光田健輔論(5) 偏執と固執(2)
光田健輔は、『愛生園日記』『回春病室』と題する2冊の自伝的回想録を書いている。『愛生園日記』の「ライ医学者になるまで」「養育院時代」より、若き日の光田の動きをまとめておく。
21歳の東京大学専科の医学生として病理学教室に在籍していた光田健輔とハンセン病との最初の出会いであった。この死体から病変組織の一片をもらい、1年以上保存して詳細に調べている。そして、国内外の医学雑誌に掲載されているハンセン病に関する論文を読み漁り、教授にも意見を聞いてみるが、確かなことはわからない。そこ