
もしそれができるのなら、そばにいて欲しい
F : 長いことあなたと暮らしてきたけど、
レスのことどう思ってるの?満足したセックスなんてしたことないの。
わかってもらえるわけないけど?
もう一緒に暮らしていく必要がないのじゃなのって思ってるんだけど?
M : ほかに男ができたのか?
F : かもしれないし、そうじゃないかもしれないでしょ。
M : 誰だよ。
F : 。。。。。。。。。。。。。。
M : 黙ってるってことは、僕の知ってる男か?
F : だから、そんな人いないかもしれないでしょ。
M : じゃあなんで、別れようなんていきなり言うんだよ、簡単にそういうこと言えないだろ、一緒に、10年以上暮らしてるんだぜ。
F : 長く一緒にいすぎたのかもしれない。
もっと早く決めなくちゃいけなかったのかも
M : 君にとって、この10年間は、何の意味も持たないのか?
F : わからないわ、10年なんて早かったみたいだし、すごく長かったみたいだもの
M : そんな簡単に、10年間をチャラになんてできないんだよ。
F : だから、最初に言ったでしょ、満足したセックスがない生活に疑問を持つようになったの、というか、最初っから持ってたのかもしれない。
M : 今まで、問題じゃなかったんじゃないのか、なんで今さらそんなこと言うんだよ。おかしいんじゃないのか?
F : もしかしたら、おかしいのかもしれない。でもね、そういうことを全く考えずに付き合って結婚したの。親兄弟だってね、友達だって、セックスのことなんて問題にしないの、そういう教育受けてきてなかったの。お付き合いするなら、「セックスの相性もすごく大切です」なんて誰も言わない。普通に仕事があって経済的に問題がなくって、優しくって、常識がある人ならね、私もいいと思ったの、恋もしていたし、同棲して結婚するって、そういうものだと思ってたの。
M : そういうものだよ結婚って。
F : 性的満足度が低いのって、結婚するにあったって、すごく問題になるんだって思いもしなかったの。
M : 取って盛りがつくとかそういうのなの?なんだよいきなり変わったのかよ。
F : そうじゃないの、ただね、私って魅力ないんだなって、思うようになっちゃったの、セックスを楽しめない女なんだなって。みすぼらしい女なんだなっていつも思うの。
M : なんだよ、ただやりたがる男と一緒にいたら魅力的になれるのかよ。
そんなのおかしいよ
F : おかしいわよね。でもねどんな女性でも、男の人が欲望を持ってくれたら、うれしいものなの、そこでセックスするかどうかは別だけど。そういうものなの。欲望を感じてもらいたいの。
M : なんだよそれ、ただの、やりたいって思う男のほうがいいってことかよ。
F : そういう気持ちを持ってくれたってことが、私を受け入れてくれたって思えるの。そういうの男の人にはわからないかもしれない。愛を伝える方法だったり、癒されたりするものなのよ
M : わかんないよ。じゃあさあバイアグラ使ってやりまくってれば、女として満足なわけ。世の中の男なんてみんなやりたがってて、金払っただってやるんだぜ。それ本能
F : わからない。女として満足なのか、私のただのわがままなのかはわからない。
M : ほかに男作って、他の男とやって愛をもらって癒されて、それで君は満足なの?それなら、それでいいのかよ。
F : そういうことも考えたの、本気でね。そういう機会もあったの。でもね、そうじゃないの、だから別れたいの。あなたから愛されてないと感じないと、女として、魅力がないって考えるのは、もうつらいの。もう続けていきたくないの。依存してる自分にうんざりしたの。
M : 僕としてできる範囲で、愛してきたと思ってるし。
F : そうなのかもしれない、でもね、私、心だけじゃないの、体も持った、1人の女なの。そういうこと忘れちゃったんじゃない?私を喜ばせたいと思ってくれてる?
M : 思ってるよ、誕生日プレゼントだって、結婚記念日に旅行だって行くだろ、そういうのだって愛情なんだよ。
F : そういうのも愛情かもね。でもね、もう感じられないの。全然嬉しくないの。
M : そういう愛情もあるんだよ。
F : もう、モノとか、こととか、記念日とか、旅行とかどうでもいいの。セックスで表現できないの?上手にセックスしてもらったほうが、何倍もうれしいし愛されてるって感じるの、それっておかしいのかしら?
M : おかしくないよ、わかってるよ。じゃあどうすればいいんだよ。
F : 旅行に行っても、セックスさえ楽しめないんじゃ、行く意味ないの。
M : お前やることしか考えてないのかよ。
F : そうかもしれない。そうなっちゃったのかもしれない。だからね、別れたほうがいいんじゃないかって思うの。
M : 相手を変えればどうにかなるのかよ。
F : わからない、相手がほしいのかもわからないわ。一人でいるのだって、大変なのは十分わかってる、でもね、私の欲求不満をあなたのせいにだけはしなくてよくなるの。実は、誰かを責め続けるのも、何かを要求するのも、息の詰まることなのよ。少なくとも要求しなくてよくなるでしょ。
M : ほかにほしいものはないのかよ。家とか、車とか、宝石とか、バッグとか女性の好きな、金で買えるものもいっぱいあるんだから。それで満足できないのか?趣味に没頭するとかあるだろ、他にもいろいろ人生の満足って!
