悪は存在しないという映画を見て。すべてはバランスと分かった気になるという怖さ。(ネタバレなし)

お久しぶりです。
えみのすけです。

エンジニアの勉強を中心に載せたり、内向的な自分の生き方を発信をしている自分ですが、
久しぶりに観たい映画があり映画を観てきました。

『悪は存在しない』


この映画は、カンヌ国際映画で脚本賞を受賞した「ドライブ・マイ・カー」の監督と企画の方が再度タッグを組んだ作品となっています。
ネタバレなしで書いていますので、よろしければ最後まで見てください。


あらすじ

長野県、水挽町(みずびきちょう)。自然が豊かな高原に位置し、東京からも近く、移住者は増加傾向でごく緩やかに発展している。代々そこで暮らす巧(大美賀均)とその娘・花(西川玲)の暮らしは、水を汲み、薪を割るような、自然に囲まれた慎ましいものだ。しかしある日、彼らの住む近くにグランピング場を作る計画が持ち上がる。コロナ禍のあおりを受けた芸能事務所が政府からの補助金を得て計画したものだったが、森の環境や町の水源を汚しかねないずさんな計画に町内は動揺し、その余波は巧たちの生活にも及んでいく。

映画『悪は存在しない』公式サイト

1.自然の美しさ

まずこの映画はとても静かでかつ、映画としては独特なカメラワークだったと思います。いうならばカメラマンが写真を撮るような映像です。
その結果としてより水の透明さ、草木の緑さなどが引き立ち、自然豊かな場所としてとても映像が綺麗でした。また、映画全体的な静かさもより町としての静けさをとても感じる作りでした。

2.町全体の不気味さ

さきほどは「静けさ」と表して、自然を強調をした感じにしたが、言い換えると町全体の不気味さを感じる作りになっている。主人公はとてもモノ静かであり、その娘も同様に自然を元気いっぱいに走り回る元気で明るい子?という感じには見えない。その空気感をとても感じる作りになっている

3.芸能事務所の人の仕事

あらすじにもあるが、この映画は主人公の住む自然豊かな町に芸能事務所の会社がコロナの助成金を目当てにグランピングを計画をし、その際の対立をドラマにしている映画である。
だからこそこの都会の人間こそ悪側になるのだが、そうではない。理由は、
「芸能事務所がこのグランピングを計画していること」
「その時代背景でコロナで売り上げが厳しいこと」
「あくまで芸能マネージャーがこの企画を担当していること」
この内容に共感をする方が多いのではないでしょうか。最初は「なんだこいつら?」という感じが、時間の経過共により共感してしまう。特に二人のドライブの時間は共に二人の人間性が見えてくる瞬間です。

4.関係性(縦、主従関係)

先程の記載と重複しますが、ここでは縦の関係も強調されてる。
例えば社長と社員。上司と部下。そして父と子。町長と住民。ここの関係性がはっきり現している。

5.関係性(横、対立関係)

ここが主な話のメイン。住人である主人公側と芸能事務所の担当者。ここの関係性がどうなのか。お互い理解しあおうとするのか。それとも対立をし続けるのか。そして理解しあえるのか。それとも理解は出来ないのか。そう特にここの関係性を人間らしく描写してるのかなと感じた。

6.関係性(斜め、間接的な関係性)

この斜めの関係とは何か。ここでは、芸能事務所の社長と住人との関係だ。ここの関係性も非常に大事。

7.人間界も自然界も同じである

この物語はこれに尽きる。そしてこの映画のタイトル『悪は存在しない』という言葉がここで重くのしかかってくる。そう見方を変えればみな同じであると。例えば歴史的にみて今住人と自然はそう自然を無駄にしていないかとは言えないだろう。また動物のとる行動が全て動物だけの行動なのだろうかと。

最後に

以上の内容が僕がこの映画で感じた感想という面白ポイントです。僕自身が「地方に住むこと」、「都会に住むこと」を悩んでいたこともありこの映画を直観で面白そうと思い見ました。見た上ではどっちが正しいのか。僕にはわからないです。それでも全てにおいては「バランス」なんだと。そうシーソーのように片方に人が多すぎると駄目なのではないかなと思う映画でした。
そして分かった気になるこわさ。その怖さを感じた。

もし映画観た方は、映画の考察については、この方の内容が素晴らしすぎるので、是非見て下さい。


ここまでのご閲覧ありがとうございました!

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