えみっく

ベーシスト、音楽療法士、ドラムサークルファシリテーター、ラテンパーカッション愛好家、茶…

えみっく

ベーシスト、音楽療法士、ドラムサークルファシリテーター、ラテンパーカッション愛好家、茶華道家、時々凧の糸が切れたバイク乗り。

マガジン

  • 私のベースよもやまばなし

    いちベーシストとして、ベースにまつわるアレコレをゆるっと発信します。

  • キューバに行った話をしよう

    2019年3月から4月にかけて滞在したキューバでのことと、それにまつわる話をまとめています。

最近の記事

インナーマッスル

スムーズな関節の動作を助けてくれるインナーマッスルを鍛えると、アウターマッスルの無駄な動きを省けるから、疲れにくくなるらしい。 手のインナーマッスルを正しく鍛えたら、指も腕もスラッとして、おまけに手首の痛みや腱鞘炎の防止にもなるらしい。 手のインナーマッスルなんて考えたこともなかった。これ鍛えたら、もうちょっとスムーズに指が動くようになるだろうか。試しにしばらくのあいだエクササイズをしてみよう。指も腕も細くなったら万々歳。 効果、出るかな?

    • 強い音

      「強い音じゃないとだめだ」という。 力任せの音のことではない。ただ大きな音でもない。 自信のある音。 意志のある音。 信念のある音。 血の通った音。 「強い音」とはその存在感をいうものなのかな。 存在感のない音をたくさん並べても、いっぱい集めても「強い音」にはならない。一音一打でも「強い音」。永遠の憧れ。

      • 樹木を担ぐ

        言ってしまうと、私の持っているベースは決して安くはない。 安くない理由のひとつには「使用する材木の価値」がある。多くの木製楽器が貴重な地球資源を伐採して作られているのは事実だ。そんなものを買って使うなんて、と思う環境保護活動家の方もいたりするのだろうか。希少な木を音楽家の欲望のために切るなんて……などと思われたりするのだろうか。 私だって森林が猛スピードで減少していることにも、多くの樹種が存続危機に瀕していることにも、それによって行き場を失う生物がいることにも心が痛む。そ

        • キラキラ

          2020年10月15日、「ライラ開店48周年記念日 セッション&パーティ」に足を運んだ。数字からも分かる通りの老舗ジャズバー。アクの強い名物マスターの仕切るこの店の扉をおおかた1年ぶりに開いた。キラキラと輝くトランペットの音色、キラキラと輝くウィスキーグラス、キラキラと輝く黒塗りのグランドピアノ、キラキラと輝く、この店を愛して音楽に打ち込むプレイヤーたちの表情……自分の周りの全てが輝いて見えた。こんなご時世だからだろうか、たまらない幸福感に包まれた時間だった。 音楽は輝いて

        インナーマッスル

        マガジン

        • 私のベースよもやまばなし
          14本
        • キューバに行った話をしよう
          11本

        記事

          豊かさの弊害

          お金を出せば大概のものが手に入るのが当たり前になると、物を限界まで使う、あるいは使い込んでそのポテンシャルを引き出すことをする前に、新たな物を投入して不満を解消しようとしがちではないだろうか。 訪れたキューバには物もお金もなかった。しかし多くのミュージシャンは私たちの感覚ではありえないようなズタボロの楽器や粗末な機材ですばらしい演奏を聞かせてくれる。彼らはそこにある物を最大限に愛し、最大限に使い込み、鳴らそうとする。 不満の原因を物に求める前にやれることがある。 真新し

          豊かさの弊害

          キューバに行った話をしよう(11)

          ズバリお金の話 まことに私的な話だが、お金がない。貯蓄もいよいよ底が見えてきた。  音楽療法士の資格を取るまでは地元の紙卸会社の会社員だった。決して多いとは言えないお給料ではあったが、実家暮らしなのをいいことに在職中はそこそこ貯金ができた。しかし当然のことながら、まとまった安定収入がないと別段贅沢をしなくてもお金はおもしろいように減っていく。ため息をつきながら通帳を開くと、BGMにはキューバを代表するバンドの1つ、Interactivoの『No Money』。どないやねん。思

          キューバに行った話をしよう(11)

          思い描くこと

           それなりの期間クラシックピアノを習っていた。家から一番近い教室という理由で通った先の先生は、音大進学の指導をするような方でなかなかに厳しかった。私はちっとも家で練習しない子で、しまいには親が怒られていた。高い月謝を払ってもらいながら大変申し訳ないとしか言いようがない。  それはさておき。この先生がいつも熱心に指導してくださったことのうち、どんな楽器を手にした時も感謝の念が湧き起こる点が二つある。その一つが「情景を思い浮かべること」だ。あなたはどんなイメージを持ってこの曲を弾

          思い描くこと

          キューバに行った話をしよう(10)

          ベーシスト、キューバでパーカッションを習う「パーカッションをやるとベースが上手くなる」を検証する企画。ベーシストがいきなりキューバでパーカッションレッスンを受ける話。 渡航前から「受けられそうならレッスン受けたい」くらいの気持ちで考えてました。そこでサンティアゴでの宿が決定した際、宿主にそのことをメールで相談。パーカッションの経験者、或いはスペイン語で交渉できるスキルがあれば、現地でライブを観てから「この人!」というプレイヤーに教えを乞う手もあるのですが、私にはどちらもなかっ

