見出し画像

ベリーダンスを踊るための筋肉〜肩〜

どうも、艶(えん)です。
ベリーダンスのインストラクターをしております。

ベリーダンスを踊る為の身体づくり、大事な筋肉達の解し方やらのまとめ、第2弾です。
こちらも、赤文字などのカラーでご覧になりたいなどブログのほうがみやすければそちらをどうぞ。

自分が練習をしていて、ある動きをやっている時、どの筋肉を使ってるのか?
誰かに説明しようとした時に、この筋肉、名前なんて言うんだ?
など、ふと疑問に思った時などにご覧頂けたら幸いです。

筋肉をメインに、人間の身体についてさらっと見て参ります。

体幹部分は割と筋トレ!として自分でしっかり育てていくこともある程度必要ですが、要所要所の筋肉は、踊りの練習をしていれば、自然に筋肉は育っていきます。
しかも、ちゃんと踊る為に必要な筋肉が

-肩甲骨を動かす筋肉

いよいよ各筋肉を見ていきます。

肩甲骨を上下に動かす筋肉:
上げる→僧帽筋(上部)、肩甲挙筋、大菱形筋、小菱形筋
下げる→僧帽筋(下部)、小胸筋

肩甲骨を開いたり(外転)、閉じたり(内転)させる筋肉:
外転→前鋸筋、小胸筋
内転→僧帽筋(中部)、大菱形筋、小菱形筋

肩甲骨を回転させる筋肉:
上方回旋(内回り)→僧帽筋、前鋸筋
下方回旋(外回り)→大菱形筋、小菱形筋、小胸筋

ざっと見ただけでも、僧帽筋が全方向に活躍しているのがわかりますね。
一応書きましたが、筋肉の名前を覚えなくても、どんな動きをしたいか→伸ばしたい箇所と反対側の筋肉たちが縮むんだなくらいの認識ができればgoodです。

さて、日常の生活の中で、肘を肩より上に持ってくる回数はどのくらいでしょうか?
ちょっと考えてみると、意外とない…もしかして0回だったりする日もあるかもしれません。
上を見上げる事も同じく、少なくなっているような気がします。今はむしろ、下を向いてスマホ三昧な光景がほとんどですしね。

肩甲骨周りの筋肉は、肩関節とも繋がって、基本の姿勢(肩を下げておく)、基本のアームの動き(美しく動かす、しなやかさや強さを表現する)を支える大事な筋肉です。

これらの筋肉たちが、ぎゅっと縮んだままだったり伸びきったままだったり筋肉が緊張した状態になり、本来の位置とは違う位置で固定されてしまう状態が続くと、"凝り"となってしまうわけです。

例えばデスクに座ってPC作業の図。
机の奥側にPCがあればあるほど、両腕ともに前に出している状態です。
これは、より腕を前に出せるように、背中側が伸びて(肩甲骨部分を開いて)、前面では鎖骨や胸周辺の筋肉が縮まっています。

筋肉は、引っ張られると元に戻ろうとする、という働きが起こりますが、それも叶わずずっとその状態を保たれると、ずっと緊張し続けて疲労物質が溜まり、もう縮んだり伸びたりもできなくなり固まってきます。
そうして、血管を圧迫したりと悪循環で慢性の痛みとなっていきます。

頑張りきって何も感じなくなっている筋肉には、まずなにより温めてあげる事が優先です。
それから、ストレッチを試してみてくださいね。


ベリーダンスの動きとしては

’チェストアップ’
背中の上部分全体、肩甲骨を下にぎゅっと下げるようにして(身体の反対側の筋肉を収縮させる事で)胸が上に向かって上がる

’アンジュレーション’
これもスタート部分が、背中の上部分を寄せて収縮させてチェストを前に出し、さらにアップの位置から腹筋を使って下していく動き

’スネークアーム’/’アームアンジュレーション’
腕を身体の側面で上げる動きは、腕が背中から生えてると思って(筋肉的には本当にそう繋がっているので)、背中の筋肉を意識して、肩甲骨を動かすのを意識しながら行うと、ペラペラした腕にならないようになります。


→ストレッチ

四十肩、五十肩なんて聞いたことあるかと思います。
先述したように、肩より上の位置に腕(肘)を上げることなく、日常生活を送れてしまう昨今。必要ないんだなーと脳に判断された筋肉は使われなくなっていきます。
そしていざ、高い所に仕舞い込んだものを出す必要があって腕を上げたら…イタイ!なんて事に。

石灰化、骨化、なんて怖い事態も。
こちらでは筋肉の緊張の種類について詳しく解説してくださっています↓

頭を支える土台の身体の一番上の方にある筋肉達、これが固まっていると、頭痛などの原因にもなります。
必要ない筋肉などきっとなく持って生まれたわけなので、しっかり使っていってあげましょう。


↑現在の肩甲骨の状態チェックから、座ってできる(仕事中にも!)ストレッチの紹介などが満載です。
この、状態チェックを行う事でウォーミングアップにもなるので、是非そこからお試しください。

