見出し画像

「お互いさまの関係づくり」と「つながり」の4つの意味

区民活動コーディネーター養成講座

皆さんにとって「コーディネーターに大切なこと」は何でしょうか?
 
こんにちは!「お互いさまの関係づくり」を大切にしているコーディネーターの萩元直樹です。
 
今回、大田区地域力推進課主催「区民活動コーディネーター養成講座」第1回目の講座について、登壇者それぞれの視点でレポートします。

コーディネーター養成講座のチラシ

今年度は、過去の「区民活動コーディネーター養成講座」の受講者を対象に開講されました。
学校、防災、文化、自治会、シニアなど、地域で様々な立場にてご活躍されているコーディネーターの皆さんがオンサイト&オンラインにて集いました。

当日の会場の様子

私は「お互いさまの関係づくりとつながりの4つの意味」と題して、行政・民間・市民の領域でコーディネーターをしてきた経験と知識に基づくお話しました。

「つながり」を改めて考えてみる

絆 ふれあい 縁 輪
対等 協力 連携 協働 共創
共有 対話 共感 相互理解
話し合う 聴き合う 学び合う 分かり合う
みんなで○○する 一緒に○○する
ネットワーク パートナーシップ コラボレーション
そして、コーディネーション
 
ソーシャルな活動を行う人たちは、こんな言葉を頻繁に用いています。
 
それを一言でいうと、それは「つながり」です。便利な言葉ですよね。
 
地域では、このようなタイトルやキャッチフレーズをよく見かけます。

このような種類の標語もよく見かけます。

私は、地域活動でよく使われる三大ワードを
❶地域 ❷学び ❸つながりだと思っています。
今回のテーマ「つながり」は、とても大切なこととして、
暗黙の了解・共通認識となっています。
 
そこで、改めてコーディネーターの皆さんに問いかけました。

ゲートボールの事例

簡単な事例を紹介します。
私が公民館主事(地域の学びの循環をつくる仕事)をしていた頃、
こんなお話がありました。

私は、各小学校の放課後子ども教室のコーディネーターとつながっていたので、立ち上げたばかりの学校で、こんな悩みの声を聞いていました。

細かい話は省きますが、老人会の会長にこのように提案してみました。

放課後子ども教室を見学し、放課後子ども教室コーディネーターと話す中で、試しにイベント的にゲートボールをやってみることにしました。

すると、子どもたちは大喜びでした。
その笑顔をみて、老人会の皆さんも放課後子ども教室コーディネーターもみんな大喜びでした。
 
すぐに、放課後子ども教室を運営するために老人会を母体に団体をつくり、通年での活動が始まりました(10年経った今でも続いています)。
 
さて、皆さんに考えていただきたいのは、この4者それぞれのことです。

コーディネーターのおまじない言葉

私がコーディネートをするときに常に胸に刻んでいる心がけをお伝えしました。

実際のコーディネートの際に、関係性が複雑であればあるほど、難しさが生じてきます。
しかし、そのときに、私はこの言葉を思い出し、それぞれの主体同士で「合い」の関係性があるかどうか、その「合い」の関係性が育まれるかどうかを強く意識しているというお話をしました。
 
だから、私は「コーディネートはお互いさまの関係づくり」だと考えています。

つながりの4つの意味

私は、今までに「つながり」に、このような意味を持たせてきました。
 
❶新たな価値を育むため
❷(一番強い)問題の解決力となるため
❸問題が大きくなる前の予防・発見のため
❹有意義な学びのため
 
この4つの意味を状況に応じて使い分けてきました。
それを四象限で整理するとこのようになります。

私たちコーディネーターにとって、「つながり」という言葉は最も大切にしたいものです。
だからこそ、その「つながり」にしっかりと意味を乗せて使っていきたいと思います。

その他

コーディネーターの心構えとプチノウハウを10個お伝えしました。
また、こんなご質問を受けました。

Q:「コミュニティクラッシャー(集まりの人間関係を壊す人)・異端児がいるときに、どのようにコミュニティから退場していただいたらよろしいでしょうか?」
A:「私は公務員時代にで約5000人とつながりを持ちましたが、1人も排除した人はいません。どんな人でも、そこに来ているのには理由があります。特に、継続して参加し続けている場合、実は「その方がなぜ参加し続けるのか?という想い」に、大きなヒントがあるかもしれません。それを注意深く聞くこと。それからその人が活きる出番・役割を探ることです。意外と愛されキャラになったりします(笑)」

Q:「町会の役員は高齢者ばかりで、若い人が入ってこない。どうしたら若い人が入ってくるでしょうか?」
A:「どの地域でもよく聞く問題です。『なかなか入ってくれない』というのですが、自分の立場だけで受け身になっている人がほとんどです。私はそのような人にこう言っています。『巻き込もうとするのではなく、自ら巻き込まれにいきましょう』と。若い人の中におじゃまさせてもらい、話を聞いたり話してみれば、新しい発見があります。話し合うことから変化は始まるので、まずはコミュニケーションをとっていきましょう」
 
Q:「グループメンバーの仲違い時などの交通整理の仕方、人との付き合い方、地域が持つ壁にぶち当たったらどうしたらいいですか?」
Q:「信頼関係は、どのように築かれていますか?」
A:コミュニティ形成には4つの段階があると言われています。
最初に「形成期」と言われる不安や緊張を抱えながらも、お互いのことや何をするのかを考えていく時期。積極的なコミュニケーションが必要です。
次に「混乱期」が来ます。皆さんも必ず経験したことがあるはずです。それぞれが本音で話すようになった結果、衝突や対立といった混乱が多くなります。しかし、ここで活発な意見交換を避けてしまうとそれ以上の成長は難しく、どうやってこの時期を乗り越えていくかが質の高いコミュニティづくりで大事なことだと思います。
続いて、混乱期を超えたあとに「規範期」がやってきます。お互いが理解され、活かし合える関係性になっていくことで、コミュニティのパフォーマンスは一気に上がっていくように感じられます。共通の価値観も生まれて、段々と気持ちよく活動もできるようになるでしょう。
そして、「機能期」がやってきます。コミュニティの結束力が高まり、最高の状態となります。
こういったサイクルを大なり小なり繰り返してコミュニティは成長していきます。そのサイクルを体験的に知っているのが私達コーディネーターです。話し合うことから変化は始まります。大事なのは「混乱期」です!そこで、決してあきらめずにしっかりコミュニケーションをとること。どんな壁も必ず乗り越えられると私達は信じて、話し合い続けていきましょう。

おわりに

大田区では、長年、地域活動を守り立てるコーディネーターの研修を続け、200名くらいの地域活動コーディネーターがいらっしゃるとのこと。
凄いですよね!
サステナブルなまちを育むためにもコーディネーターの存在は重要です。
また、講座最終回のふりかえりに私も参加するので楽しみです。
 
長文となってしまいましたが、読んでいただきありがとうございました。
何かのお役に立つことができれば幸いです。
 
学びとつながりの先にまちを育んでいきましょう!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?