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超個人的ユーミン読解集1『雨の街を』

題材:
『雨の街を』
 作詞/作曲/歌唱:荒井由実(松任谷由実)
 アルバム『ひこうき雲』(1973年)@UNIVERSAL MUSIC  より

はじめに

突然だが、私はユーミンの曲が大好きだ。
言わずもがな、彼女の曲は全て情景描写が巧みで、聴く度に歌の世界に惹き込まれる。
本日は、数あるユーミンの曲の中でも私が大好きな『雨の街を』について、どちらかというと文学的な視点から・超個人的に・自分の人生と照らし合わせながら、解釈してみたいと思う!(要は身勝手な妄想です。)

3つの要素

それではまず、本作を解釈する上で私が大事だと思った3つの骨組み要素を説明したい思う。(音部分については、私は音楽の専門知識に乏しい為さらりと飛ばしますので、ご容赦ください…。)

①人物:
この曲に主人公(語り手)がいるとしたら
・20代のOLさん。
・裕福めの実家暮らし。
・要領良くてなんでもできるけど、自分の本当にやりたいことであったり、どんな人と一緒にいたいかということが、あまりよくわかっていなかった。
・でも今は、望みがはっきりしている。

そんな人ではないだろうか。
ユーミン自身から連想される人物像や私自身(裕福ではないし要領も普通だがざっくりと似たような状況)と重ねているところが多分にあるが、いずれにしても、今決して不幸ではない、これからもきっと今より不幸になることもないと予想される、平穏な日常を送っている。しかしいつも何かが満たされず、日に日に虚しさだけが募っている。そんな女性が、朝目が覚めて、まだベッドの中にいるときを私は思い浮かべた。

➁時間経過と連動する心情の変化:
作中に時の流れがあるとしたら、
夜明け(寝起き)~日の出が完全に終わるくらいまでの朝(もう出かける支度をしなければ間に合わない時間)の、非常に限られた時間ではないだろうか。夜から朝に変わっていく時間というのは、音楽以外のジャンルも含めて、多くの作品のなかで前向きなイメージ、希望に満ちたイメージを思い起こさせる。しかし、本作を聴いても、そうした明るい感情が大っぴらに湧いてこないのはなぜだろう。それについては、③で解釈していきたいと思う。

③音
①➁では、歌詞から読み解ける要素について言及した。では、歌い方と演奏はどうだろうかというと、私は、もの悲しい印象を受けた。
これが①➁と合わさることで、全体で虚しい気持ちの表現がされているのではないだろうか。
状況と、自分の気持ちの方向にギャップを感じているとき、人は虚しさを感じるのかもしれない。
作中の主人公はおそらく自分の望みが分かったが、それと同時にその望みが叶わないことも分かってしまった女性であると予想される。

以上が私の考えた、3つの要素である。

Emi

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『雨の街を』が収録された、松任谷由実さんのアルバム
『ひこうき雲』 Spotifyでのダウンロードはこちら↓
https://open.spotify.com/album/2Apn7plsxGOwwD7anbcAOS?si=WuKymnPoS4iGxL8ntSX7bQ
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使用画像:
窓ガラスと雨の水滴のフリー素材 https://www.pakutaso.com/20170620177post-12183.html
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