↑肩甲骨と腕の関係などイラストがわかりやすいです♡

まずは肩甲骨を動かしてみる。
・手の指を身体の前で組んで、背中をぐーっとひっぱる。(胸側が縮む)
・身体の後ろで手を組んで、背中をギューっと縮める。(胸が開く)
 →四つんばいになって行うのも効果的

アンジュレーションの練習も兼ねてほぐす動きをレッスンではやっていますので、是非体験しにいらしてくださいね。

→筋トレ

とにかく動かしていくのがまず大事です。
腕を上に上げた状態で、肩を下げる(僧帽筋、小胸筋)。
基本姿勢を常に意識して何度も行い、身体に覚えさせます。
肩を上げたり下げたりを繰り返してみます。

四つん這いの状態で、負荷を意識して、肩甲骨を動かしていきます。
床に向かって、深いアンジュレーションをする動き。
主に僧帽筋や、背中を鍛える!みたいな筋トレは、姿勢にも影響するので是非行ってみてください。

-肩関節を動かす筋肉

肩関節の動きには、土台に肩甲骨の動きが不可欠ですので、合わせて鍛えて行きましょう。
肩関節は球関節なので、三次元のあらゆる方向に動かせます。
可動域が大きい代わりに、脱臼などが起こりやすい箇所でもあるので、支える筋肉たちを大事に育てていきたいですね。

肩関節を屈曲と進展させる筋肉:体側に伸ばした腕を前後にふる動き
屈曲(腕を前方に動かす)→三角筋(前部)、大胸筋(上部)、上腕二頭筋、前鋸筋
進展(腕を後方に動かす)→広背筋、大円筋、三角筋(後部)、上腕三頭筋(長頭)

肩関節を外転、内転させる筋肉:体側に伸ばした腕を左右にふる動き
外転(腕を体の横外側方向に動かす)→三角筋(中部)、棘上筋、前鋸筋、僧帽筋
内転(腕を体の横内側方向に動かす)→広背筋、大胸筋(下部)、大円筋、上腕三頭筋(長頭)

肩関節を回転させる筋肉:肩と同じ高さまで肘を上げ、上腕を回転軸にして拳が外(後)側と内(前)側に動かす
外旋(拳を後方へ動かす)→棘下筋、小円筋、三角筋(後部)
内旋(拳を前方へ動かす)→肩甲下筋、大胸筋、広背筋、大円筋

肩関節を水平外転、内転させる筋肉:前方にまっすぐ伸ばした腕を、床と水平に前後に動かす
水平外転(腕を後ろから前方に動かす)→広背筋、三角筋、大円筋
水平内転(腕を前から後方に動かす)→大胸筋、三角筋(前部)、上腕二頭筋

ベリーダンスの動きとしては

'ショルダーロール'’
肩部分を、前後(逆側の筋肉)上下(動かすのと同じ側の筋肉)と動かしながら回していきます

'ショルダーアタック(シミー)'
肩部分を、前後(逆側の筋肉をぎゅっと収縮させる=アクセントがつく)に動かすのを早くしていく

'チェストスライド'
体幹全体を横へ押し出すのに、脇の下部分と小胸筋という胸の筋肉を使っていきます

肩部分を様々な方向に動かす動き、アームの姿勢や腕の上げ下げにも関与してきます。
どちらにしても、肩が正常に身体の横にある、という位置から、前に出したりするわけなのですが。
人のことは言えないけれど、PC作業を毎日行っている方などは、そもそも肩の位置が前に入り込んでしまいがち。

肩関節と言っても、肩っていう骨があるわけでもなく、首の下にすぐみえる鎖骨と、それに繋がる背中の肩甲骨と、肘までの腕の骨(上腕骨)が作る部分、腕の一番上の部分の話です。

参考サイト様↓
図解されていてとてもとてもわかりやすいです!

肩関節の構造


→ストレッチ

三角筋(肩を覆っている筋)のストレッチ←肩を色々な方向に動かす(ほぼ全ての動きに関与)

広背筋(背中を半分以上覆って、上腕に繋がる筋肉)のストレッチ←前方から手前に、上から自分の方へ、など自分の身体に引き寄せる様々な動きの際に使われる

ローテーターカフ(肩甲骨と上腕骨を繋ぐ筋肉達)のストレッチ←腕を捻るのに大事な筋肉達(ATSでものすごく重要なアームの捻じれなど!)

大胸筋(前面の胸部分)のストレッチ←身体の内側に腕を動かす事で、腕を押し出す力などを入れられる

負荷が足りない!という方は、ペットボトルやダンベルなどをうまく使って、気持ちのいいところまで伸ばしていくと効果がわかりやすいです。
基本は、息を吐きながら15秒~30秒ほど伸ばした位置のまま、そしてゆっくり吸いながら元の位置に戻していきます。

→筋トレ

ダンベルやチューブなどの道具を使って、負荷をかけて肩を動かす、というのが一般的です。
あとは、腕立て伏せなんかも有名な筋トレ。

でも、肩は痛めやすい部位でもあるので、鍛えるつもりが痛めてしまったら本末転倒。
その部分の筋肉をしっかり意識しながら行う事で、実際の負荷をかけなくてもトレーニングはできます。
’負荷がかかってるイメージ’とか、’抵抗を感じるイメージ’が大事です(*^_^*)

