今の仕事をやり始めたきっかけはお金じゃなかったと思う
バイオ研究者をやってます、えむじゅーです。
31歳になりましたが、50代くらいの世代との考え方にギャップを感じており、色々と思うことを書きたいと思ってます。
今回は、完全に自分が思ってることのメモ書き程度の記事なので、誰向けに書いたとかではないです。
でも研究者ではない若い世代でもわかってくれるんじゃないかとは思ってる
今回言いたいことは、
「結局世の中お金を稼げたほうがいいけど、若い世代には伝わらない」
ということ。
先に言っておくと、まず世の中はお金だと思います。
お金がないと自分のやりたい活動が続けられない。
これは間違いないことだと思います。
でも今の仕事を始めたきっかけは、お金を稼ぐことじゃなかったはず。
研究を何年かやっていくなかで、
「研究をする」という目的が
「お金を稼ぐ」という目的に置き換わっていってるなーと感じてしまい、
ちょっと寂しいのです。
まず私が研究をするモチベーションって何だったかなーと考えてみます。
私が研究を始めたのは、20歳で大学の研究室に配属されてから。
研究の面白さにとりつかれてしまった私は、同期みんなが就活してるなか、研究者になりたいと思い、博士課程に進むことにしました。
モチベーションは「研究を続けたい」というだけ。
それだけで研究者になることを決めてしまいました。
研究室の学生はお金の心配をしなくてよかった
大学の学部生。つまり研究室に入りたての新入りはとりあえず教授がやりたいと思う研究テーマが与えられます。
右も左もわからない新人は、教授に教わりながらとりあえず言われた通りに仕事します。
仕事に慣れてくると、同時に知識も身につくので、自分でもやりたいと思うことがでてくる。
学生「これやってみたいんですけどー・・・」っていえば
教授「あぁ、いいよー」「それだったらもっと良い方法があるよー」
って言って普通はサポートしてくれます。
「それは使う試薬の値段が高いから、別の方法を試そう」って言ってくれることもあります。
もちろんその時学生はお金(研究費)のことなんて考えてないです。
お金のことを考えずにやりたいことをやっていた学生時代が1番楽しかったと思う。
研究(やりたいこと)にはお金が要る
研究を始めてから10年以上経ってしまい、お金のことを考えざるを得なくなりました。
自分で研究費を取るようになったこともあり、研究室はお金がないと維持できないこともわかったからです。
もう一つ重要なことがあって、
お金はどうやったらもらえるか?
という問題。
基本的に「評価が高い研究者」に国からお金が配られます。
評価が高いってどういうことかというと、研究成果をまとめた論文をたくさん出しているかどうか。
論文(成果)をたくさん出していればお金がたくさんもらえるシステムになってます。
なので、今の40〜60代の教授たちは、とにかく論文を出したい。
「論文を出したい(お金が欲しい)から研究をする」というモチベーションになっている気がするんですよね。
(もちろんそうじゃない人もいる)
でも元々は「自分の興味あることを解き明かしたいから研究する」というモチベーションだったはず。
少なくとも私が学生のときはそう思ってたんですが、
いつからかお金を稼ぐ(研究費をもらう)ことを優先した思考になったんですよね。
どっちの考え方が良いとか悪いとか言わないですが、
少なくとも研究室入りたての学生には研究費を稼ぐことを目的にした思考や価値観は押し付けないほうがいいんじゃないかなーと思ってるだけです。
私は研究費をめちゃくちゃ獲得している研究室に在籍したことがありますが、よくこういう言葉を聞きます。
「論文を出せて楽しい」
「研究費がとれて嬉しい」
それはそうなのですが、
学生はその価値観を持っていなくて、別に面白いとは思わないです。
これまで明らかにされていなかった現象を自分の手で明らかにすることに面白さを感じるはず。
なので、若い世代にはまずは研究の面白さを伝えた方がいいんじゃないかと思いました。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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