トランプ氏は変わっていく

 今まで、『エニアグラムを通してトランプ大統領を見る』や『トランプ大統領がタイプ8という前提で話します』を書いてきたのですが、トランプ氏はタイプ8だという根拠がまた増えたので、先にそれらをご紹介した後、本論に入りたいと想います。

 『日本人が知らない「トランプ支持者」の正体 (2016/11/11 脇坂 あゆみ 東洋経済オンライン)』では、テレビのリアリティーショーの『アプレンティス』においてのトランプ氏の采配が紹介されています。

マイノリティのなかに1人、ものすごく性格の悪い黒人女性がいた。有能だが勝つためには手段を選ばない強烈な個性だった。チームワークも何もなく、視聴者も含めて誰もが、次に「お前はクビだ」の決まり文句で解雇されるのは彼女だ、と思いながら眺めていた悪役だった。だがなかなか解雇されなかった。

選抜が進んだ第8話でのこと。ボードルーム(負けたチームがトランプタワーの役員会議室に呼ばれ、うち1人が解雇される)で、彼女が保身のためにチームのメンバーの1人に対して罵詈雑言の限りを尽くし、目も当てられない泥仕合になったときのことだ。解雇されたのは、その性格の悪い女性ではなく、自分を守るために戦わず、節度を守ってしまった相手の女性だったのだ。トランプは、嫌われ者の女性は人としてどうかと思うと戒めたうえで、それより悪いのは攻撃を受けてもやりかえさず、負けを受け入れたもう1人の女性と断じたのだ。

彼にとって人種や性別などは些末な判断材料であり、ただ勝つことへの執念があるだけなのである。

それは共和党の予備選での容赦ない他候補への攻撃でもあきらかであり、本選の討論会で「互いについて尊敬する点」を訊かれてクリントンが決してあきらめない戦士であることだと述べたことからもうかがわれる。


 『「トランプ氏はスシを食べず酒も飲まない」(2016/11/16 大竹 剛 日経ビジネスオンライン)

一般的にトランプタワーのテナントになるには保証金がかなりかかるので、躊躇しました。それでも、トランプ氏は居住者のためにも、何としてでも話をまとめようと考えていたようです。トップダウンで保証金を大幅に引き下げてくれたので、私も出店を決めました。

目標を定めたら、相手が望む条件は何かを即座に理解し、トップダウンで直接交渉相手と対話をしながら、話をまとめていく。一度、近い関係を築くと、相手をまるで家族のように大切にし、ユーモアもある。

ビジネスの交渉を通して感じたことは、トランプ氏は、過去のしきたりなど一切気にしないということです。アンフェアなことには、はっきりとノーと言う。逆に言えば、フェアで、お互いにウィン-ウィンの関係を築けるのなら、ドラスティックな変化を厭わない。

 これらが、トランプ氏がタイプ8に見える根拠の追加項目です。
 タイプ8については、明日、ダウンタウンの浜ちゃんについて書くつもりなので、あわせて見ていただければ、理解も深まると思います。「相手をまるで家族のように大切」の部分を書くつもりです。

 ただ、私はトランプ氏タイプ8説に若干違和感があるんですよね。「自分でタイプ8と言っておいて」と言われそうですが、トランプ氏を見ていると、オーバーなんですよねタイプ8にしてみると。 これはアメリカ文化の影響なのか?それとも大衆を相手に仕事をしてきたからなのか?いずれにせよタイプ8だとしたら無理をしているように思えます。

 トランプ氏は政治未経験でいきなりアメリカ合衆国の大統領になりました。タイプ8だとすると、私は今、同じタイプ8の小沢一郎さんを思い出しながらトランプ氏を見ています。なぜかというと、今のトランプ氏は私が想定していたほどタイプ8な感じが出ていないからです。おとなしいです。少し距離をとっている感じがします。タイプ8にある自信を感じないです。この状況を見て私は同じタイプの小沢一郎さんの話を思い出していました。
 昔の小沢一郎さんは人を見る目に自信が無かったそうです。自らそういうことも口に出していたようです。ですが、若手を育てている内に、人を見る目ができてきて、自信を付け、一家言を持つほどになったそうです。
 トランプ氏も、始めのうちは自信が無い部分もあるでしょう。経営者としてのキャリアはあるでしょうが、政治家としての経験はゼロなのですから。そういった自信の無い部分は人に頼りながら進めると思います。ですが、その内、トランプ氏にも自信がつき始めます。そうなると本来の攻撃的な性格が全面に出てくるでしょう。トランプ氏が大統領を四年務めるのであれば、任期途中からのトランプ氏は変わって見えてくると予想しています。(そうでなければ、側近に頼りっぱなしの人間になっていることでしょう。)
 トランプ氏が、任期途中で変わってしまった場合、日本はまたも「聞いてないよ。(想定外)」となるかも知れません。


 タイプ6って思考センターの否定点だから「考えない」んですよね。だから想定外になる。今回のトランプ大統領誕生で、太いパイプを事前に作って無かったのも、それで慌てたのも、タイプ6らしい動きです。
 「トランプ氏がTPPを受け入れない場合は、日本がアジア圏でリーダーシップを発揮するチャンスだ。」と外国の誰かが言っていましたが、それは国民性を考慮していない無茶な発言です。そんなこと日本人には考えられないんですよ。それこそ想定外というやつです。
 まあ、相田みつを風に「想定外だってあるさ、タイプ6だもの。」ってことで我々は生きていきましょうか。

2016/11/24追記
 「トランプ氏がTPPを受け入れない場合は、日本がアジア圏でリーダーシップを発揮するチャンスだ。」と誰が言ったか思い出したので追記します。
 英エコノミスト誌元編集長のビル・エモット氏が、

安倍首相は「アジア域内の経済連携協定を我々で作ろう」とTPPに代わるアジア経済連携を(韓国、シンガポール、インドネシア、マレーシア、豪州などに)呼びかけ主導権を取ることもできるはずです。

 と発言していました。本当に国民性と首相の性格タイプ(どちらもタイプ6)を考慮していない無茶な発言です。
 ちなみに、現在、豪州がTPPを米国抜きで発効しようと動いています。

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