          キューバに行った話をしよう(10)

          My first bass

          YAMAHA MB-50 大学の入学式終了後、その足で神戸三宮の楽器店へ行き、予算5万円で一式揃えたいと伝えて店員に勧めてもらったベース。身体が小さいからまずはミディアムスケールではじめてみてはどうでしょうかという提案だった。そんなちょっとばかり小振りで軽量なMB-50だったが、なぜか電池の減り方が尋常ではなく、その電池代がバカにならないという理由で、結局数ヶ月後に2本目を買ってしまった。そして弾かなくなったMB-50は翌年入部してきた後輩に譲った。  それにしても未だにあ

          My first bass

          セーターの毛玉だったり穴だったり

           新型コロナウィルスの影響で、いつもとはずいぶん違った空気の春だったが、それは私たちが勝手に感じている社会の空気感でしかなく、自然の営みは今年も変わることがない。だからそれに則してやるべきことは、やはり今年も変わらない。  晴天の多いこの時期に冬物衣類を一気に片付ける。すっかりお約束、セーターにはストラップの「アタリ」が出て、そこだけ妙に毛羽立ったり毛玉ができたり。裾を見るとパンツのリベットかベルトのバックルのせいだろう、糸が切れて穴が開いたり。1枚1枚アイロンをかけて傷み

          セーターの毛玉だったり穴だったり

          弟子とはなんぞや

          ドラマーの友達に弟子ができたという。 ん? 彼女には何人も生徒がいる。しかし言われてみると、確かに弟子と生徒でニュアンスは異なるようにも思う。そんなわけで実際に言葉の違いを調べてみたが、それはもうとにかく人によって、業界によって、捉え方は千差万別なので、結論としてはまあ好きに使えばいいのかなというところにしか着地しない。 彼女は「弟子」は自分の代わりがある程度できる存在と位置付けているらしい。なるほど。わりと腑に落ちた。 ははは。私は万年「生徒」だな。 あのとき、眼

          弟子とはなんぞや

          過去を振り返ってしまった

           新たにYouTubeのチャンネルを作成し、ようやくキューバで撮ってきた動画をぼちぼちとアップし始めた。動画の編集や公開に関しては毎度行き当たりばったりなので、ちっとも知識がなく、気付けばYouTubeのアカウントが三つ…。おや、まあ。 その中には2008年に作ったチャンネルがあって、2本だけ演奏動画を上げている。うち1本は曲目がかの有名な『COPACABANA』だからなのか、今現在の再生回数が知らぬ間に4桁に達している。  私は今日、懐かしさもあって恐る恐るその動画を再

          過去を振り返ってしまった

          ギャラの思い出

          演奏で初めてギャラをいただいたときのことは今も忘れない。嬉しかったからではなく、そのときから今に至るまで、変わらず自分への戒めとして心に留めているからである。 店舗のプライベートパーティでの演奏だった。そのときのメンバーの中で私一人が突出してレベルが低いことは明らかで、帰り道でギャラを分配する際に、私は自分の取り分を減額して欲しいと申し出た。皆と同額は受け取れないと。しかし返ってきた答えはこうだった。 「同じだけ持って帰って反省しろ」 そう言われて私はすぐに自分の申

          ギャラの思い出

          憧れのネイルアート

          深爪にはならない程度に残しつつも、ネイルアート全盛の今、多くの女性から見たらなんともみすぼらしい指先をしている。指は太短くてどうしようもないのだが、爪の面積自体は結構大きめなので、伸ばすことができれば人前に差し出す指先はもうちょっと美しいものになるのだろうなと、せっかくの少ない見た目の長所を生かすことができないのは、やはり女としては残念なのである。諦めているからいいのだけれど、ベーシストだからこの短い爪が誇り…などとはちっとも思えない。 短い爪でもできますよ、と言ってくれる

          憧れのネイルアート

          キューバに行った話をしよう(9)

          キューバ産のコーヒーを買ってきた と言っても、キューバで買ったわけではなく東京で買った。戸越銀座のコーヒーショップでたまたまキューバ産の豆に出会ったので、少々値は張ったが迷うことなく買ってしまった。100gだけ。持ち帰ってガリガリと手動で豆を挽き、ちびちびと飲むそのコーヒーがキューバで飲んだあの味!…とはさすがにならないのだけれど、コーヒー絡みの思い出は結構あって、ちょっとしたことから、とんでもないアクシデントにまつわる話までが一気に思い出されたので、せっかくだから紹介しよう

          キューバに行った話をしよう(9)

          ボロボロのベース

           私の使っているベースの背面は、このように傷がついている。いわゆるバックル傷というもので、文字通りベルトのバックルによってついてしまう傷のことなのだが、この傷は私がつけたものではない。私の体格だとこの位置に傷はつかない。 このベースはレリック加工(あるいはビンテージ加工、エイジド加工)が施されている。最初から至るところ傷だらけ、金属にはサビが浮き、塗装には無数にヒビが走る。そんなもんで、よく「ビンテージですか?」と聞かれるが、実はまだ小学校高学年くらいの若い子。それをわざわ

          ボロボロのベース