見出し画像

愛しのトンセンよ(妹よ)


この二年位親しく付き合ってきた年下の友人でWちゃんという人がいる。
年下の近しい人を韓国語ではトンセン(妹・弟)という。
血縁関係があってもなくても使える言葉だ。



ご縁は長い。知り合ったのはもう30年以上前の事。
彼女は大学生、私は20代独身でバリバリ仕事してた頃だった。
当時は彼女の妹さんの方と親しく
Wちゃんとはワンクッション置いた関係だった。

それでも私は彼女の結婚式には参列してたし
我が家の娘の一歳祝い(トルチャンチ)には、
姉妹で手伝いと祝いに来てくれた。
ありがたく可愛い二人の妹分だった。



その後私は3人、Wちゃんは4人の子どもを産んで、
当然子育てに怒涛の日々が続く。
いつの間にか連絡絶え、10年よりもっと過ぎたある日
ソウルのイベントでばったり再会。2018年だった。
お互い最初分からなくて(Wちゃんの方が先に気が付いた)
分かった時は仰天した。
Wちゃんが長年上海にいた事もその時知った。
その10年私も多忙な日々だったけど、
そちらも波瀾万丈だったねとしみじみ。




Wちゃんの事は、とても書ききれない。
Wちゃんは韓国の名門美大を卒業していて
現在はアーティストとして活動中だ。
それだけ聞くと順調に芸術活動してきたのかと思われるだろうけど全然違う。山あり谷あり穴ぼこあり迷路つきで大変ユニークな道のりを旅してきて

「今に至る」




この彼女の人生ストーリーが面白い。
Wちゃんがその都度自分で書いてるブログもある。

https://ameblo.jp/waccong/


直接喋ってもらっても話が面白い。
彼女のアート作品も素晴らしいのだけれど、
同時にこのWちゃんという人の魅力がたまらない。
いわゆる画家っぽいカリスマな魅力とはちと違う。
とても人間らしい所が魅力。




岡本太郎さんという偉大なアーティストがいらした。
作品と同時に彼の生き方考え方もアートだった。



wちゃんのスタートは「普通の主婦」
お金使わないようにして自分の服は
ユニクロ500円のセール棚から必死に探して選んでるような
(ある時期まで私もそうでした)



ご主人にも敬語つかって家庭の為に献身的に働いて、
(自分は後回しになる)それを良しと思って生きてきた人が
42歳の時「わだば、作品をつくる!」と決めた!





「自分」を自分の人生の主人公にする!と決めて
動き出したけれど、今まで何しろ「良き妻良き母」方向に最大限振りきってたので、矢印真逆に動き始めたら色んな出来事があったよう。
時に喜劇で時に悲劇で。
でも私にはなんだか漫画チックに映った。



彼女は時々ドラゴンボールみたいに「おりゃー」と燃えたり
キン肉マンみたいに友情を土台にしたファイトをみせたり
一休さんみたいにずっこけたり、でも引くほど鋭い指摘をしたり。
深く落ち込んで「ちーん」となって地中にもぐって見たり。

感覚的で直観的な彼女といると、時々怪物くんの見えない長い手が伸びて
触られてるようだったりもする。それも心地よかった。もっと見て~!



見た目は「草間彌生」を意識してますか?と思われるような
ヘアスタイルだったり、奇抜なファッションで、
すれ違う人が振り返るような服を着る時もある。
そしてその尋常ではない服が、
恐ろしい程良く似合って不思議に品がいい。
他の誰も着こなせず着たところで「道化」のように見えるだろう服。
だけど彼女が着ると「私は表現者です」と服が語りはじめる。
服以上の服を纏ってる。




胸熱き彼女には赤が良く似合う。
時々その炎は大きくなったり小さくなったり
黄色くなったり青くなったりもするけれど。
胸の炎が生きて踊ってる。





中に人に対する優しさ溢れる水量たっぷりの清い川が流れている。
いつも思うのは「心のいい人だなあ」と。
また同時になんか「黒い川」も流れていて(誰でも流れてる)
その黒い川にどんどこ流れてくるゴミを
なかったことにせず、ちゃんと「あ!ゴミだ」と受け止め
その処理を細かく振り分けている。




清い川と黒い川の両方が流れている事に自覚的である事、
黒い川を無かったことにしないことが、
彼女の魅力をさらに深めていて
作品にも深みを与えているような気がしている。



作品にはその人の「人生」の匂いがのっている。
その匂いがとても好ましかった。
懐かしさ、清潔さ、品格、知性、暖かい友愛と家族愛、感謝、夢、憧れ、もがきと翼、身体の中からの燃焼。
一見とても若く見えるのだけど、中身の成熟度が高くて
ゆで卵に例えれば「温泉卵」の反対?みたいな笑

