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四郎はあの時どうしろうと。

「ここはどこじゃ・・」

「天目山での切腹、見事でした。諏訪四郎勝頼様。」

「誰じゃ。そしてここはどこじゃ。
あと今は武田じゃ。今しがた、滅んだがのう。」

「三途の川です。ここは。」

「そうか・・儂は黄泉へ向かうのじゃな・・」

「早速ですが、インタビューさせて下さい。」

「いんたびゅう、とは何じゃ。」

「何故、信玄公が臥して間もなく、侵攻を再開したのですか?
確か3年は・・」

「(急じゃのう・・)近隣大名は皆それが建前であることに気づいておろう。
上洛が急に止まったのじゃ。だからこそ、この四郎が戦を指揮して勝つことが最上と心得た。人心掌握に。実際、奥平の裏切りもあった故な。とにかく、箔が必要だったのじゃ。」

「次に何故長篠では決戦に及んだのですか?長篠城を陥落させて周辺の領主に示しをつければ良かったのでは?」

「やはり信玄公を超えるには直接織田を叩くのが肝要。故に織田本体が出てきたので急遽決戦に持ち込んだのじゃ。」

「その後何故北条を裏切り、上杉に与したのですか?」

「御館のことか。対織田を考えると、織田の兵力を分散させることが大事で
あると考えた。故に景勝殿にお味方した次第じゃな。
ただただ、織田を倒さば、父を超え、父を超えれば、皆が認めるであろうと。その一心であった。」

「そして、穴山、木曽といった親族が裏切り天目山に散りましたね。」

「うむ、一族が裏切るとは思わなんだ。弟の盛信はよく奮戦してくれたがな。今となっては、昌幸の言葉を素直に聞けばよかったと・・思っておる。」

「最期の最期に、家臣の言葉に耳を傾けようとしたのですね・・もう少し早くば・・とも思いますが。」

「どういうことじゃ?」

「四郎様はずっと父を超えたいと話されていました。それが織田を倒すことだと。その時に、家臣の意見を聞いていましたか?独りよがりな姿勢が裏切りを生んでいるのでは?」

「じゃが、近畿を掌握した織田に何もせねば滅ぼされたであろう。
儂はあの時どうしろと!」

人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり

「・・・!」

「亡き父、信玄公のお言葉です。砥石崩れの後も強固な絆を築けたのはこの考え故でしょう。情けをかけねば、人は仇が積もりて敵となります。織田討伐のみ考え、周りに目を配らねば、仇となるのです。」

「そうじゃな・・・。もう終わった仕儀故。何も言うまい。が、輪廻し来世があるなら、もう一度武田を継ぎたいのぉ。ありがとう。すっきりしたわい。ほれ、六文銭じゃ。いざ地獄へ参ろうぞ!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあとがき
まさか、諏訪氏を継ぐ予定だったはずが、長男は謀反容疑で暗殺され、次男は病弱で出家。三男は夭折。四男で武田家当主になるとは思わなかったでしょう。その点ではラッキーボーイではありますが、情勢はなかなかピンチ。ですが、父信玄も廃嫡(お前は跡継ぎじゃないよってこと)されかけてクーデターを起こし家内を掌握したりと、若い内は苦労しています。というかどんな人物もシビアな状況があるからこそ、成り上がるのです。

勝敗は兵家の常。勝者にも、敗者にも、学ぶべきところがあるのです。
活かすかどうかは後世の人次第。ってことですね!

歴史好きの、歴史好きによる、歴史好きのための自己満サイトです。
勝手に時代、人物作ってニヤけています(笑)。


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