家族はきっとない。
その中でも極端にいびつで、読んでいて胸がぞわぞわするような家族の物語。それが、3年間続いたよね、本屋大賞。今年の『52ヘルツのクジラたち』も、昨年の凪良ゆう『流浪の月』も、ちょっとトーンは違うけれど一昨年の瀬尾まいこ『そして、バトンは渡された』も、みんな、機能不全の家族の物語だったではないか。本屋さんたちは、そんなに、家族関係に思い悩んだり、それを打開するための道筋を、本に、物語に求めているのか。
とりあえず一晩寝て、もう少し考えてみる。
物語として、ぐっと心を掴むものがあり、最後に救いがあり、心にほんのり灯がともる部分もあるが、そのための前提が、こんなにも苦しいのが、現代という時代なんだろうか。
とりあえず明日に続く。
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