私は彼女の作品が好きで家の居間に飾って毎日眺めている。




10月にふと訪れたソウルでの集まりの登壇者に
ある日本人男性の画家さんがいた。
彼は絵を学んだアフリカの小さな村から精神的な学びを持ち帰りそれを人に伝え続けている。淡々とその教えを語る彼はとても魅力的な人だった。
彼の声からは気持ちの良い重みが感じられた。
それが私の肩に腕に降り積もるようで心地よかった。




「本来の日本人は素晴らしい」という話をしてるのだけど
ただの「日本人礼讃」には聞こえなかった。
「人って実は素晴らしい」の話に聞こえて国境とかの境界線を感じない。「日本人が」とは言ってるけど、世界の誰が聞いても
気持ち良く聞ける話だと感じた。





私は彼の横で数回ご飯を食べることになったのだけど
(メインゲストの横ってなんか空いてるのでよく座る事になる)
美味しそうにご飯を食べる彼が良かった。
初韓国の初タッカンマリに「これなんですか~美味しい~!!」の連発。
「あれなんですか~!あの27って数字」
「あれはね닭(鶏)の下半分の文字なんだよ」
子供みたいに珍しそうに好奇心爆発で色んな事を聞く。
食堂で歌の話(aikoのカブトムシ)をいっぱいして、歌って大笑いして別れた。「えみこさんの住んでる所に絶対行きたい!」「おいでよ!」




後に彼の著書を読んで知った事だけど、
「お腹がいっぱいになったら嬉しいでしょ?嬉しかったら歌うでしょ」とアフリカの少女が彼に教えた言葉があった。
私は自分の気持ちが溢れ出したらいつでもどこでも歌う。
翌日彼は言った「えみこさんにはアフリカの魂が」
んだ!私は直感行動直結型だ。
実はそのイベントに押し掛けた理由も、歌が胸から溢れだしたからだった。
受け入れてくれたイベント責任者様に感謝。ありがとうございました。



しかし、、日本に戻ってすぐ、彼はインフルエンサーのYouTube出演で大バズリして一躍「時の人」。「簡単に会えない人」になってしまった。なんと講演依頼300件詰まってるという。彼は彼のお役目がある。
それに向かって頑張ってください。陰ながら応援しております。
思い出したらいつか我が家に遊びに来てよ。一緒にドルメン見よう!
懐の深いおおらかなパワーを感じる気持ちのよいイケメン君でした。



「人との繋がりの暖かさを感じること」
「自然を感じて生きる事」
「今を生きるってどういうこと」

等等、彼の素晴らしい話を聞いた時ぱっと思った。
「画家」という共通点があったせいかもしれない。
愛しのトンセンWちゃんの人生ストーリーと彼女の作品は、彼の話や作品に勝るとも劣らない!って。



アフリカに行って日本を学んで帰るってのは本当に驚くべき事なのだけど。
場所はそんなに移動してなくても
Wちゃんが「わたば!」以降に覗き込み踏み込んだ心の旅の深遠さは、
アジアーアフリカ間に匹敵するものがあると思う。
深さもすごいんだから、マリアナ海溝並み!
落ちたら決して上がってこれない地獄の谷間みたいな笑。
とにかくWちゃんの振り幅はすごい~!極と極。
だから絵も深い。これからまだまだ深くなりそう。
深いながらも軽やかなのは、心に羽があるからだろう。




今皆こぞって彼に会いたがってるけれど、
ここにも崖の谷間の湿地に生えたどっしりキノコみたいな人がいる。
Wちゃんもそういう「価値ある」話のできる中身の詰まった人。
そしてそれをアートで表現している。
まだこの人の事を知ってる人は少ないかもしれないけれど。
きっとこのキノコはこれから菌を軽く広く飛ばしていくのだろう。




世界の草間彌生さんの自叙伝を読んだ事がある。なんともアーティストらしい人な気がした。でも「普通の人」「常識人」からは遠い感じがした。
そういう時代だったのだろうけど。あんな生き方誰でも出来ない~って思う。それをやった草間彌生さんて偉人級。
アーティストって、なんとなく遠く感じてしまう。



Wちゃんは42歳まで「責任感」と「常識」の人だった。
家の事を真面目にやってお姑さんと同居して
仕事も必死に頑張ってご主人を立てて過ごしてきた。
家族の為に毎日ご飯作ってきた人。




そういう生き方良くない!ってひっくり返したのじゃないと思う。
今までそうやって「誰かの為」に頑張ってきた人生が
もう行くところまで行って極まったのだろう。
人生反転してからは「ちゃんと自分を見てあげる」と一つ一つ丁寧に積み上げようとしてる真摯な人だ。
42歳までの自分だって「その時の自分は一生懸命だったね、可愛いね」
とWちゃんは優しく見つめて愛でている。あれもこれも全部自分。




そうはいっても、心の折り癖ってなかなか取れなくて
人生すごろくは、ちょっと進んだと思ったらまた戻ったり、
あれ~!って笑 どーしてこうなるの?涙
時々家族に怒られたり笑めっちゃ落ち込んだり。
私もそう。みんなそうだと思う。
だけど、、そんな自分たちの凸凹を愛しく見てあげたい。
そんな彼女のアートは、どこか優しく懐かしい。