F : 欲しいものは、いつもお金では買えないものなの。少なくとも、あなたとの結婚生活でそれはわかったの。でも、もう足りないものだって思うことにも疲れちゃったの。足りないもののない生活がしたいの。それにはあなたは不必要なの。大体趣味くらいで欲望は満足しないの
M : お互い健康で、何不自由ない生活してるだろ。好きな仕事して、好きなところに住んで、好きなことができてる。そういうことだけでも、ありがたいことだって思わないのかよ。
F : ありがたいわよ、別れたら経済的にも、不自由になっちゃうかもね、こんな素敵な家にも住めなくなっちゃうかもしれない。でもね、心は不自由でなくなるのかもしれない。
でも私の欲望を抑えることは、ありがたいって思うことと、反比例することかしら?
私の悩みは、取るに足りないことなのかしら?
私はパートナーに要求しすぎてるのかしら?
どうしてあなたは私とセックスが楽しめないの?私が何かしたの?もしくは何かしなかったのかしら?そういうことを考えてるのもう疲れたの。
M : そんなんじゃないよ、君に問題はない。
F : でもね、私が、こう変わったら、こういう服装をしたら、こういう下着をつけたら、もっと優しくなったら、もっと笑ってたら、もっと料理が上手だったら、もっとリラックスさせることができたら、あなたと楽しくセックスできるんじゃないかって思うの。そういう関係もあったんじゃないかなって、思うの。
M : 何度も言ってるだろ、これは君の問題じゃなくって、僕の問題なんだよ。
F : 私の問題なの。あなただけの問題じゃないの。何度も聞くけど、どうして、私とセックスしたくないの?
M : わからない
F : セックスさえもしたくない女と一緒にいて楽しいの?うれしいの?
M : 君にそういう風に思ってほしくない。
F : あなたと一緒にいるのに、考え方さえも変えなくっちゃいけないの。悩むことさえしちゃいけないの?
悲しいとか辛いとか感じることは間違っていることかしら?
M : 君がそういう風に感じるのも、もっともなことだし、性欲を持つのも健康的なことだと思う。
F : じゃあどうして、私だけ、そう思って、あなたは全く持たないのかしら?好きな人がいて、その人とセックスをしたいって思うことが、悪いことなの。しかも自分の夫だとしたら、自然な考え方じゃないの?
そういう風に考えちゃいけないの。
M : いけなくない。
F : でもね、あなたと一緒にいると、あなたのことをいとしいとか、いい人だとか、一緒にいて楽しいって思っちゃいけないって思うの、だってどうせ、セックスはできないから、結果はどうせ決まってて、楽しい結果は得られないの、あなたとは、そういう風に、自分の気持ちにブレーキをかけて、生きてくの嫌になちゃった。好きなものは思いっきり好きでいたいの。
M : そうかもしれない。僕は君のことが好きだよ。
F : そうかもしれないわね。私はもう分からない。
M : 一緒にいることも、話すことも、楽しい。
F : それがいつも私を傷つけてきたのよ。わかってもらえるかしら?
M : セックスのない関係でも、完璧な愛情のある関係でいることはできるんだよ。
F : それが言い訳じゃなければよかったけど。
M : 誰でもひとつやふたつは、欠点っていうものがあるんだと思う、そういうものを受け入れるのが、愛情だと思っている。結婚生活だとも思ってる。
F : 私はそう思ってないの、もうそう思えないの。それが結婚生活だって思いたくないの。妥協していくのはもう嫌なの。
M : 欠点のない人間はいないよ
F : あなたみたいな人間もいないのよ。
M : 僕はたまに思う
F : なにを思うのよ。
M : 朝起きて、このまま生きてていいのかって。
F : それが、これと何の関係があるの?
M : 僕はね、生きることに楽しみを感じてない。じつは。
F : どういうこと
M : どっかにその、体のどっかに、深い穴があって、すべての喜びが吸い込まれていってるかのように、喜べないんだもう。
F : どういうこと?
M : 楽しいことも、悲しいことも、すべて、その穴に吸い込まれていくから
吸い込まれていくから、、、もう何も感じてない、それは、すべてのものに、無関心になるってことにもなるし、生きていないことにもなるんだ。怒る気にさえなれない。信頼できないのかもしれない。
F : そんなの、ずるいわよ。
M : 小さなことにも、喜びを持てない。セックスさえ楽しめないのは、そういうことかもしれない。
F : 私に何ができるのよ。
M : そばにいてほしい。もしそれができるなら。
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