腕立てやダンベルもイイですが、ここはベリーダンサーらしく、ショルダーロール(様々な方向に)、アームアンジュレーション(スネークアーム)などのアームの動きを負荷を意識して行う事で、育てていけます。

基本的には、肩甲骨の筋トレをしていけば、一緒に育ってもいく個所なので、合わせて行ってみてください。

-首(頸部)を動かす筋肉

首周りの筋肉は、細かい筋肉たちが複合して動いています。
頸椎関節という背骨の上部から頭部に繋がる筋肉、各背骨同士も様々な筋肉で繋がっています。

頸部を屈曲、伸展させる筋肉:首を前方と後方に倒す動き
屈曲(前方に倒す)→傾斜角筋群、舌骨下筋群、椎前筋(群)
進展(後方に倒す)→板状筋群、半棘筋群、脊柱起立筋、後頭下筋(群)

頸部を側屈させる筋肉:首を左右(横方向)扇形に倒す動き
胸鎖乳突筋、斜角筋群、脊柱起立筋、板状筋群

頸部を回転させる動き:頚椎を回転軸にして左右に回す(向く)動き
胸鎖乳突筋、板状筋群、脊柱起立筋、回旋筋

いやぁもうなんか、そんな筋肉あるんだ〜って感じの難しい名前の筋肉たちの名前がずらりですね。

ベリーダンスの動きとしては

'ヘッドスライド'
たくさんの方に苦手だと言われます。
首の後ろ側を使って左右に動かす動きです。

これも、首の筋肉以前に、肩周りと肩甲骨周りの筋肉も影響がありますが、頭と首を繋ぐ筋肉は、よくもこれだけ…!!と思わず言葉が漏れるほどたくさんあります。

深層のインナーマッスルも、表層の筋も、あらゆる方向に3次元で首を動かすことができるのは、これらの筋肉達のおかげ。
基本姿勢で紹介した脊柱起立筋群の上の方、頸椎周りの、主に頭を支えたりする筋肉達や斜角筋達…等々。

もう個々の名前を憶えて使い分けるとかいうレベルで分かれていないので、首回り全体的にストレッチしたり、筋トレしたりと全体を大事にしたほうがよさそうです。

上半身という項目の中で最後にご紹介したのも、肩周り、肩甲骨周りを解して、温まった状態で行ってほしいと思いまして。
順番に上から、とか最初からやりたい気持ちもわかりますが、首は肩より後に是非。
デリケートな部分でもありますし、繋がっているので、まずは上記二か所のストレッチなどを行って下さいね。

→ストレッチ

まずは、ゆっくりと首を動かします。
「左右に旋回」
「前後」
「左右扇形に倒す」
これらの動きをゆっくりと繰り返してください。
このマガジンの最初にご紹介しているストレッチアプリの肩首用の項目に全てあります。

次に、前後左右斜め方向に伸ばす。
・首の後側…下を向き、頭の後ろで手を組む(力は込めずに手の重さで自然に伸ばす)
・首の左側…右手を頭の上を通って頭の左側に置き、頭を右側へ倒す(左肩を下げるようにするとさらに効果あり)→頭を右斜め前にも倒す
・首の右側…左手を頭の上を通って頭の右側に置き、頭を左側へ倒す(右肩を下げるようにするとさらに効果あり)→頭を左斜め前にも倒す
・首の前側…上を向き、両手を合掌して合わせた中指で顎を上へ押し上げる
・左の首の前側…左鎖骨のすぐ下あたりに手を置いて、左斜め上に口を突き出すように顔を傾ける
・右の首の前側…右鎖骨のすぐ下あたりに手を置いて、右斜め上に口を突き出すように顔を傾ける

→筋トレ

首の前後左右で、抵抗運動
・首の後側…手を後頭部に置き頭を前へ押す。これに抵抗して(手を押し返すように)頭を後ろに倒すように力を入れる
・首の左側…左手を頭の左側のこめかみ辺りに置き頭を右側へ押す。これに抵抗して頭を左側に押し返す
・首の右側…右手を頭の右側のこめかみ辺りに置き頭を左側へ押す。これに抵抗して頭を右側に押し返す
・首の前側…手を額に置き頭を後ろへ押す。これに抵抗して頭を前に倒すように力を入れる

ジェットコースターや車でも急カーブなどの遠心力に負けて、首をまっすぐ保ってられないという方は、無理のない範囲で、少しずつ鍛えて行きましょう。

首、肩、胸、背中の上部分、周辺の筋肉達でした。
次は、脚編です!

参考書籍:

「プロが教える 筋肉のしくみ・はたらきパーフェクト事典」

https://www.amazon.co.jp/dp/product/4816353267

色々なアプリや本に触れてきましたが、こと筋肉について知りたい時にはこちらが一番わかりやすかったです。
ひたすらどの筋肉がどこからどこに繋がってついているか、どういう働きをしているかが図解されています。オススメ!


身体に無理なく、健康で踊り続ける為に。

Love&eNjoy
~艶~

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?