紆余曲折して迷走して時々穴ぼこに落っこちて蹲る。
遠い「アーティスト様」じゃない。
血の通った喜怒哀楽に振り回されながらも
普通の生活感覚と人に寄り添う優しさを下地に敷いて
愛する家族のことで時には喜び時には涙し、
指から虹の軌跡を作品に繰り出すWちゃん。
こんな多層な人なので当然その絵は、とても多様。




そんなだから、インスタ等で彼女を見守ってる(覗ってる)
人が、何かのきっかけで「あなたに触発された」と言い出したりする。
それまで普通に常識的に生きてきた人たちが、
何かのきっかけでふっと、「この生き方じゃないかもしれない」と
思った時、Wちゃんに声をかけて「自分の心を潤す生き方」へシフトしはじめたりする。タイミングは人それぞれだけど。




普通に真面目に生きてる善良な人が、
「心で生きる」生き方にシフトしたいって思うってすごくない?
「心で生きる」「自分を満たす」「自分を優先する」って、今まで「ワガママ」で「非常識」で「迷惑」で「自分勝手」な生き方だと思われがちだった。良識的な人たちは、そうしづらかったと思う、優しいから。
だけど「皆に良かれ」とか「皆の為に」で生きていくと
自分の心はカラカラになったりして
「私は一体誰の為に生きてるんだろう」ってなることがある。
そんな人が実はいっぱいいる。




でも私を含めてWちゃんの軌跡を知ってる人達は、
あの人も最初そうだったね、って知ってる。
宇宙の彼方にいるような遠いアーティストじゃなくて
人は自分の人生を、毎日の積み重ねで変えていけるんだ、
それをやってる人がいるんだって。
結果的にそんな影響を世に与えている。



「自分をもっと許してあげてもいい」
「そんな自分も可愛いと思ってもいい」
て道があることは、もっと人に知られてもいいと思う。
「癒す」というより「自己を受け入れる」「自分を受け止める」
自己受容の世界。




Wちゃんの今書いているキャラクターの
「ウツワちゃん」は、時々落ち込み、時々器の水を溢し、時々アワアワし、
時々チーンとなり、、、見ているだけで楽しい。


実は私はWちゃんの話を聞いている時、
それが落ちこむような話であっても「Wちゃんは可愛いなあ」と
ほとんどウツワちゃんのバリエーションを見るような気持ちでみている。


色々あるよね、本当に色々あるけど。
気持ち上がったり下がったりしてる今のあなたもとても可愛いと思えて仕方ない。ごめん。他人事だと思って涼しい顔してるわけではないのだよ。
ただ本当に「ああ、いいな」って思ってしまうの。




Wちゃんのことって、私にはとても語り切れない。
ほんの断片。
だけど書きたくなったから一気に書かせてもらった。



絵を買いたい方はこちらへご連絡を。将来有望。


今、Wちゃんは絶賛お籠り期間らしくあまり人前には出てこない。
ジメジメ期(キノコ菌が喜んでいる気もする)。
暖かい春になったらまた状況が変わるかな。
生ものなので笑



ジメジメしてても溌剌としてても
彼女の事を「良いな」と思う。
雪の日には雪の日に、雨の日には雨の日にしか
見られない景色があるから。
どうぞ闇の世界でしかみられない光をゲットして
またこちらにアートとしておろしてほしい。



高麗人参の中でも貴重な紅参(ホンサム)って、
黒い日よけをかけて日光を遮断して育てる。
(ちょっと車で走るとそんな畑が近くにいっぱい)
陰に振り切きる期間が六年。
だからその薬効が身体を強く陽に導くのだと聞いたことがある。
中途半端な陰じゃダメで、徹底的な陰を減なければ
手に入れられない陽があるのだろう。



愛しのトンセンよ。
どうかこれからも幸せに。
家族を始めとするこの世界の沢山の人と関わる事で生じるあなたの泣き笑い、それは、あなたのアートに溶け込んでいる。
それを見た人たちの心には灯がともる。
「あっ!私は本当はこうだった!」と元の自分を思い出す鍵にもなる。
あなたの生き方がアート。
特別なことじゃなく、生活が私たちの祈り。
どうかその勇気ある美しい生き方をやめないで。


お金作って、またあなたの絵を買いたいと思っています笑
(もう飾る所ない~大きな家に引っ越したい!)
いつもありがとう。元気でね。



ああ、ブログにまた私信を書いてしまった。失礼。
大好きな友達シリーズ。

https://note.com/emikorea_love/n/n3393d37bb6e7

でもWちゃんの良さを大声で語りたい思いが溢れたので
ここに書きました。書ききれてないので今後も精進します。
絵が気に入った方はぜひ絵を御購入ください!!
その時はWアートに関してえみこと熱く語り合いましょうね。

ありがとうございました。



























































この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?