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「Museum Start あいうえの」のすばらしさを伝えるnote其の二

「Museum Start あいうえの」に参加して、その楽しさに釘付けになってしまいましたので、勝手によさを伝える会(其の一はこちら)第二回目の記事になります。「あいうえの」の理念、博物館におけるSDGsとは、ということについて前回書いたので今回は「SDGsで探究!名建築を見る」という今回のイベントについて書いていきたいと思います。

1.東京都美術館はこんな美術館だ

1926年(大正15年)日本で初めての公立美術館ができあがりました。これが現在の東京都美術館です。設立当初から、展示を本位するギャラリーとして官展などの芸術家の発表の場となりました。

1968年、新館建設の準備委員会で博物館の機能を3つ掲げています。

博物館の機能
1,美術館が主体性をもって企画展を進め、現代美術の秀作を収集し、常設展示を充実させる「常設・企画機能」
2,公募団体の要請に応えられる規模と設備を整え、作家の技量を発揮できる場とする「新作発表機能」
3,都民の文化活動を推進するために、美術研究、創作活動、美術普及の場を提供する「文化活動機能」

そして戦後1975年、もともとあった建物の老朽化と来館者、使用者の増大により、前川國男設計による現在の建物になりました。ここで注目をしたいのは、「文化活動機能」で、造詣講座や公開制作にの力を注いだところです。現在の美術館ワークショップの源流はここになります。

2.東京都美術館の建築士、前川國男

前川國男は内務省の土木技師であった父と弘前藩士の家系である母のもと新潟県で生まれ、東京で育ちました。6歳下の弟は後の日銀総裁です。1928年東京帝大を卒業した日にシベリア鉄道に乗ってそのまま渡仏。国立西洋博物館の建築に携わったル・コルビジュエの建築事務所に入所。ル・コルビジュエに弟子入りした初めての日本人です。帰国した後、アントニン・レーモンドに師事し、モダニズム建築の旗手として日本建築界をリードした人物です。

そんなおぼっちゃまの前川國男さん、建築については「建築の散歩道」という考え方が一貫しておりまして、タイルを利用した広い中庭や中庭を望むレストランを設計したり、利用するひとのことを考えた作品の数々が特徴です。唯一の高層ビル(東京海上ビルディング)を作る際に超高層建築の条件として敷地に公共的なスペースを持つことを持論としていました。東京海上ビルディングの敷地1万100平方メートルの敷地のうち、ビルが立つ部分は2100平方メートルに抑えられました。残念ながら、もうすぐ解体されて再開発されちゃいますけど…

前川國男の自宅は今江戸東京たてもの園にすてきに展示してあります。代表的な作品は東京都美術館、東京文化会館、埼玉会館、神奈川県音楽堂、などなど。

3,とびらプロジェクト

美術館を拠点にアートを介したコミュニティ、とびらプロジェクトなるものがありまして、一般のボランティアさん、大学生、学芸員さんで構成されたメンバーが文化施設と文化財、ヒトをつなげていこう、というもとで作られたプロジェクトです。その参加者のみなさんが「とびラー」として子どもたちを陰から日向からサポートしてくれます。東京都美術館と東京藝術大学の合同プロジェクトです。親や先生でもない大人との出会いは子どもの成長させますよね。

4,いざ東京都美術館のひみつを探れ!

子どもたちは参加するときに「Museum Start バッグ」をもらいます。

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肩から掛けるバッグに缶バッチを付ける場所が9つ用意されていて、上野公園にある9つの美術館を巡るとバッチがもらえるのですね。ガイドブックもついていて、どこの美術館はどの場所にいってどんな呪文を言えばバッチがもらえるか書いてあります。

コレクション心をくすぐりますね~

そんなバッグを肩からかけて、とびラーのみなさんと出発!チームは学年割だそう。

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ちなみに親はその間講堂でこのプロジェクトのビジョンとミッションの講義を受けているので、子どもは知らない大人とかかわらなければならないのです。素晴らしいですね!

いろいろ秘密をたくさん発見してきてくれたのですが、子どもが一番伝えたかったこと…

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屋上が芝生なんだよ!!(それは前川國男のコンセプトとは違うと思うが…)最後、手を上げて発表とかはできなかったけど、終了したあと、たくさん発見を教えてくれましたよ!

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「口紅を塗った女性が寒くて青くなった唇」色(by前川國男)の椅子とか…

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エリアによって壁の色が違うとか

たくさん発見して、アートとの出会いを楽しみました!とびラーのみなさん、ほんとうにありがとうございました!

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そして、おまけ。2階の精養軒で「精養軒×みはし」コラボのスイーツ!!!

「気を付けてくださいね!」といわれたのに、まんまと倒した…

しかし、食べられるのは全部食べたぞ!(おいしかったです)

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