カフェを創ろう。(後編 1)
私が通うことに決めた学校、「ル・コルドン・ブルー」は基礎、中級、上級クラスがありました。最初から、上級クラスまで通うつもりだったので、何のためらいもなく、一括払いで申し込み。(のちに知ったのですが、基礎クラスの仲間たち誰一人、一括払いをした度胸のある人はいませんでした。ついていけるか分からないから・・とのことでした)
そして翌年の春から、県外の学校に通うことになり、週1回の通学生活が始まりました。
土曜日、朝3時半起床、5時発のJRで岡山まで。そのあと新幹線で神戸に8時30分着。学校は10時から17時まで。帰りは、バス利用で愛媛まで4時間ほどの道のりです。(海を渡るのに必死です!)
学校には、県外から夢を持った人たちが集まりました。
香川、広島、愛知、大阪、岡山・・・など
みんな、将来、お菓子に携わる仕事がしたいということで、私自身のモチベーションも上がり、本当にみんなに合うのが楽しみでした。
学校は一人一台制スタイルです。渡されるのは、レシピのみ。作り方は、午前中にシェフがデモンストレーションするので、自分自身で書きとめます。午後からは、各自キッチンスペースが設けられており、そこで自分で作りあげるという内容。
初めてのレッスン日。メニューは、「クレーム・キャラメル」と「フルーツサラダ」でした。つまり、「プリン」と「フルーツのカット」を学ぶということでした。
たかが、プリン。されどプリン。
生まれて初めて【マダガスカル産ヴァニラビーンズ】を自分で扱い、それを牛乳に加えた時の、あの香りは今でも忘れられません。
それまで、「ヴァニラエッセンス」しか知らなかった私は、
一瞬で、本物の素材にのめりこみました。
そう、この学校が扱う食材は全てにおいて最高なものだったのです。
自分の味覚に変化が起こり始める
学校で作るものは、ほぼ自分の知っている材料で、一から手作業で仕上げます。それを、毎週自宅に持ち帰り、家族に食べてもらうのも、楽しいひとときでした。
学校でケーキを作るようになってから、これまで問題なく食べれていたものが食べられなくなっていきました。添加物に拒否している感じでした。
最初に、受け付けなくなったのが、ムース系、チョコレート系でした。
その後、焼菓子全般。マーガリンの匂いに拒否反応起こすようになり、
食べると胃がもたれる感覚になり、
風味のないお菓子が食べられなくなり、
だんだんと、おいしくないと思うようになっていきました。
学校に行く前まで、お菓子を作ることがなかった私は、バターとマーガリンの違いすら知らない子だったのです。(お恥ずかしい・・)
ここから約1年半にわたる学校生活の間に、わたしは、自分の味覚が急激に変化していくのを感じました。
そして、学校を卒業する頃には、地元のお店のケーキは全滅でした。わたしは全く受け付けないのに、なぜみんな食べられるのだろう・・・。そんな謎解きもしたくなりました。
「お菓子教室で、素材の大切さを伝えよう」
私のカフェ開業計画の中に、【お菓子教室】が入った理由がこれです。
そして、少しずつ自分のカフェのコンセプトが決まっていきます。
(後編2につづく)
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