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「好き」の指標

好きなことを仕事にする。
好きなことが仕事になる。
仕事が好きになる。
仕事を好きになる。

いずれも意味合いは異なり、好きになる過程が違います。

採用のシーンで、「好きなことが見つからない」とか「好きなことが自分ではわからない」というのは結構多いかなと思います。
これは、若い人だけではないと思います。
歳を重ねるに連れて、生活や立場などから、そんなことを言っている余裕なんてない!という人もいると思います。

好きなことが仕事だったら「楽しい」とか「幸せ」だと言います。
それは本当でしょうか。

今日は、「好き」とは何かを考えてみたいと思います。

好きとはどういう事なのか?

例えば、人が人を好きになるシーンを考えてみると、2つのパターンがあるのかなと思います。愛に通ずる好きだけでなく、人として好きというのがあるかなと思います。

☑️愛情がベースの好き
☑️共感がベースの好き

出会いは色々あっても、いずれも共通しているのは、対象となる人をもっと知りたいと考えることではないかなと思います。

知りたいという事は、「好奇心」「興味」「知的欲求」が生じると思います。愛情の場合は「性的欲求」が加わると思います。

ここがとても大切な部分だと思っていて、より深く「学びたい」とか「知りたい」という心理状態そのものが、好きになる過程だと考えられます。

では「なぜ好きなのですか?」というよくある問いについて考えてみます。

子どもに、なぜ好きなの?と聞くと、おそらくほとんどが
☑️かっこいいから
☑️可愛いから
☑️やさしいから
☑️強いから
☑️おもしろいから

という答えが返ってきそうです。自分自身も保育園だったら時は、そう答えてたかような気がします。

これが、大人になってどう変わるかというと、「知的だから」とか「一生懸命だから」「○○が素敵だから」などが加わってくると思うのですが、根本的には理由そのものの属性は変わってないくて、その人から湧き出ている人間的な魅力そのものに惹かれるという、問いに対しての答えにならないような理由になると思います。

そもそも、好きになるとは、その人が持つ人間性が、対象の相手の人間性に惹かれるという現象そのもので、明確な理由を問うこと自体が難しいと思うのです。ただ、好きになるルーツはあると思います。

なぜ好きなのですか?と問われた時に「僕の心がそこはかとなく(対象者)の(形容詞など)に惹かれたからです。」になるのかもしれません。


「好き」が「嫌い」になる理由

では、人は好きになるけど、嫌いになることがあります。
それは、何故なのでしょう。

言葉をあげるとすれば「共感」だと思います。
「共感」はすなわち「価値観」です。

好きになった場合、もっと相手のことを知りたいという欲求が生じた時に、趣味趣向や、生活スタイル、考え方や、マインドが似ていると「共感」が生まれます。「共感」の度合いは、好きの深度に関わっているように思えます。

例えば、恋愛において考えてみます。

「人間的な魅力」で好きになった場合、相手を知るうちに、自分と異なる部分が見えてきて、「共感できない」「価値観が合わない」という現象が起きます。ここで「好きなのか?」という問いに移行するのではないかと思います。合わない部分の感覚が広ければ広いほど「苦痛」を伴い、嫌いになる度合いも深いように思います。

時間軸も関係しているかもしれません。長く居る=お互いに成長または価値観が変化していくということがあると思います。

人は成長していくもので、現在の自分の価値観と未来の自分の価値観は必ずしも一致せず、会った時には魅力は感じなかったけど、何年か後には魅力を感じるようになった。というのは、自己の価値観が変化していることが要因だと考えられます。もちろん相手も成長していることが要因だとも考えれれます。

逆に、会った時には魅力を感じたけど、何年か後には魅力を感じられないようになったのも同様の理由だと考えられます。

厳密に言うと「嫌いになる」ではなく、「好きではなくなる」の方が正しい表現なのかもしれません。嫌いになるには苦痛や耐えがたい経験が伴うからです。

多くの別れは、「好きではなくなる」=「一緒にいる必要がなくなる」と言うことが言えるように思えます。

では、友人や尊敬する人で考えてみます。

ほとんどが「共感」から「人間的魅力」に繋がり、好きになるケースが多いと思います。恋愛では無いので「価値観」そのものが、好きの理由なのかもしれません。

友人や尊敬する人を嫌いになる理由は、自分自身が、価値観を合わせていた(共感していたつもりだった)と言うケースが多いのでは無いかと思います。

友人の場合、喧嘩すると言うことがあると思います。これで決別とかもあると思いますが、これが嫌いになったのか?と問われると、全てがそうでは無いと思います。認めあったり、許しあったりと、思いやりの部分が欠けていたのでは無いでしょうか。

こう考えていくと、自身の「心」次第で如何様にもなる。
そんな気がしてきます。

大人になる(経験値が増えていく)過程で、この本能的な「好き」と言うのが薄れていくことも多いと思います。世間体やモラルなど環境に適応しようという意識が強くなることと、忍耐、妥協など自身を制御する理性が育っていくことが関係していると思います。


