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参加者の可能性を最大限引き出すワークショップ「ワールドカフェ」って?

こんにちは!
エンパブリックの渡邉です。

10月26日(木)に開催した第2回目のファシリテーター講習会では、地域ファシリテーターのモヤモヤを言語し相互理解を深める機会として、ワークショップの手法の1つである「ワールドカフェ」を活かしたワークを行いました。

当日の様子

私自身もワールドカフェの参加者・主催者として何度かやったことのあるワークショップですが、今回の講習会を通して私が改めて気づいた「学びを深める場としてのワールドカフェの使い方・可能性」について書いていこうと思います!

企業の研修や交流会、地域づくりのイベントなど、様々な場面で使える手法になりますので、ぜひヒントにしていただけたら嬉しいです^^!

「ワールドカフェ」とは?

「知識や知恵は、機能的な会議室の中で生まれるのではなく、人々がオープンに会話を行い、自由にネットワークを築くことのできる『カフェ』のような空間でこそ創発される」

という考え方に基づき、設定したテーマに関して、多人数の集まりでダイナミックで協働的な話し合いの場を作り出す手法です。
組織開発論の専門家アニータ・ブラウンとデイビッド・アイザックスが1995年に開発・提唱し、世界に普及した少人数の会話の楽しさと多人数での運営の両立を目指したプログラムです。​

プログラムは、参加者が少人数のテーブルに分かれて、何度かメンバーをシャッフルしながら短めの対話を繰り返すことで、様々な人との意見交換が楽しめるような構成になっています。

学びを深めるワールドカフェの使い方

ワールドカフェは、
・ルールがシンプルなので、対話の場に参加したことがない人でも参加しやすい
・少人数でテーマについてより深く話すことができる
・メンバーをシャッフルしながらいろんな人の意見を聞ける・話せることで参加の満足感が得られらすい
などの利点も多く、運営しやすく効果が高いということで世界中に広がっている手法です。

特に、冒頭のようにカフェのような雰囲気で気軽に話せるという点で交流会に取り上げられることも多いですが、交流会以外にも学びを深める場としてのワールドカフェの使い方・可能性が見えてきました。

そこで、今回は私がワールドカフェを実践する中で気づいたワールドカフェの使い方についてご紹介します!

「プライベートなもやもや」を
みんなで解決する場として

今回のメインテーマは「地域のファシリテーターは地域で感じるもやもやをどうしたらいいのか?」でした。

ファシリテーターやコーディネーターなど地域住民の聞き役になると、もやっとしてしまうことも多いですが、愚痴やぼやきで吐き出すというのもちょっと違う・・・となったときに、
個人の胸の中にあるプライベートな悩み・もやもやをどうやって解消するか?というのは難しい問題です。

そこで、今回は下記の4ステップで、一人ひとりのもやもやを最終的にテーブルで話す問いに変えるワークを行いました。

(1) テーブルごとに「地域でファシリテーターとして感じるもやもや」をふせんに書き出す。
(2) ふせんを共有しながら、「答えのあるもやもや」と「答えのないもやもや」に振り分ける。
(3) 答えのないもやもやから、テーブルで1つ話したい問いを選ぶ。
(4) テーブルごとに問いで話していく。

対話のお題というと少し荷が重いですが、
テーブルごとに「これわかる!」「あるあるだよね!」と話しながらテーマを決めていくと気持ちも軽いですし、
他の人の問いでも自分と繋がってる実感を持ちながら話せるようになります。

ワールドカフェはお題が最初にセットされていることも多いですが、
1人で抱えていたもやもやをみんなで話すテーブルテーマに変えていくプロセスが、自然と自分のもやもやを吐き出す機会になり、いろんな人の力も借りながら解決の糸口を探していく時間になります。

ワールドカフェの少人数でテーブルごとでしっかり話しながら、いろんな人の意見を聞くことができるという利点をフルに活かした使い方だなと、(我ながら)思っています(笑)

課題への理解を深める時間として

今回「地域でどうやったら出会える人と出会うの?」というテーブルテーマのチームでは、最初は「交流会」「カレーを一緒に作る」「畑作業をする」など、アイデアや解決策を出しあう場になっていました。

もちろんブレインストーミングは悪いことではありませんが、
テーマに対して理解が深まっていないと、
思いつきのアイデア・解決策に留まってしまうことも多くあります。


このチームの場合は、私から「どうして出会いたい人が出会えないんですかね?」という一言を投げかけてみたことで、話す内容がガラッと変わりました。
そもそも出会いたい人って誰なのか?」
「地域にそういう人がいる可能性も考えていないし、そもそも期待していないかも?」
「私は、実は地域でこういう出会いがあった!」
など、参加者の皆さんが考えていることが話されることで、どんどん課題が深まっていきました。
さらに、メンバーを変え、つづけて議論していく中で、また違う角度の視点が出てきているところも見られました。

このように、いろんな視点でぐぐっとテーマへの理解を深めていくことができるのもワールドカフェの利点です!

「経験がない」「わからない」がみんなの学びになる場として

また別のテーブルでは、話し始めた時に、
「私はあまり経験がないので、よくわかりません…」
をお話しされていた方がいらっしゃいました。

普通の会議や話し合いで「わかりません」という発言があった場合、飛ばして次の人の発言を聞いたり、「何かあったら発言してください」というように話せる人が話す形になっていくことが多いのではないでしょうか?

しかし、ワールドカフェでは「経験がない・わからない」という人がいることにとても意味があります!

実際にこのチームでは、その方の発言を皮切りに「逆に『わかる』と思える人は、どんな経験があったんだっけ?」という方向に話が進み、他の人たちが改めて自分の経験を話したり、その状況を分析しているところもみられました。

「わからない」と言ってくれる人がいることで、一度立ち止まって「これってどういうことなんだっけ?」「こういう見方もあるかもしれないね」と改めて振り返ったり、新しい視点でその経験をとらえ直す機会にもなります。

このように参加者の属性によっていろんな方向に話が広がる可能性があるのもワールドカフェの面白いポイントになります。

まとめ

ここまで読んで、みなさんいかがだったでしょうか?
「へぇそんなこともできるんだ!」と思っていただけた方から、
「なんか思ったよりも難しそうな場だな…」という感想を抱かれた方までいらっしゃるのではと思います。

私自身も最初からこのように考えていたわけではなく、
参加者としてワールドカフェを純粋に楽しんで参加していたり、運営側としてみなさんの話している様子を観察しながら、だんだんと「あぁ〜こういうことができるのか〜」と見えてきたというところでもあります。

対話の場やワークショップは、一回自分が体験してみないとその意味を実感することも難しいところもあるかと思いますので、「頭ではなんとなくわかるけど、実際どういう場なのかのイメージがつかないぞ…」という方は、まずワールドカフェを体験してみてください!

ワールドカフェを体験してみよう!

そこで、エンパブリックスタジオでは、毎月第1水曜日に「スタジオワールドカフェ」を実施しています。(私も毎月参加者として参加しています!笑)

毎月いろんなお題で開催しているので、初めてのワールドカフェ体験にもってこいな企画となっています。
エンパブリックスタジオ会員限定ですので、ご興味のある方はぜひ下記からお申し込みください!^^

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