国民性とレベルの関係(後 有料)

『性格タイプ 増補 改訂版』リソ&ハドソン 2000年6月30日 春秋社
を元に国民性とレベルの関係を考えてみます。

述べたいことは、以下の3点です。

・レベル1は、その国の国民性の届かぬ理想形。ただし、他の国からは、分かり辛く見えにくい。
・レベル3は、他国がその国の国民性を評価する(ほめる)ときに出てくる言葉と概ね一致する。
・レベル5やレベル6は、他国から見たその国の国民性の問題点と概ね一致する。


ここで少し説明を入れます。
リソとハドソンは、エニアグラムの各タイプにおいてレベルによって見え方が違うと言っています。
このレベルは9段階あり、レベル1が最も高い状態です。
「健全な状態」がレベル1からレベル3まで、「通常の状態」がレベル4からレベル6まで、「不健全な状態」がレベル7からレベル9までとなっています。

『性格タイプ 増補 改訂版』から、
レベルのキーワードをいくつかメモしてみました。
そしてここから それらを国民性に当てはめてみます。

『日本』タイプ6

レベル1「勇敢な」「恐れを知らない」「独立的」
レベル3「勤勉」「平等主義」「整然とした」
レベル5「優柔不断」「消極的」

レベル1は、日本人の理想形『日本男児』あたりでしょうか。

※ 『レベル1もしくは美質は、その国の届かぬ理想形

レベル3は、他国が日本を評価するとき(褒めるとき)に出てくる言葉、「日本人は勤勉だ」なんてよく出てきます。

レベル5は、他国から、うんざりした目で見られている面。「優柔不断」なんてまさに日本の欠点として見られています。
「日本人は、NATO(ノットアクション、トークオンリー)だ」なんて言われていますからね。口ばっかりで決断力が無い。なんて。

※ 『「PDCAが日本の病の原因だ」を読んでの感想 ーーー 「日本企業は、"決められない病"にかかってる」と言われても
エストニアで「日本人お断り」のスタートアップが増えているとのこと

『アメリカ』タイプ3

レベル1「高く評価される」「善意に満ちた」「愛情のこもった」
レベル3「結果を出す」「よく動く」「意気盛ん」「目標志向」
レベル5「人間味がない」
レベル6「自分を売り込む」「業務誇張」「自愛的」「心中の貧困」

レベル1の「高く評価される」がアメリカの届かぬ理想形なのでしょう。これはもちろん全世界から「高く評価される」ことがアメリカの理想なのです。『超大国アメリカ』といったところでしょうか。
それと、「善意に満ちた」「愛情のこもった」で思い出したのがアメリカのテレビドラマ『大草原の小さな家』です。あれがアメリカのひとつの理想形なのだと思います。

レベル3は、他国がアメリカを評価して言う言葉。「結果を出す」「よく動く」「意気盛ん」「目標志向」。アメリカのイメージとしてよく出てくる言葉が並んでいます。

レベル5とレベル6が、他国がアメリカにうんざりする部分。
ただし、日本人からはアメリカ人にうんざりする話はあまり出てきません。
これは、タイプ6日本の依存先がアメリカになっていること(タイプ6は依存的です)。
また、タイプ3アメリカはタイプ6日本の『分裂の方向』なので、好意的に見られている面があるからでしょう。

※ 『【エニアグラム用語】統合と分裂
エニアグラムから見た、あなたにとって、住み易い国、住み難い国の話

『ドイツ』タイプ1

レベル1「寛容な」「親切、純粋」「現実的そのもの」「希望に満ちた」
レベル3「自己規律がある」「公平、公正」「責任を取る」「倫理的」「公明正大」「果断」
レベル5「融通がきかない」
レベル6「誤りを指摘する」「道を説く」

レベル3の「責任を取る」なんて、ユダヤ人への反省を連想させます。

『フランス』タイプ4

レベル1「生きる価値を高める」「真に独自の」「新しい活力を与える」
レベル3「表現力豊か」「雄弁、ウィット豊か」「ほんもの」
レベル5「気まぐれ、よそよそしい」「気取った/嫌味な」「自意識過剰」「無関心」

※ 『タイプ4の国、タイプ1の国 ー フランスとドイツ、「統合と分裂」の関係

『イギリス』タイプ5

レベル1「知的な深みがある」「思いやりのある」「畏怖の念に満ちた」
レベル3「博識」「革新的」「偏見のない」
レベル5「思弁的」
レベル6「挑発的」

レベル1は、イギリス紳士の理想形でしょうか。
レベル3の「革新的」は、イギリスの産業革命を思い起こさせます。
一方でレベル6の「挑発的」は、
ブレグジットを推進したファラージ氏の欧州議会で別れの演説なんかが当てはまりそうです。



さて、
ここから先は今は見て欲しく無いので、有料とします。
だんだんコメントが少なくなってきていることから分かる通り、あまり大したことは書いていません。ので、無理して見ずともよいと思います。


後ろの部分を無視して先に今回の文章を書いての感想を言うのなら、
「日本人は他国にあまり関心が無いのでは?」
となりました。

「アメリカの素晴らしさ」を語る人は多いですし、その素晴らしさは日本人に共有されていると思います。その一方で、アメリカの問題点はとくに話されていません。
アメリカの国民性もそこまで理解されていないように思えます。だから過去にあった日米貿易摩擦においてのアメリカ人の怒りが日本人には理解できない。できていない人が多い。
これは他国も同様です。部分的にしか理解されていないように思うのです。ですので、共通認識を探してレベルと対応させるのが意外と難しかったです。

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