「好き」を仕事にすると言うこと

誰しもが自分が好きなことが仕事だったら理想的だと思っていると思います。しかし、その好きがわからないと言う人も多いと思います。
また、自分が得意な事を仕事にしている人も多いと思います。
得意な事=好きな事
とはならなくて、得意な事=嫌いでは無いと言う人も多いのでは無いかと思います。

一番問題なのは、社会人になると「好き」な事で「稼げるか」と言う問題にぶち当たります。

もう1つ言えるのは「好きでは無い」事で「人生幸せか」と言う問題にもぶち当たります。

豊かさの指標の1つにお金は必要不可欠だと思います。
ただ、お金が豊かだから幸せとはなりません。

長い人生において、幸せになると言うことは答えが見つかりにくい事かもしれません。しかし、心が満たさせるとか、楽しいと思えるシーンがより多く描ける方が、豊かに感じるのでは無いかと思います。

そこで、好きを仕事にするために3つのステップを考えてみました。

(1)好きを引き出す
   まず、自分の好奇心や興味を知ることから始めます。
   興味や好奇心があることはワクワク、楽しみが湧きます。
   そして、何よりも、人との繋がりを大切にすることです。
   何をやりたいかよりも、誰と何を叶えていきたいのかの方がモチベー
   ションが高まると思います。

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(2)自分の価値観や人生観などを書き出してみる
   自分が大切にしている事、譲れないことなどを書き出します。
   その中で、最も大切なものに○をつけてみます。
   何か行動する時の軸になっている部分を知ります

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(3)ビジネスマッチング、仕事マッチング
   
(1)と(2)の掛け合わせ組み合わせが、自分自身のミッションに
   「なぜ」の源泉になるのでは無いでしょうか。
   興味や関心があることで、自分の価値観に会うビジネスや会社を探り
   ます。必ずしもそれが本業になるとは限りません。もしかすると副業
   やボランティアになるかもしれません。
   好き=稼げると言う事には直結しないからです。でも、仕事は1つで
   ある必要はありません。自分が好きな事が中心の仕事になるか、好き
   な事をする為に、必要な仕事になるかは人それぞれだと思います。
   大切なのは、その事を認識し、一歩踏み出す勇気だと思います。


好きを仕事にすると言うことは、ライフワークの中における仕事をどう考えるか、捉えるかと言うことなのではないかと思うのです。固定観念を突破していかなければなりません。

今、仕事が苦痛だとか、理想的な仕事が出来ていないと感じている人は、一度自分の好きに向き合ってみることが大切だと思います。
今、それを実行できなくても、自分を知ることで、今を乗り越えられる可能性があるからです。

もし、好きなことがやっぱり今の仕事だった場合は、きっと「もっと知りたい」とか「学びたい」という意欲に対する自分の努力が足りていないのかもしれません。

もしくは、好きな仕事でも、共に働く人や会社の価値観が異なっていてるのかもしれません。自身のミッションと会社のミッションが釣り合っていないのかもしれません。

どこに問題があるのか?外部環境だけでなく、内部環境にも向き合い、解決していく必要があるかもしれません。


ワーク・アズ・ライフ

仕事と生活を切り離した考え方が主流だった時代とは、大きく変わろうとしています。テレワークになり、仕事の時間軸そのものが変わろうとしています。

ワークライフバランスは「仕事と生活の調和」と訳される言葉です。根本的に「仕事」と「生活」が切り離された考え方です。「仕事」とは負荷がかかるもので、ストレスがかかることが前提にあるような捉え方があると思いますが、そもそも切り離して考えた時に、解決することは極めて難しくなると思います。

それよりも、ライフステージそのものは仕事と共にあると考えた方がより理解しやすいと思います。仕事にも生活にも変化はつきもので、予定通りにはいきません。両立ではなく、共存を目指すことの方が大切だと思うのです。

だからこそ、好きなことでないと、苦しくなるし、続けられません。
共感できないのに、チームに居ることは苦痛だし、続けられません。
ミッションが無いと、やりがいが生まれず、続けられません。

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今、こうやってコロナ感染拡大で、経済や様々な社会活動がストップしているときにこそ向き合えるのでは無いかと思います。


「好き」の指標

「好き」は、内なる想いから湧いてくる感情だと思います。
内なる想いに向きあえるのは、自分しかいません。

内なる言葉に目を向ける。

内なる言葉から目を背けると、何も見えてきません。
私たちは、ロボットではありません。感情を持ち、心をベースに生きています。

好きは、人生の出会いと経験によって培われるはずです。

好きの指標は、人間らしい感情そのものから湧く、好奇心・興味では無いでしょうか。そして、それは無垢で純粋なものではないでしょうか。

好きな事に出会えた時、心から湧き出る感謝も生まれていくような気がします。



今日は、ちょっと難しいテーマにしてしまって、なかなか一方向では見出せない答え探しになりました。

今、就活している学生さんには、ぜひ自分の好きに出会える会社に就職してほしいなと思います。そして、会社はミッションと、描く未来をしっかりと学生さんに魅せてほしいと思います。


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