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ザンクトフローリアンのアドベントコンサート

2018年の12月に初めて会って2019年の9月に再会した、ザンクトフローリアン少年合唱団のカウンターテナーのアロイス・ミュールバッハー君。ザンクトフローリアン修道院の大聖堂で彼の歌声を聞いてみたいとずっと思っていました。

11月初めにFacebookを見ていたら、ザンクトフローリアン少年合唱団がアドベントコンサートの情報をアップしていました。場所はザンクトフローリアンの大聖堂。アロイス君がソリストで出る!

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9月にザンクトフローリアンに行ったばかりだし、アドベントコンサートは毎年ある。しかし、来年はどうなるかわからないし、なんといっても、アロイス君をザンクトフローリアンで聞くことは、私が強く望んでいたことでした。日曜日の公演ということもあって、弾丸で行くことを決めました。

メールで問い合わせをしたところ、座席にカテゴリーがいくつかあるとのことだったので、前のほうの座席のチケットを取り置きしてもらいました。「寒いので暖かくして来てね」とメッセージがあり、本当にここの人は親切だと思いました。

コンサートは午後4時半から始まります。午前中ならインフォメーションでチケットを引き換えとのことだったので11時くらいに行ったら、ドアを開けた瞬間、「アドベントコンサートのチケットを予約していた方ですよね?」と言われてびっくりしました。

実は9月にアロイス君に会った時の写真をフォトフレームに入れて、クリスマスカードも書いて持ってきていました。アロイス君と合唱団の音楽監督のFarnberger先生にはリハーサルで忙しいので会えないだろうけど、マネージャーさんに渡せればいいなと思っていたのです。

修道院内を歩いていたら、白い車から女性が降りてくるのが見えました。「クリスタさんだ!」少年合唱団のマネージャーさんでした。ウェブサイトに顔写真があるのですぐにわかりました。

クリスタさんに「すみませーん」と話しかけてみました。「9月にここに来た時にこんな写真を撮ったんです」と言って写真を見せると、「わあ、いい写真!南アフリカツアーから帰ってきたときの写真なのね!」ときゃぴきゃぴ喜んでいました。

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クリスタさんには「先生たちはこの辺を散歩していると思うから、多分会えるんじゃないかな」と言われました。しかし、この日は日曜日。コンサートは多分6時くらいまでだろうけど、6時のバスを逃したら次のバスは8時なので、6時のバスに乗りたければ終演後はすぐにバス停に行かなくてはならないし、アロイス君も打ち上げで忙しいと思うので、クリスタさんに写真とカードを押し付けてきました。(後で知ったのですが、Farnberger先生は修道院内に住んでいるようです。もしかしたらこの日も散歩していたかもしれませんね)

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ザンクトフローリアン少年合唱団は少年合唱団と男性合唱団があります。子供のピュアな声に大人の男性の声の響きが素晴らしく、素朴であり懐かしくも感じました。少年合唱団の一番小さな子たちは、ろうそくをもって教会の真ん中をしずしずと歩いたりしていました。ここの人たちは毎年このようなことを経験していると思うと、また日常的に宗教と音楽があると思うと、羨ましくなりました。

今回指揮と伴奏をしていたのは、2018年より指導陣に加わった少年合唱団出身のMarkus Stumpnerさんでしたが、アロイス君のソロの時にはFarnberger先生がピアノ伴奏をしていました。アロイス君が子供の時からFarnberger先生が伴奏をしているので、きっとこの組み合わせが一番安心するのだろうと思いました。

アロイス君の、透明でやさしく、お母さんのような慈愛に富む歌声は本当に素晴らしかったです。この人は本当にザンクトフローリアンの子なんだ、神の仕事をしている人なんだと思いました。

出演者は合唱団のほか、サックス、ホルンカルテット、オルガンもありました。コンサートはサックス奏者のVictoria PfeilさんによるベートーヴェンのSignor Abateのテーマのインプロビゼーションで始まりました。オルガンも静かに加わり、とても厳かな気分になりました。また、サックスとホルンカルテットとオルガンだけの曲は、多分クリスマスキャロルだと思うのですが、カノンのように追いかけっこするようなアレンジで、やさしく心に染み入る音楽でした。

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最後の音楽が終わったところで5時55分でした。「これから走ってバス停に向かえば6時のバスに間に合うかな?」と思っていたら、指揮のStumpnerさんが、「最後にみんなでクリスマスの歌を歌いましょう」というのです。合唱団で歌ったこともある私が、歌わずに帰るわけにはいかないでしょう。。。帰りは大混雑のうえ、合唱団の子たちが「すみません、すみません。僕たち教会の前でCDを売らなきゃいけないので先に通らせてください」というので道を譲っていたりしたら、バス停に着いたのは6時15分。もちろん6時のバスには乗れませんでした。日曜日は6時のバスのあと、次に来るのは8時だし、また満員だったらどうしよう?修道院内のレストランも周辺のレストランもクローズしていて、すでに真っ暗で寒い。無事に帰れるの⁈

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そして、このアドベントコンサートで運命の人に出会いました。フルートを始めたのは、シュッツさん、アロイス君と会い、最終的にこの人に会うためだったのではないかと思っています。次の記事でご紹介したいと思います!